Boruneo’s Gallery

絵はお休み中です
<作品には著作権があり、商業的使用は禁止とします>

年末のご挨拶

2006年12月31日 18時10分36秒 | 作品

来年(明日からだけど^^)も宜しくです~~

暫くPCから離れた生活になるので、ブログの更新は遅くなると思います。
元々遅いって?
・・はい、その通りでございます~(笑)

では、皆様もよいお正月を~~~

4月の雪 14

2006年12月28日 11時05分41秒 | 創作話


14 ~朝凪~

朝の強い光が曇り硝子を通じて柔らかな光となって、二人を包み込んでいた。
インスの腕の中で、ソヨンがぐっすりと安心しきったように眠っている。
二人が迎えた満ち足りた朝。
波のささやきは引き潮のように静かで、優しい音色を二人に届けていた。
まるで、ひと時の天使の休息のように穏やかな、優しい朝だった。
インスはソヨンの寝顔を見ながら満たされ、
そして起こさないように彼女の手をそっと握った。

・・・もう、元に戻れない・・・

わかっていて、この手を僕は握った。
昨夜のこと、あなたが後悔してないといいけど・・・。
今更、そんなこというのはずるいな。
この胸に愛しさと、背中に後ろめたさを抱えてあなたを抱いた僕を許してくれるだろうか?
あなたを得たことは、同時に苦しみもあなたに背負わせてしまうんだね。
僕にはスジンを責める資格もない。ましてやあなたの夫にも・・。
見えない未来に向かってオールのない船に乗ってしまった僕たちは、
どこへ行くんだろう・・・。


ぼんやりとどことなく空に焦点を合わせていたら、あなたがごそごそ動き始めて、
起きたのがわかった。

「おはよう、ソヨンssi」
「・・インスssi・・おはよう」

二人で初めて迎えた朝の印に、あなたの額にキスをひとつ残す。
・・・このキスがあなたを守れるように・・・

あなたの肩が少し冷たい。
二人を隠すのにはあまり余裕のない一枚の毛布だったから、
あなたを抱き寄せては僕の体ごとすっぽりと包みこんだ。

「こうすると暖かい?」
「・・うん・・暖かい・・」


引き寄せられたインスssiの肌から香る匂いに、改めて昨夜のことが夢じゃなかったことを思い知らされた。
まるで初めて男性に抱かれた時みたいに緊張をしたけど・・可笑しくなかったかしら・・・。
朝の光に照らされたあなたの顔はこんなにも優しいのね・・・。
ぴったりとくっついた私の目の前に・・ソヨン・・と何度も呼んだ唇があるわ。
触れている胸からは夫とは違う男性の体を感じている。
そう・・この人は夫じゃない・・。

“暖かい・・”と笑顔で答えながらこの状況に戸惑いを感じていることを、
君の表情からとることが出来た。
だが、あえて僕は“どうしたの?”と聞かない。
その答えは、今の僕たちに必要がないからだ。
二人でいれる幸せだけを感じていよう。


「ソヨンssi、何か特別おいしい朝食でも食べに行こうか。腹ペコなんだ」

あなたの髪を指で梳かしながら話していると、本当に僕のお腹が鳴ってしまった。

「・・本当ね。大変だわ!」

屈託なく笑う君が毛布からはみ出そうになる。

「寒いよ!もっとくっついて!」

君を抱き寄せてはまたもお腹が鳴る僕に、僕たちは大笑いをした。
幸せだった。
満ち足りていた。
-- このまま時が止まればいい --

これが僕たちの日常だったら・・・・
・・それが僕の目指す未来?

「・・ソヨンssi・・僕は・・」
~♪♪~

布団の端にあるくしゃくしゃの服の中から君の携帯が鳴った。
「はい、ユン・ソヨンです」

それは病院からで、キョンホssiが意識を取り戻したという連絡だった。
僕たちの体温が徐々に冷めていく。
僕は言いかけた言葉を呑み込み、替わりに「病院へ、行こう」と口にしなくてはいけなかった。

二人の間に沈黙が生まれ、一気に足元がぐらつき始めていく。
僕たちが過ごした事の重大さと止まらない思いに行き来しながら、病院という現実に向き合わなくてはいけなかった。

彼女と結ばれた朝は、確かに昨日よりも輝いている。
だが、車へ向かう足取りは昨日よりも重かった。
まるで、足枷に繋がれながら手を握る恋人たちのように・・・。
あなたは尚更かも知れない。

あなたの手をしっかりと握り締めて、僕ははっきりと言った。

「ソヨンssi、僕は後悔してないよ」

それだけはちゃんとあなたに伝えたい
今のあなたにキョンホssiを愛しているのか、僕を愛しているのかと聞くのは酷な質問だろう。
きっと、答えられない。
だから、今は彼に君を帰すしかない。
オールのない船がどこに向かうのか・・僕にもわからないんだ。

サンタがやってきた♪

2006年12月25日 23時23分18秒 | 画像加工


とうとうやってきました~~クラシックCD

簡単に抜粋してUPします。

右から化粧箱、フォトブック、CDが入ったケース。
ここには映ってないけど、メイキングフォトブックもついています

 

 

CDの中身。34って数字があるでしょ?
ふふ~これにはヨンジュニからコメントがありました。

~中略~
~~ちょっとだけこのアルバムの秘密をお教えします。 34歳である私が先人たち(作曲家たち)の足跡に学ぶため、自分と同じ歳に彼らは何を成し遂げたのだろうか、という興味から生まれたものであるということです。 ここに収録された曲はすべて、それぞれの作曲家が34歳の時に作曲を進めていたり、作品として完成させたりしたものばかりです。 これらの音楽を聴くことで、私は偉大なる音楽家たちに「君も頑張っているけど、私たちもここまでのことを成し遂げたのだ。もっと精進しなければいけないね」と、勇気付けられているような気分になります。そしてこの充実した気持ちを、ぜひ家族のみなさんやクラシックを愛する方々、これからクラシック音楽を聴いてみようという方々と分け合いたい、と思うようになりました。~~(本文より抜粋)

やはり、この選曲にはヨンジュニの思考が隠されてたのね
じっくり聞いてみよ。

 


左は白い表紙カバーの裏側です。一面モノクロヨンジュニだ~~
右は表紙カバーを取った状態の本(表側)。ここにもいた~~

 

こちらは裏側でございます。
タイをつけてるところかな?な~んだか仕草が可愛い

 

フォトブックの写真全部は無理なので、私的好みの3枚をUPします。

他にもきゅんとさせるヨンジュニがたくさんあるけど、
見開きページのUPは難しくて・・・

取り急ぎUPはこれで我慢してね~

 


息子の気持ち

2006年12月24日 20時53分19秒 | 画像加工

いつもはおねだりばかりの小学生の息子が、3・4日前から僕に要求しろ、としつこく迫ってくる。
気持ちだけで嬉しいよと言っても、気が済まないらしい。
「絶対買う!!」と決めた子供の背中には何やら使命感のようなものが・・・

「ただし¥1500までだよ」

母は、君のお小遣いの使い方をよ~~く知ってるよ
・・・暫く使わずに貯めてたんだなぁ

Xmas商戦真っ只中の中から見つけた1枚のチラシには、ジュエリーの目玉商品が~~
金属アレルギーのある母が唯一安心して付けられるシルバーのジュエリーを見つけ、子供と一緒にお店へ

しかし、目玉商品はそうそう残ってないもの。やはり売り切れてました・・
何も知らない男の店員さん、私に手ごろなものを勧めだす。

b「いえ・・私が買うんじゃないんです。子供が買ってくれるので。予算もこれぐらいで探してるんですが・・」

私の話を聞いた店員さん、あらら・・・とたんに店員の顔から父親の顔になってるよ・・

仕方がないから、私がいくらかお金をして商品を買おうか?と子供と思案中~店の奥から子供の予算内のピアスを新たに4点持ってきてくれました。

その中で選んだのが、これ
包み終わるまで待ってると、残りの男女の店員さんたちの表情までもが、
息子を微笑ましく見てて。
子供はと言えば・・・・かなり恥ずかしそうにプレゼントが包みあがるのをじっと・・見てるし~ぷぷぷ


お母さんに何かしてあげたい、という君の気持ち。
ピアスそのものより、この時間が私にとっては最高のXmasプレゼントなんだよ。
これから反抗期を迎えたりして、私とどれだけ口をきいてくれるか、わからないけど、
いつか大人になったらこのときの話をしてあげる

恥ずかしがる君の反応を笑いながら、この日を思い出すんだろうな。

Merry X’mas♪~ネクタイバージョン増量~

2006年12月20日 09時23分24秒 | 作品

今年もあと残り10日となりました。
年々、師走の雰囲気も薄れてきてるように感じてるのは私だけ?

さて・・子供がいるお家ではこれは絶対欠かせない!というクリスマス行事
我が家のサンタさん、今年は・・といーか、今年もゲームのソフトを頼まれたそうな。

この時期になると、まるで狙ったようにこれでもか!と流れてるCM。
「もう止めてくれ~~~」という私の叫びは一体何処に届くのでしょう

・・・といっても、私も、ほれ・・X’masにはヨンジュニがいつも聴いているというクラシックCDが届きます
私へのプレゼントはサンタさんじゃなくて、自腹だけど・・ま、いいか

ドラマの「のだめちゃん」で知ったラフマニノフの名前を、ヨンジュニのCDで見つけました。
ヨンジュニってば凄いな~私なんて初めて知ったよ・・

「このCDは私の心を捕らえてはなさないジュエリーであり、皆さんとの間に確かな絆が生まれるのは間違いありません。
by Bae yongjoon」

ヨンジュニの音楽を聴きながら、フォトブックを眺める。
今年のクリスマスは彼との絆を深めます(笑)
だから、子供たちよ、お願いだからその日は早く寝てね

やっと描けました、スーツヨンジュニ。
のネクタイは、クリスマスの雰囲気で色を変えてみたけど、どうかな。
オレンジよりも変だったらミアネヨ~~


せっかく作ったネクタイバージョン、UPしておきます。
私はこの↓のシックなのが一番好きかな。




↓はピンクバージョン♪


Lotte Joon

2006年12月17日 10時30分36秒 | 作品
今、免税店のスーツJoonを描いてるんですが、なかなか進まなくて・・
なのでまた、過去作品を引っ張り出してきては時間稼ぎだわ
しかし、この作戦あまり持たないぞ(笑)


このヨンジュニには眼鏡を外してもらいました。
セルのごついフレームも、チャーミングでよく似合ってると思うけど
やっぱり眼鏡なしの方が萌~~かな

無造作ヘアが似合う人は世の中にたくさんいるけど、
ヨンジュニのように気品が漂ってる人はあまり知らない。
寝癖があっちこっちについてようが、少しはれぼったい寝起き顔だろうが
(インスのシーンであったよね)何でもいいの(笑)

私の頭の中に現われたヨンジュニの姿をそのまま描き出せたら・・・
描いたら描いたで、大変な事になるかもしれないけど(爆)

そんな風にいつか描けるようになってみたいもんです



下書きの後、ほとんどパステルで着色。ラインは黒色鉛筆で走らせ描き。
バックには彼の名前を練り消しで抜いて。

Bae Yong Joon
その名前を書くだけでも 幸せな気分になれるの





4月の雪 13

2006年12月15日 10時48分53秒 | 創作話
         
          13 ~背徳~

季節外れの海の家はがら空きだった。
僕は女主人に声を掛けて、部屋を開けてもらいながら背中に君の視線を感じていた。
・・・インスssi?・・・
部屋に入るまであなたは不安げな顔をして、どうするつもり?としきりに僕の顔を見ていた。

---どうするつもり?---

いいのか?

これからどうするつもりだ?

今なら・・・まだ間に合う・・・・・

気持ちを伝えたから、気が済んだろう?

彼女はどうなる?

覚悟してるのか?

溢れてくる質問に誰が答えを用意してくれている?

どこに答えがあるんだ?


部屋に案内した女主人は二人を夫婦と思い、「ご主人、これが鍵だよ。」と言ってインスに鍵を渡した。
狭いが、初めての二人だけの世界。
もう、インスから迷いは消えてなくなっていた。

向き合ったあなたの頬にそっと触れる。冷えてるね・・・
僕の手で暖めてあげたい。

「・・・寒かった?」
「・・・・」
「僕たちを夫婦と思ったようだね」

言葉がでないのか、じっと瞳を寄せて僕を見ている貴女。
この事がどういうことか、分かっていても君は言葉にすることを恐れているようだった。

「ソヨンssi・・・恐い?・・・」
「・・・・・」

あなたを感じるように僕は優しく抱きしめた。
「今は・・僕たちだけの事を考えよう。自分の心に正直でいたいんだ。
今夜はあなたを離したくない・・・」

・・・あなたが欲しい・・・

・・・心のままにあなたを抱きたい・・・

言葉を持たない僕の問いかけに涙が君の頬を伝っている。
あなたの瞳は僕から逃げていない。
そっと微笑んだ・・・それが答えだね。

「愛している」

居座る不安に引っ張られるように俯いていくソヨンの顔を、
インスはそっと受け止めるように口づけをした。
ソヨンの唇に、インスの唇がゆっくりと何度も重なりながら、心を重ねあわせていく。
お互いに出会った事の意味を探り合いながら・・・。
鼓動は早く打ち始め、不規則にリズムを鳴らし、重なった胸から二人の音楽が聞こえ始めていった。

静かな夜に行われる背徳。

罪の意識も、後ろめたさも夜の帳に隠しながら、二人は抱き合い、愛し合う。

・・・あなたを信じたい・・・

情熱が抑圧を破った。

絡めた指から伝わる思いに翻弄されながら、ソヨンはインスに感情を染上げられていった。
重ねた肌から放たれる熱情に二人は巻き込まれ、どこまでも続くかのような喜びと切なさに落とされていく。
遠く、深く、愛情の海に沈みながら、インスとソヨンは渇きのような愛の痙攣を覚えていった。

僕たちは、どこへ向かっていくのか・・・

行き着く先はどこなのか、誰にもわからない

それでも、ずっとあなたの側で会いたい・・・

あなたに愛を語りたい・・・

僕に愛を語らせて欲しい・・・。


漆黒の闇が二人の罪を覆い隠し、白い波が二人の愛のささやきを打ち消していく。
まるで、誰にも気付かれないようにと願うように・・・。
夜空に君臨する優しい月だけが、二人をそっと見守り続けていた。



4月の雪 12

2006年12月11日 10時37分20秒 | 創作話
     12 ~微熱~



・・・僕を、愛してますか?・・・

何も考えられなくなっていた。
頭が動かないわ・・・心臓だけが早鐘を打ち続けて、その音に耳を傾けるだけで精一杯だった。

「ソヨンssi・・・あなたを・・愛してしまったんです」

インスssiの言葉に、向けていた背中が熱くなった。
私の腕を掴んでるあなたの手から“答えて欲しい・・・”と伝わってくる。
だめよ・・・と自分の心に鍵を掛けようとしたのに、
私の知らない私がその鍵をあなたに預けようとしている。


ゆっくりと僕のほうを振り向いた君の顔が切なくて、頬を涙で濡らしたあなたが愛しくて、
涙を指で拭いながらあなたを腕の中に優しく抱きしめた。

「僕を・・・愛してるね?」

腕の中のあなたは、こらえていたものが耐え切れないように僕の肩を濡らし、
あなたの切ない手が僕の背中を小さく摘んだ。
そのことはあなたの気持ちを知るのに十分だった。
僕の腕の中で泣いているあなたが愛しくて・・・守ってあげたい・・守りたい。

しばらくして泣き止んだあなたは、この状況をどうしていいかわからないように目を伏せている。
ぼくもわからなかった。
ただ、握ったあなたの手が冷たくて、とにかく車に乗ることにした。

二人の思いが重なったあとの沈黙は、今までとは何もかも違っていた。
逃げないでまっすぐに捕らえる瞳がそこにあったし、
手を伸ばせば君の手が触れる距離に僕はいた。
君が涙を流す時は拭ってあげられるほど僕の心は、君の側にいた。
何もかも今だけは僕たちだけの時間だった。

・・・離れたくない・・・離したくない・・・

今だけは、僕たちだけのことを考えよう。
明日はどうなるかわからないから、今夜だけは、二人だけの時間にしたい。
そう思うと同時に、僕はギアを入れて車を発進していた。


人がうごめいている街の中ではなく、僕たちだけになれる場所・・・。
常識に囚われた人たちに囲まれずにざわめきも聞こえない・・
僕たちの声だけが届けばいい。

---あなたと僕しかいない場所・・・---

僕は夜の海に向かって車を飛ばしていった。


止めた車の中で、二人は目の前に広がる夜の海を見ていた。
夜空と海の境界線が溶けて、大きな闇が二人を覆いつくしそうな夜だった。
漆黒の闇は白い波を連れてきては、またさらって行く。
昼の海は癒してくれるものであったが、夜の海はすべてのものを飲み込んでいくような魅力と恐怖があった。

「夜の海は引き込まれそうで・・なんだか恐いわ・・」

フロントガラス越しに海を見つめながら君が静かに言った。
僕は君の中の不安を取り除いてあげたくて、膝の上に置かれていた手をそっと握った。

「大丈夫だよ・・」

満ち足りた静寂が僕たちを包んでいた。
繋いだ手から伝わる温もりが僕たちの微熱を徐々に上げていく。
十代のような若さとは違う僕たちは、その微熱がどんな意味をもつのか、どれほど熱いものか、
十分すぎるほどわかっていた。


♪お部屋を変身♪暫くXmasモードをお楽しみください♪

恋心は・・

2006年12月08日 11時27分03秒 | 作品
先月発売のアジアツアーのDVDを見た。

はぁぁ・・ 

メイキングとか、カジョクの前で笑うヨンジュニや、
スタッフとジョーク言い合うヨンジュニを見てると、いつも、いつも、涙が出てしまう私。

何でこの人を好きになったんだろう、っていつも思う。

答えが欲しいわけじゃないけど、出口のない恋愛をしてるみたい。

私の好きには、楽しいときもあれば、苦しいときもあって、
現在はまさに苦しい波が押し寄せては返す状態が続いてる。

駄目だ・・さりげない仕草を見ても、どんな小さなつぶやき声を聞いても泣けてくる。

初来日の時、まだペ・ヨンジュンを知らなくて、TVでみた姿は「・・かっこいいけど・・韓国人?」だった。

胸に当てた仕草に好感を感じ、頭の記憶に残った姿が

もっと、もっと早く、貴方に会いたかった。

でも、今日と同じような苦しさは、やはり変わらないと思う。

一年の最後、師走の月は色々忙しいけれど、貴方への恋心も休むことなく忙しいよ



--過去の作品をUPします--

4月の雪 11

2006年12月07日 10時26分05秒 | 創作話
       11 ~理由~

食事中はメールの続きの話など、たわいもない話ばかりしてようやく和んだ感じだった。
一緒に居るこの時間が楽しくて、笑いあったね。

----車の中では君が緊張しているのが伝わって、僕も移ったみたいに寡黙になってしまったけど、本当は、こんな風にあなたに会いに来た男をどう思ってる?って聞いてみたかったんだ。
聞こうか、どうしようか迷っているうちに、湾岸沿いにある感じのいいレストランを見つけて駐車場に入った。

「インスssiは仕事が忙しいんでしょう?」
コーヒーのカップを両手で握りながら君が聞いた。

「ええ。忙しいですよ。新しいコンサートも控えてるし、キムの穴埋めもまだ残ってるんです。」
そう言って、笑顔をあなたに向けた。

「あの・・じゃあ、どうして・・?」

・・・そうまでして会いに来た理由を聞きたい?

「・・・?・・あの、インスssi?」

「困ったな・・・。・・言いたい事や聞きたい事がありすぎて、上手く言葉にならない」

思わず俯いて笑ってしまった僕の心が全部あなたにわかればいいのに・・。
そういって見つめた僕の気持ち、わかりますか?ソヨンssi?
そう、僕はあなたに、いや自分にはっきりと突きつけたかったんだ。

「あなたに・・・ソヨンssiに会いたかったんです」
「・・・・」

「・・・ソヨンssiは、僕に会いたくなかったですか?」
あなたの瞳の光が揺らめいたのを僕は見逃さなかった。

「ソヨンssi、僕は・・。はっきり言います。あなたに惹かれています」
「・・・・」

「こんな事、言うべきじゃないこともわかっています。でも・・・・強く惹かれていくのを止めることが出来なかった。あなたを知りたかったし、あなたに聞きたかった。会いたかった・・」

困惑・・・驚き・・・今、何があなたの中で起きているんだろう・・・
それでも確かめずにはいられない。

「あなたを好きになるのに理由なんかいらなかった。・・・ あなたは僕に、会いたくはなかったですか?・・・お願いです・・答えて欲しい・・」

自分勝手な男と思うだろう。
どこかであなたもそうなのだと、確信して聞いている僕を・・・。


ソヨンは激しい波に呑まれることを恐れていた。
理性と常識を盾に、切なさも恋しさも覆い隠していたのに・・・。
そうやって自分を保っていたものが、インスによって崩されそうになっていた。

・・・恐い・・・やめて・・・
「そんなこと聞かないで・・インスssi、どうかしてるわ・・・私、帰ります」

席を立ったソヨンは、とにかくインスから逃れたくて足早にレストランを出ていった。
インスは支払いを済ませると、走って彼女を捕まえようとした。

「ソヨンssi、待って!!逃げないで!」
暗闇の中、あなたの中に僕がいるのか探り当てたくて、行こうとするあなたの細い腕を捕まえたが、あなたは僕の顔を見ようとはしなかった。

あなたの背中に話し続ける。
「逃げないで・・・いきなり驚かせてすまない」
「・・・・」

徐々に僕を追い詰める‘それ’が、近づいてきた。
「でも、これ以上気持ちを隠してもどうしようもないところまで僕は来てしまったんです」

‘それ’は容赦なく僕を追い込み、逃げ出す行方を奪われていった。
「キョンホssiを・・・今も愛していますか?」

あなたに向かわざるをえなくなった。
「僕を・・・愛していますか?」