あ々 平尾誠二

平成生まれの人間には実感できない話ですが、去年のワールドカップでの好結果によってもたらされたラグビー俄人気など目じゃないほど、昭和時代はラグビーが超人気のスポーツ種目。

大映ドラマ「スクールウォーズ」を視聴して、ラグビーの魅力に触れた、始めた少年多数。
冬季、プロ野球のない週末のスポーツニュースは、ラグビーを主として伝えていたと記憶しています。
一般紙のスポーツ面も、冬場は社会人ラグビーと大学ラグビーの結果に、紙面を大きく割き。
昭和時代の日本サッカーは秋春制でしたが、冬場、サッカーのニュース価値"なんか"ラグビーに比べて小さい、小さい。

当時の花形選手といえば、本城和彦、松尾雄治、そして平尾誠二。
3人ともスタンドオフ=司令塔で、知名度抜群。
松尾選手だけ、ゴリラ系というか、野生系というか、そんな容貌でしたが、本城選手と平尾選手は男前で顔が小さくて、女性人気高し。
五郎丸歩選手よりも遥かにキャーキャー言われていたと思います。
ですよね、昭和を生きた女性のみなさん(笑)

本城と松尾は監督業で選手時代のような実績を残さなかったけど、平尾は監督或いはゼネラルマネージャーでも、ある程度の結果も残しました。

ワールドカップで惨敗ばかりの日本代表。
これはもう、平尾に託すしかない、そんな期待がラグビーファンの間で募った頃に、本当に日本代表監督に就任したときは、これでジャパンは世界で勝てる！と興奮しましたよ。
身体能力の高い若者を発掘する「平尾プロジェクト」を始めるなどして、ますます期待は増していきます。

が、しかし、平尾監督でもダメ。
平尾ジャパンでもW杯で勝てなかったときのショックといったら……。
切り札、でしたからねぇ。
儂のように、平尾が率いても勝てなかった事実に暗憺たる気持ちになったラグビーファンの数は甚大だったはず。
日本ラグビー協会も、だから日本人指導者では限界があると悟り、以降は外国人ヘッドコーチ路線になっていたわけで。
そして、去年の輝かしい勝利に繋がったというね。

代表監督は成功しなかったものの、日本ラグビー界には欠かせない人でした。
本城和彦や松尾雄治が支流の道に行き、宿澤広朗と上田昭夫と石塚武生が鬼籍に入ったからこそ、尚更にね、平尾誠二には日本ラグビー界全体の司令塔を長期間、託したかったんですが。清宮克幸や吉田義人らの補佐を受けてね。
それが叶わなくなったこと、残念で、残念で、なりません。
ラグビー界の大いなる損失。