トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

ウクライナはどうなるのだろうか。

2022-03-28 13:54:30 | 日記
ウクライナ情勢だが、ロシア不利が報じられている。
もともと短期決戦でキエフを攻略して、現政権を追い出してロシアの傀儡政権を打ち立てるのが目的と言われていたが、相変わらずキエフは陥落せず、逆にロシア軍は後退しているという報道もある。今後戦況はどうなるのだろうか。

前も書いたけど、怖いのはロシアは核保有国であること。
仮に追い詰められて負けそうになった時にロシアは最終手段を取ることもありうる。

例えばどこかのウクライナの田舎都市に小さな戦術核を撃ち込んでみる。
そして、24時間以内に降伏しなければ、今度はキエフに戦術核を撃ち込む、とロシアが宣言したらどうなるだろうか。

バイデン大統領はそんなことをしたら報復するぞ、と脅すだろうがプーチンは気にもしないだろう。
そしてゼレンスキ‐が降伏を拒否したら、プーチンは平然と核をキエフに撃ち込むのではないだろうか。
そして次はオデッサに撃ち込むと宣言する。
こうしてウクライナが降伏するまで核が撃ち込まれ続ける。

流石に米国をはじめとしたNatoは報復攻撃をするだろう。
核を使われたのに、更に厳しい経済制裁、なんて生半可なことは言わないだろう。

でも一体どの国の核を使うのだろう。Natoで持っているのは米国、英国、フランス。
それとどの空港から爆撃機を飛ばすのだろうか。ミサイルの場合はどの基地から?

もしフランスの核をポーランドの基地から爆撃機で積んで飛び立ち、ロシア西部の都市に核を撃ち込んだらどうなる?
恐らくロシアはポーランドとフランスの都市を報復として核攻撃するだろう。

こうやって考えると、攻撃を受けたウクライナのために、自国が攻撃されるかもしれないリスクを取ってNato諸国は核を使うのか。
かなりの確率で使わないのではないか。自分が当事者ならそんなリスクを冒さない。
そして結局ウクライナはロシアの恫喝にひれ伏してしまう。

核保有国と戦争してはいけない、というのが教訓。そして、どうしても戦争するなら自国で核武装する必要があるということ。
日本にとっても重要な論点になりそうだ。

いま、日本でも一部の人がウクライナの早期降伏を主張する人がいるけど、核を使われるリスク、そして結局降伏するしかない、という先読みの結果なのだろうと思う。

ウクライナのゼレンスキ‐大統領について

2022-03-22 10:44:10 | 日記
ウクライナのゼレンスキ‐大統領の評判が急上昇している。
ウクライナでの支持率がなんと90%! 同国には10%程度ロシア系の人がいるから、ウクライナ人に限ればほぼ100%である。

危機におけるリーダーシップを素晴らしく体現していると思う。

まず大切なのは逃げないこと。
ロシアの侵攻が始まってもキエフに留まり、国民を鼓舞し続けたことは賞賛値する。
なかなか出来ることではないです。

次にSNSを使った広報の巧みさ。
やはり映像を見せられると説得力が違う。現代における広報の最高峰だと思う。

一方でちょっと気になるのは、彼自身が天狗になっているのでは、ということ。

アメリカの議会で演説して、真珠湾攻撃を引き合いに出されたことを不満に思う日本人が多いようだけど、まあ、感情的にそうだよね。
明日日本の国会でも演説するだろうけどまさか真珠湾のことは言わないでしょうね。

それよりもちょっと心配なのはドイツでの演説。
これまでドイツは経済メリットを優先してロシアを甘やかしてきた、とちょっと説教モードだったようだ。

うーん、演説の目的は助けてもらう事なんだよね。
それなのに相手を説教しては逆効果でしょう。
ドイツの人達はやはり人間が出来ているのか、演説後は拍手で大団円だったらしいけど、もし明日日本でも説教されたら、ちょっと引くなぁ。

真珠湾への言及と合わせて日本も感情的に一歩後ろに下がってしまうかもしれないなぁ。

言葉には十分気を付けてほしいです。

[2034 米中戦争]を読んで

2022-03-19 10:14:20 | 日記
アマゾンによるとベストセラー1位らしいので読んだ方も多いと思います。

テーマは米中戦争なんですが、戦争がヒートアップしていく様が克明に描かれており、衝撃的と言えます。
特に戦術核が何時、どのように使われて、それに対する報復がどのように起こるのか、手に取るようにわかります。

まさに今、ロシアはウクライナで戦術核を使うかもしれないという事態で、現実に起こりうるストーリーです。
今後ロシアが何をするのか、それに対して欧米がどう対処するのかをシミュレーションするのに非常に参考になる小説だと思います。

小説の結末はここでは触れるつもりはないですが、何故核戦争が起こりうるのか、と言う事に対して一つの見解が示されていることを指摘したい。
つまり、核保有国が通常兵器による戦争で負けすぎた時、報復があるとわかっていながら戦術核を使う可能性がある、そしてそれが使われた時には連鎖的な報復の応酬が始まり、世界は大きな危機にハマると言う事。

逆に言えば、核を持つ相手との戦争で勝ちすぎてはいけない、相手を追い込んではいけない、ということ。ウクライナ戦争ではロシアの負けがほぼ確定的になっているが、あまり追い込んでしまうと世界的な悲劇になりうる。

負けてはいけないけど勝ちすぎてもいけない、現代の戦争は本当に難しい。

老人天国にもっと怒っていいいと思う

2022-03-16 09:00:20 | 日記
最近新聞やネットはウクライナの話題が中心だけど、昨日最も衝撃を受けた記事は

「年金受給者に臨時給付金、政府・与党検討 1人5000円案」 by 日経

こいつら気が狂ったのか?とマジで心配になる。
夏に予定されている参院議員選挙に向けての与党のアピールなんだろうけど、これって広島で河合杏里が会う人みんなにお金を配ったことと本質的には同じではないか。なんでこんなバカなことを考えるのか。

自分はアラカンなのでもうすぐあちら側の人間になるが、それにしてもこれはひどい。特に若い人はもっと怒っていいと思う。

日本ではどれだけ老人が優遇されていて、若い人へのサポートが足りないか、明確な資料がある。
OECDが発表している資料で、加盟国が老人及び労働者にGDPの何パーセントを使っているか、というグラフである。

https://www.oecd.org/els/soc/OECD2020-Social-Expenditure-SOCX-Update.pdf

これによると日本はGDPの22.3%を社会保障に使っており、OECD加盟国の平均より高い。それはOK
更に老人への年金支給はGDPの9.4%とドイツの10.2%と比べてもそん色なく、老人天国と言える。

一方で現役世代への補助金(児童手当のような現金によるもの)は1.7%。これは欧州の各国の半分のレベルであり、あの自己責任の権化であるアメリカとほぼ同じ。
日本より低いところは韓国とかメキシコぐらいしか見当たらない。

若い人は嘗められてますよ。もっと政治に興味を持って、老人から現役へ少しでもへ財源を移管するプレッシャーを政府にかけるべきです。
そうでないと益々日本は沈没してしまう。老人にお金を使っても将来は明るくならない。現役が頑張ってこそ将来があるのです。

余談ですが、韓国は年金3%、現役への補助金1.3%と両方ともOECDで最低レベルです。引退世代にも現役世代にもお金が回らない。
そりゃあ、ヘル・コリアになるわなぁ。