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驚愕のプリンス音源、解禁!?『オリジナルズ』

もし生きていれば、今月で61歳の誕生日を迎えたプリンス。



そんなプリンスファンの誰もが度肝を抜かれた、驚愕のアルバムがこの度リリースされたのだ。過去にプリンスが他のアーティストに提供した楽曲の、自らがレコーディングしたオリジナル“デモ音源”を集めたものという、何とも貴重でレアなコレクション。その名も『オリジナルズ』。今は亡きプリンスから、こんな最高なプレゼントがあっていいのかと思わず耳を疑ってしまうアルバムである。



収録されたのは下記15曲。12曲目を除いては、全て1981年から85年頃に作曲された楽曲ものが中心で、まさに『Purple Rain』の大ヒットで人気絶頂の頃のものだ(カッコ内は提供アーティストとそのリリース年を記載)。

1) Sex Shooter (1984年 / アャ鴻jア6)
2) Jungle Love (1984年 / The Time)
3) Manic Monday (1985年 / バングルズ)
4) Noon Rendezvous (1984年 / シーラE)
5) Make-Up (1982年 / Vanity6)
6) 100Mph (1986年 / マザラティ)
7) You’re My Love (1986年 / ケニー・ロジャーズ)
8) Holly Rock (1985年 / シーラE)
9) Baby, You’re a Trip (1987年 / ジル・ジョーンズ)
10)The Glamorous Life (1984年 / シーラE)
11)Gigolos Get Lonely Too (1982年 / The Time)
12)Love…They Will Be Done (1991年 / マルティカ)
13)Dear Michaelangelo (1985年 / シーラE)
14)Wouldn’t You Love to Love Me? (1987年 / タジャ・シヴィル)
15)Nothing Compares 2 U (1985年 / シネイド・オコナーがカバー)

まず、この『オリジナルズ』を聴いてみて思ったことは、果たしてこれを“デモ音源”と呼んでいいのだろうかということ。プリンスは徹底した完璧主義者で、他のアーティストに楽曲を提供する際も、そのまま手直しせずにリリース出来るような、極めて完成度の高いデモ音源を準備し、アーティストにデモとして渡していたと言われている。まさに、その証拠がこのアルバムで証明されている。最終的に提供したアーティストがリリースしたバージョンと比べてもかなり近く、全く遜色無いクオリティーで、コーラスなど細部も既にしっかり録音されており、その完成度は既にデモ音源の域を超えている。まさにプリンスの非凡な才能を容赦なく見せつけられた思いだ。



この15曲の中には、僕も良く知っている曲と、正直初めて聴く曲が含まれるが、まずは知っている曲から少し触れてみたい。



1曲目の『Sex Shooter』は、プリンスが発掘・プロデュースしたセクシーアマゾネスグループのアャ鴻jア6に提供した曲。如何にもプリンスらしいファンキーで色っぽい曲だ。ボーカルの使い方も既にプリンスのデモ音源段階で完成度が高いのが良くわかる。



続いて、2曲目の『Jungle Love』は、あのプリンスファミリーであるThe Timeのヒット曲。The Time独特の横乗りダンスがしたくなるようなファンキーな曲だが、既にプリンスが作曲した時点でここまで作り込まれていたのは衝撃的だ。



3曲目の『Manic Monday』は、僕も当時大好きであったガールズバンド、“バングルズ”に提供した曲として大ヒットした曲だ。このプリンスによるオリジナルバージョンを今回初めて聴くことが出来たが、こちらも既に“完成”しているのには驚いた(もちろん、バングルズのボーカル、スザン・ホフスのボーカルが好きだったのだが(笑))。若干アレンジの違いはあるものの、プリンスが歌っている以外の伴奏アレンジはほぼバングルズ版に近いのだ。この完成度には脱帽である。



この他有名なのは、10曲目の『The Glamorous Life』。こちらは、同じくプリンスとの親交が深かったシーラEに提供してヒットした曲。シーラE版では彼女のキレの良いパーカッションが魅力のラテンサウンド。プリンスのオリジナル音源版でも、既にラテンサウンドが完成されており、こちらもシーラE版と比べてもあまり遜色が無いレベル。



他の曲もシーラEやアャ鴻jア6、それにケニー・ロジャーズなどに提供した曲が収録されているが、初めて聴くものを含め、どれも明らかに“プリンスサウンド”が炸裂しており、プリンスのニューアルバムを聴いたかのような新鮮さだ。



このアルバムは、プリンスのオリジナルデモ音源を集めたもので、決してセルフカバーでは無いというのが新しい。その意味では、もしプリンスが今でも健在であったならば、決して世に出るものでは無かったかもしれないし、本人もこのデモ音源がリリースされることを望んでいないかもしれない。完璧主義者ならなおさらである。しかし、その意味で何だかプリンスの聴いてはいけないものを聴いてしまったような、秘密を知ってしまったかのような不思議な気持ちになる。本人は望んでいなかったかもしれないが、今回のリリースは、天国のプリンスからファンへの感動的で最高の贈り物となった。



プリンスは恐ろしい数の曲を作曲して、常にストックしていたと言われている。今後も未発表曲がアルバムとしてリリースされる可能性は高いが、早くもデモ音源を使った、このようなセルフカバーかのようなアルバムがリリースされたのは驚くべき出来事である。

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