トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

処理水に対する中国の対応

2023-08-29 13:09:53 | 日記
福島原発の処理水放出をきっかけに、中国との関係が急激に悪化している。中国からは嫌がらせの電話が各地に氾濫する一方、日本のSNSでは中国の非科学的な対応を非難する声が大きい。

日本のSNSやマスコミは、今回唯一除去できないトリチウムに注目しているが、それでも中国を含めた他の国が放出するトリチウムと比較すると断然少ないのだから大丈夫という声で一杯だ。しかしながら、中国はトリチウムが問題とは言っていないのだ。

駐日中国大使館が発表している中国大使の最新のコメントは以下の通りである(日本語)。

http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/dsgxx/202308/t20230828_11134021.htm

中国の主張は大まかに言って下記3点だ。

① 福島の核汚染水には60種余りの放射性核種が含まれており、本当に処理できているのか。大量に海に放出して長期的に悪影響は出ないのか?
② 東京電力にデータ改ざん、ごまかし、虚偽報告の数々の過去があることを考えれば、同社のデータの真実性と信頼度を疑うのはしごく当然
③ IAEAだけではなくて、他の利害関係者が共に参加して国際モニタリングの仕組みをつくるべき。

意外に説得力があるのではないかと思う。

特に①については、核の炉心を冷やすために使われた水である以上、炉心に直接触れており、様々な放射性物質を含むはずで本当に除去出来ているのか?は中国人でなくても心配だ。

ALPSという設備で汚染水を処理して、その結果については東京電力はHPで公表しているが、原発事故当時、嘘をつきまくった東電を信用できるのか?(それを虚偽報告の常習である中国に言われたくないが)という点も成程、と頷ける。最後のIAEAだけのモニタリングでは信用できない、はちょっと言いすぎだと思うけど。

中国の肩を持つ気は全くない。でも中国の懸念もわかるのでもう少し冷静に議論しましょう、というのがスタンスが大切だと思う。


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