僕が勝手に横山光輝の初期時代劇三部作と呼んでいるのが、1956年に出版された『竜車の剣』と『白竜剣士』、そして1955年に出版された『豪勇為朝』。『竜車の剣』と『白竜剣士』は既に入手していたが(詳しくはそれぞれ下記リンクをご参照)、今回三部作で未入手であった『豪勇為朝』をついにゲットすることに成功し、この初期時代劇三部作コレクションをコンプリートすることに成功したのだ。
横山光輝の『竜車の剣』! - blue deco design lab (goo.ne.jp)
横山光輝幻の初期名作、『白竜剣士』をゲット! - blue deco design lab (goo.ne.jp)
『豪勇為朝』は1955年に雑誌『少年』12月号の付録として発表された作品だ。なんと68年も前の作品なので、そもそも入手すること自体困難で、古書漫画店でも見かけることが稀なレア作品である。そんな中、ネットでこの『豪勇為朝』を見つけて思わず購入したが、何とも保存状態の良いものをゲットすることが出来て感無量である。
だいたいこれだけ古いと背表紙がビリビリに破損していたり、汚れやシミが酷いものが多いのだが、入手したものは驚くほどきれいで背表紙もしっかり残っていた。これだけ良い保存状態のものを入手出来たのは奇跡的である。以前入手した『竜車の剣』と『白竜剣士』もかなり保存状態が良かったので、この三部作をこれだけのクオリティでコレクションできたのは本当に貴重である。
物語は弓の得意な為朝が家来を増やして行きながら、自分の命を狙う宗像権太夫を倒し、やがて九州を統一する話。まるで鬼退治に行く桃太郎のような話で結構楽しめるが、初期の横山光輝作品は、特に可愛いタッチで軽快な物語展開が魅力であり、とても内容の濃い、魅力的な作品がとても多い。
この『豪勇為朝』は、これまで復刻などもされていなかったので、ある意味幻の作品となっていたが、今回1955年当時のオリジナルを入手して、当時読んだ子供たちのワクワク感を想像しながら手にすることが出来たこと、そして、ついにこの三部作を揃えられたことをとても満足している。