おじいちゃんの病院にピアノがある。私が病院に行くたびに
「おい。お姉ちゃん(私のこと)やピアノをひいてくれや」
と言う。私がつたないピアノを弾くと喜んで聴いてくれる。
「おら。ピアノ好きだだわい」と言ってくれる。
去年の年長さんだったKSくんなんて
私がピアノちょびっとほんのちょびっと間違えようもんなら
ksくん「せんせい。あのさ、さっき000(曲名)の~と~のところピアノ間違えたでしょ?ごまかしたってわかるんだからちゃんとれんしゅうしといてね」
そんなこと絶対言わない。やさしいおじいちゃん。
最近ずっと帰宅が遅く週末かほんとに早く帰れる日しかおじいちゃんの病院に行けない私なので、とにかくおじいちゃんと会える日はうれしい。
そんなおじいちゃんが先日
おじいちゃん「あのピアノ勝手になるだぞ」
私「勝手に?」
おじいちゃん「そうだぞ。なるだぞ」
おじいちゃんは体はうまく動かなくても頭はずっとハッキリしてた。
毎日新聞を読み、過去の話は私なんかよりずっと記憶してて、一度言ったことは絶対覚えてる。
そんなおじいちゃんだったので私は、ゾッとした。
ピアノが勝手になるわけない。
とうとうおじいちゃんにもそのときがきちゃったんだ。
私はそれを聞いた日に怖くて怖くて夜眠れなかった。
そしたら昨日、おじいちゃんの病院に行ってまたピアノを弾くことになったとき
ある!なにかある!ピアノの上に何かある!
急いで看護婦さんに聞く
私「あのピアノの上のなんですか?」
ナース「あれは自動演奏できる機械で先日取り付けたんです」
よかった。
おじいちゃんが合ってた。
そうだよ!おじいちゃんがボケるわけない!
よかった~~~よかったよ~~