あまもりのなんやかんや

しがらみから離れてたまには身近な自然と親しみたい

推理を楽しむ

2007年06月11日 | 身近な自然
【画像は全てマウスオーバー+ワンクリックの3枚組です】
画像にマウスポインタを乗せたら2枚目が、そのままワンクリックで3枚目が出ます

<>
↑ニワゼキショウ(アヤメ科)
美しい花なのに一日花です。惜しいな~
去年、淀川右岸の赤川鉄橋そばで見た花も、ここ淀川左岸の城北で見た花もどちらも白でした。紫のほうはまだ見たことがありません。
◆今回初めて知ったこと◆
学名は一般的に「Sisyrinchium atlanticum」が用いられているがこれは誤りだという記述がウィキペディアにありました。
日本で野草化しているニワゼキショウは北米から観賞用として輸入されたものではなく、アメリカのテキサス州辺りからやってきた元々野草だったもの。との説です。
他にも「atlanticum」は誤りとしているサイトがいくつかありました。
学名は「Sisyrinchium atlanticum」か「Sisyrinchium rosulatum」か、
はたまた別にあるのか。
学名の名前にめまいが起きる。推理は簡単に諦めた
小石川の植物園から観賞用が逃げ出したものか、
野草が入ってきたものか不明。でも花は美しい。それでいいと。


<>
↑トキワハゼ(常盤黄櫨) ゴマノハグサ科 学名:Mazus pumilus
花の長さは約1センチ。地面にへばりついているような小さな花です。
トキワハゼかサギゴケ(ムラサキ)か特定に悩みました。
花のサイズや、花の上唇部の様子で見分けがつくというけど、そこは素人。
決定打の動かぬ証拠を探すことに。
●サギゴケ(鷺苔)には地面を横這いする茎(ほふく茎)がある。
●トキワハゼにはほふく茎が無い。
ということで、シロツメクサの時と同じように草をかき分けて証拠を探す。
ほふく茎はなく、花の小ささからも、君はトキワハゼ
アップした顔はどこかの星からやってきた異星人に見えた。

※ほふく茎(匍匐茎)
匍匐前進(ほふくぜんしん)の「匍匐」のことで、腹這いするように横に伸びる茎のこと。

検索したサイトには「匍匐茎」とあり、フリガナ無し。
これを「葡萄茎」と読んで、私の頭は混乱。
「匍匐」(ほふく)と「葡萄」(ぶどう)。
視力の問題ではなく、漢字能力が問題らしい


<>
↑ナヨクサフジ(弱草藤) マメ科ソラマメ属 学名:Vicia dasycarpa
在来種のクサフジか、外来種のナヨクサフジか悩む。
花色はあまり当てにならない。これも証拠探しに専念。
クサフジとナヨクサフジの決定的な違いは花柄(かへい)の付き方にあるらしい。
◆クサフジは花柄(かへい)が花のガクの付け根に付く。(おおかたの花はそうですね)
◆ナヨクサフジは花柄(かへい)が花のガクの横に付く。(これは変わり者だ)
証拠写真はワンクリックの3枚目。ガクの横から花柄が伸びている。
君はナヨクサフジ
花の長さは約1センチ。
2枚目は、葉と実ですが、葉はカラスノエンドウにそっくり。
実のサヤの長さは2~2.5センチ。
カラスノエンドウより多少ぷっくりして短め。
クサフジよりナヨナヨしているのでナヨクサフジと付いたとか。
どこがナヨっとしてるのか私にはわからない。
在来種のクサフジを一度見てみたいものです。

以上、全て淀川左岸と城北公園で咲いていた野草です。
似たもの同士の野草には大いに悩まされます。
(でも次から次へと改良される園芸種よりましです)
動かぬ証拠を握る、これが名前を突き止める決定打。
(誰でもが知っている野草を知らない私には特に大事)
花の名前を知るのは一種の推理ゲームのようで、今回はけっこう楽しみました。
この推理が間違っていたらご遠慮なくご指摘ください。

私にしては早い更新はここまで。
ネタが尽きましたので、いつものスローペースに戻ります。
コメント (35)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ピンクのシロツメクサ? | トップ | 早朝の神崎川で »
最新の画像もっと見る

35 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
学名は・・? (横浜のおーちゃん)
2007-06-11 17:35:58
いま近所に咲いている色のちがうニワゼキショウが全て同じ品種かどうかも、私には怪しい限りです。
ナヨクサフジなのかクサフジなのか、最近どこかで見たような気がします。名前も分からず通り過ぎてしまったのですが、心当たりを探して、どちらなのか確かめて見ます。
返信する
淀川と城北はあまもりさんの宝物 (花ぐるま)
2007-06-11 19:16:06
がいっぱいですね~
ます、ニワゼキショウがもしかしてテキサスからやってきた???
あまもりさんのニワゼキショウと違い家のはブルー系が多いですね。
一日花ですぐに種ができる、最近は種がここそこにできていてこれがまた増えるのか~っと悩める私。
トキワハゼはサギゴケと似ていますが、葉を見ると一寸違いますね。家にあるのはサギゴケ。
これもまたすぐに種ができ、根っこでもどんどん増える、種と根っこと両方で子孫を増やすのでどんどん拡張していく~~
トキワハゼも多分根と種と両方で増えるのでしょうね。
そしてナヨクサフジはなよなよしているどころかとても綺麗で(あまもりさんの写真が素晴らしい!!)沢山の花をつけて立派に経っているではありませんか!
こんなに沢山の花をつけると自ずから頭が下がるでしょうねそこでナヨがつくのかなあ~
これもまた沢山の豆をつけて子孫を増やすのですね。
すご~い
カラスノエンドウのほうが未だ可愛いかな?
花がこのようにびっしりとつかないので、豆も同じようですね~
3つの野草を観察されてその推理力には感服します。
花を見ていると色々推理が働きますね。
先日のギシギシがどうしてその名前が付いたかというとぎっしりと詰っているかららしいので”なあるほど!と思った私です。
ひとつひとつの野草をこのようにして追求していくととても面白いと思いました。
返信する
植物学者に近づいてきましたよー。 (おみや)
2007-06-11 20:17:41
こんばんわ
今日のブログを拝見して「最近の探究心には驚きです。
ニワゼキショウがアメリカのテキサスから来たなんて想像もしていませんでした。最近やたらと増えて、白・赤紫・ブルーの三色がありました。トキワハゼもクサフジも、今まで疑問をもったことも無く、クサフジにナヨのつくものもあるなんて始めてです。
これからは花に対して失礼にならないように名前をきちんと確認するようにしたいと思いまーす。
返信する
ブルーアイド・グラス (serena)
2007-06-11 21:15:21
とこちらで呼んでいるのがこの種ニワセキショウのようです。
学名がSisyrinchium rosulatumで、私が知っているのは紫っぽい青です。グラスという名は葉がグラスのようだからで、実はアイリスの一種とありました。

ナヨクサフジについてはもう少し調べたいです。こちらでスムース・ヴェッチと呼んでいるのがこれだと判りましたが、私にはまだヴェッチの種類が混沌としていて良く判りません。
あまもりさんが勉強してくれたお陰で刺激され、頑張る心算ですが。。。
英語の名前を憶える必要のない人には関係ないですけど、これも運命やな。
返信する
あまもりさん、こんばんは (polo181)
2007-06-11 21:40:12
ニワゼキショウ!懐かしい友達に出会ったような感じです。嫌味のない個性的な花ですね。今の私には学名までは覚えきれないので、ただ単に後々のためにと考えて学名も書き入れています。ひたすら花の名前と科名だけを覚えようとしています。でも、そこまで推理を楽しむあまもりさんがご立派!まだまだ若いから精神的なエネルギーがあるんでしょうね。
トキワハゼの顔をしげしげと見ました。なかなか愛らしい顔です。目あり鼻あり、色つきのほっぺたまでありますね。これはもう忘れられない顔です。ところで、匍匐前進とは銃を両手でもって腹這いになり膝と脛で前進することです。昔軍隊では、これを最初に教えたのでした。小学校でもやらされましたよ。
ナヨクサフジは初めて見ます。どこかナヨナヨしているのでしょうね。ここまで徹底的に調べ上げたのだから、100%誤認はないでしょう。仕事の合間にだろうから、少しずつ積み上げた貴重な記事だと思いました。
返信する
何時も感心。 (sakura)
2007-06-11 21:47:04
あまもりさん 
ニワゼキショウは美しいお花なのに
一日花で本当に惜しいですね。
やはり美人薄命と言うからお花も同じですね。

トキワハゼ。(匍匐茎)この字を見たら
ブドウ と読みますよね。こんな字は知りませんでしたわ・・・
お読みになる方も有るのでしょうか?
それなら恥ずかしい事です。

ナヨクサフジと書くだけあって、アップされた写真を見て
藤の花を思わせる様に花びらのスジまで写って
あまもりさんの写真の技術がうまい。綺麗ですねぇ~。
褒めすぎと違いますよ。本当に感心したのですよ。
返信する
植物学者? (高花六無斎)
2007-06-12 09:32:39
あまもりさん お早うございます。
こちらは快晴、夏の天気です。
またまた、素敵な野草を素晴らしい画像と分かり易い解説で有難うございます。あまもりさんの解説は植物学者のように詳しいですが、植物学者と違って平易な文章ですので、私のような超ど素人でも理解し易いです。
ニワゼキショウはとても小さい花なのにアップして見せてくださり、美しさに驚いています。デジカメのマクロ撮影は顕微鏡の世界を実現してくれますね。銀塩カメラにない優れた点だと思います。
トキワハゼも小さく、可愛く、北海道の海にいるクリオネみたいです。
ナヨクサフジの詳細画像に真実を究明(?)されるあまもりさんの執念(?)に敬意を表します。
それにしても、淀川左岸、城北公園は野草の宝庫ですね。いつまでも残って欲しいと思っています。

有難うございました。
返信する
横浜のおーちゃんこんにちは(あまもり) (横浜のおーちゃんへ)
2007-06-12 12:03:32
ニワゼキショウは、北米から輸入された観賞用が野草化したのだと思い込んでいたのに、今回新たな説を知りびっくりしました。
種別を現す学名の重要さも知り、勉強のしなおしです。
ナヨクサフジは、城北に行ったブロガーさんから聞いていてあらかじめ知っていたのですが、もう少し自分なりに勉強してみようと思ったのです。
クサフジとナヨクサフジの違いを書いているサイトは多いのですが、解りづらくこのサイトを見つけて、これなら素人目にもわかると思ったのでした。
http://science.shinshu-u.ac.jp/~shimano/020_chikumagawa_sketch.html
ここも、また他のサイトでも「花の下側に花柄が付く」と書かれていたのですが、蔓性であちらこちらに向いている花茎なので「下側」の表現は解りにくく、「花のガクの横に花柄が付く」としました。
花茎を下にして花を上に見た場合、確かに「花柄は花の下側」なんですが。
説明が長くなるので省いたのですが、省きすぎたかもしれません。
日本在来のクサフジは少なくなっていると書かれているサイトもありました。
返信する
花ぐるまさんこんにちは(あまもり) (花ぐるまさんへ)
2007-06-12 12:04:00
ブルー系はオオニワゼキショウらしいですが、これも雑種が多いとか。
花ぐるまさんの庭は雑草にとっても環境が良いに違いない
なるほど、トキワハゼも根と種でどんどん増えていくんですね。
ナヨクサフジ、確かにカラスノエンドウに比べれば花数が多いですね。
そうそう豆の数も多かった。これはカラスさんより繁殖力があるということですよね。
でも淀川の堤防ではカラスさんより少ないのです。これから増えていくのでしょうか。
花ぐるまさんも花の推理がお好きなようですね。
推理しながら花と会話しているとほんと楽しい。
でも堤防で独り言は言わないようにしています。
変なヤツという目で見られますから(笑)
ギシギシはぎっしりと詰まっているから! なるほどそうです。
ギシギシと音が出るからとも言われていますが、私は音を聞いたことがありません。
ぎっしりのほうが説得力あります。
返信する
おみやさんこんにちは(あまもり) (おみやさんへ)
2007-06-12 12:04:24
いえいえ、植物学者ならとおの昔に知っていることです。
素人だから、推理を楽しむんですよん。
野草学園の少年探偵団みたいなもんです(笑)
白・赤紫はニワゼキショウで、ブルー系はオオニワゼキショウらしいとはサイトからの受け売りですが、私は紫もブルーも見たことはありません。
トキワハゼやサギゴケはおみやさんに馴染みの野草なんでしょうね。
私は実際には初めて見たのです。だからどちらか判断できなかったのです。
初めて見たというより、いままで関心がなかったので気付かなかったというべきかも。
日本古来のクサフジは少なくなって、外来種のナヨクサフジが増えていると書かれていたサイトもありました。
堤防でクサフジは見ることはないかもしれません。山にでも行かないと。
返信する

コメントを投稿

身近な自然」カテゴリの最新記事