ウルトラ怪獣などのデザインをてがけた、
成田亨というアーティストがいた。
残念ながら、2002年に他界したが、
ウルトラシリーズの世界観を語る上
では欠かせない人物である。
先月、成田亨の膨大な作品群を一冊に纏めた、
『成田亨作品集』が発売された。400ページにも
及ぶ充実した作品集だが、ウルトラQ、ウルトラマン、
ウルトラセブン関連の初期作品から、
後期の独創的な作品まで幅広く網羅しており、
かなり見応えのある作品集だ。
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僕が小学生の頃に出版された成田亨の
ウルトラ怪獣編デザインだけに
特化した作品集もあるが、
これも大変貴重なものであり、
30年以上経った今でも大切に
保存している。
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ウルトラシリーズに関しては、
その独創的なデザインが一つの
ベンチマークとなったと言う意味で、
影響力は大きい。それが故に、
後に著作権問題で円谷プロともめて
しまったのは皮肉な話だが、
やはり成田亨のデザインが
果たした役割は計り知れなく、
今改めて作品集を見るとその
オリジナリティには驚かされる。
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僕の大好きなウルトラセブンに関しては、
最終的に今我々が知るセブンのデザイン
に辿り着くまでにかなり多くのデザイン案による
検討を経ているが、このデザイン過程を
作品集で見ることが出来るのも大変貴重である。
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また、あの有名なバルタン星人やエレキング、
ゼットン、メトロン星人、ピグモン、レッドキング
などの人気ウルトラ怪獣/星人のデザインも成田亨
によるものが多い。こうしてウルトラシリーズから、
空前の怪獣ブームが当時訪れたと言うわけだ。
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成田亨作品集を見ていて、今の時代には無い
斬新さとクリエイティビティを改めて感じ、
成田亨の功績を改めて痛感する機会となった。