『万引き家族』、先行上映で観ました。
まだ公開前なので詳しくは書けませんが、是枝監督の作品はほとんど観ていているので、それほどの驚きはなく家族がテーマのいつもどおりの是枝作品でした。
エンターテイメント作品というか娯楽映画ではなく社会派の映画なので、笑って泣ける感動作ではなく爽快感もなくハッピーエンドでもありません。
そういうものを期待している人には面白い映画ではないかもしれません。
賞を受賞したからと観に行った人にはちょっと合わないかも。
『歩いても歩いても』や『奇跡』よりも『誰も知らない』に近い作品かな。
PG12になっている作品で小学生にはまだ理解できないというか個人的には子どもにはあまり見せたくないシーンがあって、そういったシーンがなければ子どもも観れたかな。
救いがあるとすれば男の子が万引きすることに疑問を感じ女の子を庇う為に自分が犠牲になったことで事件が明るみになったことかな。
もし何も疑問を持たずにいたらあの家族はそのまま同じような生活を続けていたのかな。
リリーさんや安藤サクラさんや樹木希林さんや柄本明さんなど感情を抑えた淡々とした演技なんだけど、じわりとくる演技でした。
安藤さん、『風の外側』から観てますが、こんなに上手い女優さんになるとは当時は思っていませんでした。
安藤さんが涙を拭う演技に泣きそうになりました。
この作品は貧困・DV・育児放棄・万引き・年金の不正受給や死体遺棄など日本で起こっている出来事を一組の家族だと思っていた人たちを通して描いた作品で、映画が2本分か3本分くらいの内容でした。
観て不快に思う人もいるかもしれません。
この映画を観て、こういう世界はないって言う人がいるかもしれません。
でも、こうしている間にもこの映画の中で描かれたようなことが起こっています。
週末公園に行ったり街や商業施設を歩くと多くの家族が楽しそうにしていますが、それでも、子ども食堂が必要だったり、恵まれない環境にいる子どもたちがいる訳で・・・。
この映画は観た後にそれぞれの人がいろんなことを考える作品なんだなと思います。