大谷翔平/LAドジャースが念願のワールドシリーズ進出を決めた記念すべき最高の一日となった今日、日本ではジャイアンツがベイスターズに破れ、日本シリーズ進出ならずという、ジャイアンツファンには最悪の幕切れとなった。
僕は昔からジャイアンツファンだ。父もジャイアンツファンだったので、いつもテレビでジャイアンツの野球中継を一緒に見るのが父との大事な時間でもあった。そんなジャイアンツも今年は久々にリーグ優勝して期待していたのだが、今日の幕切れはとても残念な結果である。
正直今年のジャイアンツは圧倒的な強さというものを感じなかった。阪神や広島に連敗したり、相変わらず良い投手を相手にすると淡泊な攻めになって貧打に陥る試合も実に多かった印象だし、CSでも貧打に見舞われ、打線の繋がりに欠いた。バッティングでは、特に主軸の岡本や坂本のふがいなさが目立つ試合も前半多かった。坂本は既にピークを過ぎている感は否めず、ベイスターズ戦の終盤こそ気迫を見せたが、普段はあまりそのプレーから覇気や気合が感じられなかったのは僕だけだろうか?岡本は終盤にはやや勝負強さを見せていたが、やっぱり年間のホームラン数27本というのは、ジャイアンツの4番としてはちょっと物足りないし、岡本に続くようなホームランバッターが不在なのも不甲斐ない。これでは相手を威圧するような強力打線とは言えない。
こんな中で、吉川が安定した大活躍していたのが一番印象に残ったので、CSでも吉川の活躍は鍵となりそうだと思っていたが、肋骨骨折で戦線離脱し、CSに参加出来なかったのが致命傷となった。ルーキーの浅野はかなり頑張っていたし、良い場面で打った試合もあったが、やっぱりまだ経験が少ない為にエラーも多く、守備・バッティング共に発展途上の若い選手なので、なかなか安定した活躍を期待するのはちょっと酷かもしれない。
大事なピッチングの方だが、投手陣は今年復活して15勝を上げた菅野、エースとして12勝を上げた戸郷、10勝を上げた成長株の山崎を軸に、井上、グリフィン、船迫、横川などもコツコツ勝ち星を積み上げていった結果リーグ優勝を成し遂げたので、これだけ見るとかなり主軸が安定しているように見える。しかし、正直投手陣も圧倒的な安定感を感じなかった。本当に頼りになると感じたのは、戸郷だけである。菅野に関しては圧倒的な球威はなく、抜群の制球と緩急でうまく切り抜けて撃ち込まれるようなことが無かっただけであり、勢いのある相手に対して、緊迫した重要な局面でどこまで踏みこたえられるかについてはかなり不安が残った。特に今日のCS最終戦で戸郷と菅野を投入したにも関わらず負けてしまったのであれば、もう手の打ちようがないだろう。
一方で、ベイスターズは粗削りではあるものの、牧や宮崎などの主軸バッターにどこか怖さがあり、打線に凄みと繋がりがあった。また、何とか勝ってやろうとする気迫と執念が感じられた。イマイチ打線に凄みを感じなかったジャイアンツとは、最後の最後でこの差が明確に出てしまったように思う。
ジャイアンツが負けてしまったのは悔しいが、仮にこのまま何とかベイスターズに勝っていたとしても、正直日本シリーズでソフトバンクに勝てる気がしなかったので、ある意味なるべくしてなった結果だと思うし、ベイスターズの方がソフトバンクに一矢報いる可能性があるのではないかと感じた、そんなCSでのジャイアンツの戦いぶりであった。
ジャイアンツファンとしては、相手が脅威に感じるような、凄みのある打線をいかに育てていくかが来季に向けた大きな課題だろう。また先日、菅野と岡本がメジャーリーグに挑戦するのではないかというニュースが出てしまった。来年35歳を迎える菅野は、そのピッチングスタイルも含めてメジャーリーグで通用するのかという点では大きな不安があると思う。球威が無い中で、どこまで剛速球ピッチャーひしめくメジャーリーグで太刀打ち出来るかは、緩急と投球術だけでカバーする必要ある。成功したら稀なケースになるかもしれないが、確率は極めて低いと言わざるを得ない。岡本も、当たれば飛ぶパワーを持っているが、やっぱり勝負強さという意味でもっとレベルを上げていかないとメジャーで大きな成功は難しいとみている。一方で、メジャーで経験を積むことが自分としての大きな進化に繋がる可能性はあるので、その意味でチャレンジするのは良いと思うが、個人的にはもっと日本のプロ野球で、日本を代表する最高の4番打者になることを目指した方がいいようにも思ってしまった。
来季に予想されるジャイアンツ戦力から判断して、セ・リーグ連覇はかなり厳しいだろう。菅野にはせめて置き土産として、今年は何とか全力で日本一を取りに行って欲しいと思っていたが、その願いも叶わず、残念である。