- 「いろいろな人を正しく見る」ということと同様に難しいのが、「自分自身を正しく見る」ということです。
- これは、「他人を正しく見ることができない人は、自分自身をも正しく見ることができない」と言うこともできます。あるいは、「自分自身が見えない人は、他人を見ることもできない」と言い換えることもできます。
- 真に自分自身を知らぬ人は、他人を知ることもできません。
- それは、「自分自身の中に神の子、仏の子を発見できなかった者は、他人の中に神の子、仏の子を発見することもできない」ということと同じです。
- また、他人の中に神仏の心に反する心を見ることのできない人もまた、自分の中に神仏の心に反するする姿を見ることができません。
- したがって、「他を見る」ということと、「自己を見る」ということは、合わせ鏡を見ているようなものであり、自と他の両方を見て初めて、本当の姿が見えてくるのです。
- 自と他はまさに、合わせ鏡なのです。
- 「他人だけが見えて自分が見えない人」もいなければ、「自分だけが見えて他人が見えない人」もいません。両方が見えなければ、「本当の自己像」「本当の他人像」「本当の世界像」は決して浮かんでこないのです。
『真説・八正道』 第2章 正見