僕が参考にしている音鉄系Webサイトの内の一つに牛車さんの、レイルウェイステーションっていうサイトがあるのですが、このサイトの中に鐵路のリズムっていうコンテンツがあるんですね。このコンテンツ、とても興味深い内容で直ぐにハマってしまいました(笑。このコンテンツの趣旨はレールのジョイントによって鉄道車両が発する走行音、所謂ジョイント音に付いて、レールの長さから来る音の変化という切り口でサンプル音源を聴き比べながら考証するって言う中々に奥深いモノなのです。50mレールから始まって日本ではもう殆ど聴く事が出来なくなった10mレールのジョイント音までを網羅していて、その鋭い考察に感銘を受けました。で、今回は僕も牛車さんに続けとばかりに、これまで録って来た多くの音源を洗い直して、レールの長さの違いから来るジョイント音の変化をサンプル音源を聴いて頂きながら楽しんでもらおうという企画をおっ立ててみました。牛車さん程バラエティーに富んだ内容ではないのですが、ジョイント音の妙味を少しでも味わって頂けたらなと思っています。
ここで、簡単に日本の鉄道がこれまで常用してきたレールに付いて簡単に紹介しておきます。あ、既にご存知の方は以下の件は読むに値しませんので飛ばして下さい。(笑。
鉄道用のレールは全て規格化されていて長さが決まっています。また、幹線や亜幹線、ヤード等敷設する線区や場所によって色々な違いがあります。その中でも特にレールの種類を解かりやすくしている規格がレールの耐荷重(強度)と言うヤツで、1m当たりの重量で区別しています。幹線では大体50Kg/m。亜幹線で20~40Kg/mクラスが使われます。この耐荷重性能によって走行できる車両が決まってきます。ま、細かい事を言い出すと話が大きく逸れて本来の趣旨から外れてしまうのでこれくらいにして、本題の長さに付いて書いておきます。日本で最も標準的なレールの長さと言えば25mです。この25mレールが基本となって長くなったり短くなったりします。昨今ロングレール化されている路線が非常に多くなってきていますが、ロングレールも実は元々25mレールが基になっていて、それを溶接する事によってロングレール化しているのです。50mとか100mとか中には500m以上に渡ってジョイントを介さない非常に長いのもあります。で、このレールの長さによってレールジョイントの間隔が変わってくるために当然走行する列車から聴こえて来る音も変わる訳ですね。ではまずは標準的な25mレールのジョイント音を聴いてみましょう。
続いては気動車の筆頭、キハ58系の中からキハ28の25mレールジョイント音を聴いてもらいましょう。
さて、お次もキハ58の音ですが今度は少しゆっくり目のジョイント音をどうぞ。
さて、ここで改めて25mレールのジョイント音を頭に入れて頂いて、次へ進みましょう。みなさん、24mレールという中途半端なレールがあるのをご存知でしょうか?。牛車さんのサイトレイルウェイステーションの中にある鐵路のリズムのさらに中に24mレールの解説がありますので細かい事はそちらを参照して頂くとして、僕は当然の事ながら24mレールなどと言うものがある事を知りませんでした(笑。でも、実はキハ58の取材を進めてゆく中で一つだけ腑に落ちない事があったのです。それはまさしくジョイント音に関係する事なのですが、岩手の山田線のキハ58に会いに行った時にその疑問が降って沸いてきたのです。キハ58のジョイント音に対する僕のイメージはずーっと25mレールの音。そう、上に掲げている音がそのイメージに合致します。しかし、山田線を走っているキハ58のジョイント音がどうもおかしい。何というか自分のイメージとは少しズレた音がしていたのです。「ドトトドットトン、ドトトドットトン」と言う感じではなく、ちょっと詰まったような感じの音で「ドトトットトン、ドトトットトン」といった音がするんです。25mレールの音から1拍半抜いたような感じです。何でこんな音なのだろうかとマジで悩みました。まさかレールに原因があるとは露知らず、それから暫くして芸備線のキハ58に乗ってみるとやっぱり「ドトトットトン、ドトトットトン」ってな音がするんです。
「あれぇー?何でぇー???けったいな音するなぁぁ・・」
っと。で、色々調べていたら牛車さんのサイトに辿り着いた訳で、ようやく納得したのでした(笑。まさか24mレールだったとは、本当にビックリしました。今まで僕の録った芸備線のキハ58音源を聴いて首を傾げた方居ませんか?(笑。そう、貴方は僕と同じ事で悩んでいたはずです(笑。ま、牛車さんがその謎を解いてくれていますから、ただただ、感謝あるのみですね。では、その24mレールのちょっと締まりがない変な?ジョイント音を聴いていただきましょう。
ささ、まだ続きますよ。今度はさらに短くなって20mレールです。これも牛車さんのサイトレイルウェイステーションを参考にして頂いて、詳細は省きます。ま、聴いてください。
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>2007.08.6追加
播但線の寺前~長谷間に昔懐かしいジョイント音を聞かせてくれる区間があるので追加しておきます。
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さぁ、今度は再び短くなって12.5mレールです。単純に考えて25mの端数レールと言う事が出来ると思うのですが、その証拠にこのレールは大抵、踏み切りや橋梁辺りでの調整用に使われる事が多いようです。いや、実は昔は本線にも多用されていたらしいのですが最近では殆どないようですし、僕もこのレールが延々続く区間に出くわした事がないです。あ、そうそう。mokoちゃんが秩父鉄道で録音したデハ1101(元国鉄101系)の音を聴いてると頻繁に12.5mレールが出てきます。一度聴いてみてくださいませ。イイ感じですから。で、僕の音源はまたもや芸備線ですが一瞬だけ12.5mレールが入りますのでよーく聴いてみてください。
「ドトトドットトン、ドトトドットトン、ドトトドット、ドトトドット、ドトトドットトン」といった感じの音です(訳解からないですか?そうですか・・・。
といった訳で、今回はレールジョイント音に付いてツラツラと書いてみました。これからは僕も少しレールに関しても興味を持ってみようかなと思っています。
最期に播但線を駆け抜けるキハ181系気動車、特急「はまかぜ」の忙しないジョイント音を聴きながらお別れです。今後もまた、面白い企画を思いついたらやってみたいと思います。長々とお付き合いありがとうございました。
最近、他のレールの音も増えつつあるので近いうちに追加しておきます。