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『魔法使いサリー』 貴重な”単行本未収録作品集”!

『魔法使いサリー』に関する貴重な本がアップルBOXクリエイトの出版する雑誌『漫画市』第33号として2022年に出版されていたが、先日ようやく購入することが出来た。それがこちら。なんと、これまで出版されている魔法使いサリーの単行本に未収録であった作品を収めたものである。

僕の大好きな横山光輝の代表作と言えば、やはり『鉄人28号』が一番有名だが、僕は『魔法使いサリー』もかなり好きで、色々とコレクションしている。1966年の7月から集英社の少女漫画雑誌『りぼん』に連載が開始され、その年の12月から、アニメ版の放送も開始となり、東映動画の魔法少女シリーズ第一弾として大ヒット(その後、『ひみつのアッコちゃん』や『魔女っ子メグ』などに繋がっていく一連のシリーズにおける記念すべき第一作である。

テレビアニメ化されてからどんどん横山光輝の手を離れて独り立ちして行ってしまった感じあはあるが、その為、実は原作となっている漫画版の連載はそう長くないのだ。計5種類の単行本が出版されているが、どれも1巻のみ。単行本で一番古いのが、こちらの1970年に出版された虫コミックス版。ハードカバーでもない普通の漫画本だが、発行部数が極端に少なく一番入手困難な為、高値で取引されているもので、今でも良い状態のものは20,000-30,000円近くしてしまう為、実は僕もまだ入手出来ていない。

次に古いのはこちら1980年に翠陽社から発売された『魔法使いサリー/グランドコミックス版』。ハードカバー仕様で、表紙のレトロ感がとても良い。これは1980年当時に本屋で購入し、それ以来40年間大事に保管しているものなので、個人的には一番思入れのある単行本である。『りぼん』に連載された5話分を収録。

続いては、講談社が2004年に発売した、『魔法使いサリー/原作完全版』ハードカバー。翠陽社版に収録されなかった2話を加えた全7話を収録しているバージョンという意味で“原作完全版”となっているのだが、各話の区切りがされていないのがやや残念ではある。

こちらは同じく講談社が2007年に発売した『魔法使いサリー/テレビ復刻版』ハードカバー。原作完全版の姉妹編となっており、テレビ放映と連動して描いていた『テレビコミックス』や雑誌『よいこ』などに連載された作品を収録しているという意味ではとても貴重な一冊。

そして最後にこちらが一番最近となる2014年に集英社から発売された『魔法使いサリー/カラー版』ハードカバー。講談社の原作完全版と内容は被っているが、当時カラーで連載されていた箇所がそのままカラー版として初収録しているという意味ではとても貴重であり、今現在一番手軽に入手可能なバージョンでもある。

このように、5種類の単行本が出版されている『魔法使いサリー』だが、どの単行本にも未収録となっていた作品だけを集めて、今回出版されたのが、こちら『漫画市 魔法使いサリー 単行本未収録作品集』なのである。雑誌の約半分強、ピンク色の紙となっている120ページに渡って1970年当時の作品が復刻されている。

内容は、1970年に雑誌『幼稚園』と『よいこ』に連載されていたもの。幼児向け雑誌の連載分だったこともあり、各話が4-6ページ程度というかなりの短編なので、これまでの単行本には収録されていなかったのだろう。内容も幼児向けの為かかなりシンプルにしたもので、大人には物足りないかもしれないが、横山光輝ファンとしては、どのようなバージョンでも当時描いた『魔法使いサリー』の作品であれば、やはり読んでおきたいものである。その意味では今回の単行本未収録作品集が出版されたのは、ファンにとっては本当に嬉しい企画である。アップルBOXクリエイトには、またぜひこのような、まだ見ぬ横山光輝作品をこれからも復刻して欲しいものである。

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