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『スターウォーズ/フォースの覚醒』、僕の批評!

『スターウォーズ/フォースの覚醒』が昨年12月18日から、ついに公開になった。昨年は一年を通してスターウォーズに関する様々なイベントが開催された。また、多くの新しいグッズも発売され、様々な商品もスターウォーズとのタイアップ商品を出しており、2015年は完全にスターウォーズ祭り、スターウォーズイヤーであった。そして、ついに待ちに待ったエピソード7の公開!感無量である。



1977年にスターウォーズ第一作を見て以来のファンとして、『フォースの覚醒』についての批評を書いてみたい。まず結論からズバッと行くと、『フォースの覚醒』はスターウォーズシリーズの“王位継承”としては見事な作品であり、正直期待以上の傑作に仕上がっていると思う。



先週、これまで全米映画興行収入ランキングトップに長らく君臨していたあの『アバター』を抜いて、ついにスターウォーズ フォースの覚醒がトップの座を射止めたのだ。ちなみに、アバターの興行収入記録はUS$760Mだったが、今週1/11現在でスターウォーズはUS$810Mを稼ぎ出しまずは"全米一"の映画となったのだ。世界に10億人いると言われるスターウォーズファンの多く、そして新たなファンを魅了していることは数字からも明白である。最終的に日本では120億円程度まで行くと予想されているが、後は先日遅れて公開が始まり、記録破りのロケットスタートを切った中国でどこまで伸ばすかも含め、全世界興行収入記録の更新に注目したい。



この傑作を産み出したディズニー、そしてJJエイブラムズには“でかした!”と言いたい。新旧のスターウォーズらしい要素で上手く化学反応を起こさせ、新たなスターウォーズ“神話”の道筋をしっかりと形成したという意味で、大変優れている映画であった。現状ではこれ以上の出来映えは無理であったと思うくらい素晴らしい内容だ。エピソード4-6に登場した懐かしの主人公たちも再び登場しつつも、しっかりと物語が新たな世代に受け継がれているということを実感させる為、魅力的な新主人公、~しかもヒロイン!~を登場させて、しっかりと新たなヴィジョンを描く。エピソード8,9にも大いに期待を持たせるエンディングとなっている点も、『帝国の逆襲』的な手法で秀逸である。この辺りは、スターウォーズの脚本をこれまで手がけてきたローレンス・カスダンによる力も大きい。




ちなみに、レイを演じるデイジー・リドリーは今回オーディションでレイ役を勝ち取ったほぼ無名の存在。しかし、今回のレイ役はまさにはまり役で、彼女の聡明さと凛とした美しさはフォースに目覚めて行く強い女性/ヒロインとして素晴らしい魅力を放っている。パドメ王女を演じたナタリー・メ[トマンやキーラ・ナイトレイにも似た雰囲気を持っている女優だ。フォースの覚醒大ヒットは、彼女と、これまた最高に可愛い新キャラBB-8によるところも極めて大きい。




上記の通り、『フォースの覚醒』は“大大成功!”であることは間違い無いのだが、一方、一部のコアファンからは批判の声が挙っているのも事実。この批判に目を向けてみると、単にレベルの低い中傷コメントなどは除き、その多くは僕も若干共感する部分がある。例えば、フォースの覚醒が素晴らしい作品であることは間違い無くとも、ストーリー自体はある意味エピソード4をリメイクした要素も否めず、またこれまでの作品へのオマージュは嬉しい面があるものの、逆に言えば懐かしい要素を詰め込んだばかりに新鮮味にかけると言ったコメントも多く見受けられる。まあ、全てのファンを満足させるのは難しいので、ある程度の批判は仕方無いだろうし、今回は最大公約数を上手く取り込んだ意味でもベストの作品であったと実感する。

僕はスターウォーズのコアファンにも大きく分けて3種類あると勝手に分析している。一つはエピソード4-6の旧三部作(ルーク三部作)をリアルタイムで観て育ち、この人間臭い、やさぐれたハン・ソロのイメージに代表される世界観に惚れ込んだファンたち。ちなみに、このファンたちはエピソード1-3の新三部作(アナキン三部作)はVFXに頼り過ぎて人間臭さが無くなってしまい、暗いストーリーも手伝ってイマイチ評価していないケースが多い。2つ目は、アナキン三部作であるエピソード1-3をリアルタイムで観ているデジタル世代。彼はエピソード4-6のチープさよりも、最新のVFXやアドレナリンが出るような新しいサプライズをより強く求める世代。そして、最後に3つ目のタイプは、あくまでもスターウォーズ教の教祖様であるジョージ・ルーカスのヴィジョン、世界観にハマリ過ぎた超マニアックな人たち。このタイプのファンは、例えばエピソード2と3の間のサイドストーリーを数多く描く『クローンウォーズ』の世界観が大好きであり、その観点ではフォースの覚醒はあまりにも王道で大味過ぎて、マニアックな面白さに欠けてしまったということだろう。“こんなのジョージ・ルーカスの描きたかった世界観では無い!”と多少反発してしまうのかもしれない。



僕は『クローンウォーズ』のマニアックな世界観も大好きなので、両方のファン心理は良くわかる。確かにジョージ・ルーカスが何の制約も無く制作したらちょっと違った展開になったかもしれないし、それはそれで見てみたい衝動にはかられるが、一方であまりそこに焦点を当ててしまうと、万人受けする作品にはならなくなってしまうし、純粋にルーク三部作が好きなファンは失望させてしまったことだろう。その意味では今回のフォースの覚醒は3つのタイプに分けたうちの最初のファン寄りに制作された作品であるようにも思うし、僕はそれがある意味ストーリーの構図をシンプルにしたことにより、新たなファンも食い付きやすくした点で、ディズニーらしい良き判断だったと思う。なぜなら、もはやスターウォーズはオフィシャルにはジョージ・ルーカスの手を離れ、そしてディズニーの傘下でこれからも語り継がれて行かなければならないサガとなった運命だからだ。その意味でもはやスターウォーズもルーカスから親離れし、独自の人格を持って更に進化を遂げて行く時期に来てしまったのだと思う。まあ、欲を言えば、ルーカスには引き続きクローンウォーズのような、世界観に深みをもたらすサイドストーリーの製作総指揮や、今後予定されているスピンオフ作品でマニアックな世界も並行して見せて欲しいものだ。



僕はこの年末年始で既に3回シネコンで『フォースの覚醒』を観賞した。1回は4Dによる上映を初めて体験したが、まさに“体験”という言葉がふさわしく、3D映像になっているだけで無く、ディズニーランドのライドのように画面に連動して座席が動き、風が出たり、背中や足に刺激が加わる仕鰍ッとなっていて、かなり面白い。

恐らくもう1回くらいはシネコンに見に行くだろうし、ブルーレイで発売されたら、速攻で買うことだろう。そして、これからも続くレイ三部作をしっかりと見届けたいし、ルーカスの動向も見つめて行きたいと思う。
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