Boruneo’s Gallery

絵はお休み中です
<作品には著作権があり、商業的使用は禁止とします>

No Title

2007年01月29日 01時26分29秒 | 作品



久し振りにまとまった時間が出来たので、描きました

本当は 展示会用のアナログを描こうとしてたんだけど、力みすぎか、
なかなかヨンジュニが決まらない。

で、ちょっと前に描きかけてたを仕上げることに・・。

うん、これはこれで いいんでないかい?
思ってたよりも面白く描けたので、自分的には満足っす
でも、よく見たら・・足元に書いた Bae yong Joon の字、震えてるように見える。
・・・ま、ご愛嬌ってことで(笑)


展示会のヨンジュニ。
描きたいのはいくつかあるけど、写真集の頃とか、以前の姿が多いかも・・・
最近のじゃなくても、いいかなぁ~~・・いいよねぇ~・・







携帯の待ちうけ画面

2007年01月26日 23時22分44秒 | つぶやき

 

 

私にはウィークポイントがあって、例えば、大好きな猫の手。
これには非常~~に弱い。
裏側の肉球も好きだけど、表側のちょこんと こんもりとした もこもこ毛。
・・・もう・・た・・たまらない・・
爪で引っかかれても そのもこもこ毛の小さな手で むにっとされてしまうとつい許せてしまう。

猫の手は私を心底メロメロにさせてしまう 実は恐ろしい武器だったりするわけだけど、それと、同じくらい壷なのが、4juneこと 4ちゃんの作品であるタムトクだるま。

今、これを携帯の待ちうけ画面にしてます。

<4ちゃんの作品をちょっと切り抜き加工。作品をそのまま保存して、待ちうけにすると、だるま達が小さすぎて よくわからなるから・・4ちゃん、ごめんよ。>

でも、ねぇ、なぜ、こんなに壷なの?

私のハートを狙ってる?(笑)

この丸み・・だるま? ・・起き上がりこぼし? ・・・マトリョーシュカ?

何でもいいわ。思いっきり私のハートを掴んで放さない今日この頃よ。

仕事に疲れたときや、落ち込んだ時、携帯の待ち受け画面にしている
だるまとご対面すると・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ 
    ・・もうぅ・・・
おかげ様で、嫌な事忘れさせてもらってます

ヨンジュニの画像もいいけど、こういう楽しみ方が出来るのも
お絵かきのいいところ。
また、他の画家さんの作品を待ち受けにしたりすると、新鮮味があっていいのよ~~

のパターンと使い分け~




4月の雪 18

2007年01月26日 00時07分24秒 | 創作話
   


     18 ~絡まった糸~


ソヨンssi・・何も答えられない君に僕は何が言えるだろう。
その沈黙が何よりも僕には痛いよ・・。
君を困らせたいわけじゃない。
あなたに伝えたい言葉がいっぱいあるのに、それらはあなたを苦しめるんだろうか?
喉の奥で痛いほど競りあがる言葉を僕はどんどん呑み込んでいくしかなかった。

「・・・インスssi・・そんなことをしたら周りの人が傷つくわ。そんなの、耐えられない・・。」
沈黙を破って言ったのは君だった。

「ソヨンssi・・・・僕たちは?こんな風に出会って、愛してしまった僕たちは何も傷つかないと思うのか? 」
「そんな風に言わないで! その問いに答えられるほど私は強くないわ・・・。」

「・・・・・」
「・・・ごめんなさい・・・」

「いいよ・・。」
「・・・・・」

インスは自分のため息さえも彼女を傷つけるのではないか、と臆してしまっている自分を感じていた。

長い沈黙が流れ、どうすることも出来ない悲しみが狭い空間に充満していく。
溜らずインスは車の窓を開け放った。
冬の名残と春の予感を知らせる風が、悲しみの風と少しずつ入れ替わっていく。

「キョンホssiの様子はどう?」

突然、あなたの口から夫の名前を聞いたときには全身に緊張が走った。
その気持ちはあなたもわかるかしら?
「え?ええ・・・今日普通病棟に移ることになったの。状態は安定してるから大丈夫だって。・・リハビリもしなきゃいけないの。だから・・・彼の看病に力を注がなきゃいけないのよ・・。」
それまで私はずっと口にするのを躊躇っていたその名前を言った。
「スジンssiは・・どうなの?」


君の口から妻の名前を聞く。
取り立てて普通のことだが、僕は胸の奥が痛んだ。
「ドクターと昨日話したよ。最初は記憶障害を気にしていたらしい。目覚めのとき少し様子がおかしかったんだが、もう大丈夫だよ。後は時間と共にだと思う。」

「・・そう・・・。」
「・・ソヨンssi・・」

「インスssi、看病に来たんでしょう?・・もう、行かなきゃ・・。」
「・・・ああ・・・行くよ。」

「・・ソヨンssiはもう少しここに居たらいいよ。車のキーを預けておくから、後で渡してくれたらいい。」

インスはそう言って、ソヨンを車に残して病院へ向かって一人歩き始めた。
途中、歩調を緩めて車の方を振り返ったインスはソヨンの様子を伺ったが、動かずにいる彼女の後ろ姿がインスには悲しかった。
ソヨンは車のルームミラーに映る小さなインスを見続けながら、留まることの知らない涙を一人流し続けていた。


インスは妻が目覚めてから毎日病院に通っていたが、「今は早く直そう」とだけ言っては事故について何も触れないでいた。
それは隣にキョンホがいることもあったが、‘そのこと’について4人で話し合うつもりもなかったからだ。

絡まった糸にもがいてるのはスジンたちだけじゃない。
僕たちもまた、お互い絡まりながらこの手に繋がった糸の先が誰なのか、わからずにいるんだ・・。
誰と誰が繋がっている?・・・。


インスは病室に着くと、今日、普通病棟へ移動すると言っていたキョンホの方へ目をやった。
まだ寝ていることの多いキョンホとは、一度も口を利いたことがないインスだった。

「インス・・来てくれたのね。」
「・・・スジン、どうだい?」

「長いこと意識不明だったって言われてもピンと来ないくらいよ。」
「顔色がいいね。昨日ドクターと話したけど、今日明日様子を見て普通病棟に移れそうだよ。」

「そう。」
「・・・・・」

「ねえ・・・聞かないの?事故のこと。」
「話せるの?」

インスの一言で、ただの交通事故ではないことをインスが知っているのだということが、スジンにはわかってしまった。
夫婦の間に冷たい風が通り過ぎていく。

“インスは彼のことを知ってる・・。”
スジンは暫く考えたあと、「もう少し待って・・ちゃんと話すから・・。」とインスの目を見ずに言った。
インスはそんなスジンに何も言うことはなく、ただ妻の着替えや彼女の体を拭いてやったりして時間を過ごしていた。

すると、暫くして戻ってきたソヨンが軽くインスに会釈をして、目に付きにくい所に車のキーを置いた。

僕はさりげなく行動してそれを取ると、ソヨンssiの手の温もりが残っているのに気付いた。
思わず、ぎゅっと握り締める。
・・・君の手のかわりだね・・・
・・・さっき握り締めたかったのに、できなかった。・・・
・・・いつまでも温もりが残ってればいいのに・・・

そんな僕の思いも片隅に追いやるようにキョンホssiの病棟への移動が始まった。
絡まった4人が向き合う、緊張と戦慄の瞬間。
移動するために開け放たれるカーテンは、まるで僕たちの切ない苦痛と悲哀の幕が上がったようだった。

あなたの夫に僕は何を言えばいい?
スジンの夫として? あなたを愛してしまった一人の男として?

だが、病室に僕たち4人の駒が散りばめられたのに、彼は僕らを見なかったし、スジンも彼のことをまったく目で追わなかった。
そう・・まるでまったく知らない他人のように・・・・。
・・・スジン?・・・
拍子抜けのように緊張の糸が切れた病室には、僕とスジンだけが取り残されていた。

それから、暫くしてスジンも好転して普通病棟へ移動することになり、お互い看病に明け暮れることとなった。
僕たちは会える機会を失っていった。


キョンホssiの病室は3階にあり、スジンの病室は2階になった。
男性は3階、女性は2階という風に別れただけのもので、どこにでもある病院と一緒だ。
たったそれだけなのに、君には会えない。
たまに用もなく、いや、用がある振りして3階に行っては、僕は偶然君に会えるかと期待して廊下を歩く。
彼の病室の前まで来た時、キョンホssiが「ソヨン」と呼ぶ声を聞いたことがあった。

・・・あなたはそこにいるんだね。・・・

会えないのに、確実にそこにいるのが嬉しかった。
会いたかった。
声が聞けるだろうか。

病室の前をゆっくりと通り過ぎながら、部屋の中にいるあなたを瞬時に探してみる。
僕があの夜、指ですくった覚えのある君の黒髪。

・・・ソヨンssi!・・・

彼女を呼びたい気持ちを押し殺し、何とか体を前に押しすすめては気付かれないまま通り過ぎていく。

・・・歩くことがこんなに辛いなんてな・・

廊下の突き当たりには大きな窓があって光が差し込んでいる。
その光は僕に何を示しているのか、わからないまま導かれるようにただ足を前に突き出していくしかなかった。



展示会のお知らせ♪

2007年01月22日 20時31分55秒 | 作品

         

 

お知らせ

私がお世話になっているサイト主催の展示会が3月に行われます。

京都~東京と2箇所で開催しますが、まず、スタートは京都から       

 「100% Bae Yong Joon アート展」      
------- I can`t help drawing this love・・・・ -------
この愛 描かずにはいられない ・・・

 

ヨンジュニ大好きな人たちが、心を込めて描いたり、

表現した作品たちばかりです。

いろんなところで活躍されてる方も多いので、知ってる名前も見つけれるのでは?

 ちなみに、このポスター制作は

いつもキュートな作品を描いている4juneさんです

このブログを見てくださってる貴方ぜひこの機会に遊びに来ませんか

一緒に楽しみましょう~心よりお待ちしています

最終日の日曜日は私もお手伝いしてるので

よかったら声を掛けてくださいね

Boruneo


4月の雪 17

2007年01月20日 00時40分15秒 | 創作話
        

          17 ~後悔~

「奥さん、ご主人ですが、あれから状態も大変いいですね。明日にも普通病棟に移ろうと思ったら移れますよ」

ソヨンはドクターに呼ばれて、キョンホssiの容態とこれからの治療について説明を受けていた。

「しかし、少しリハビリが必要ですね。といっても、障害が残るとかそういうことでないですよ。あれだけ意識不明の時間があったんですから、落ちてしまった筋肉を戻してやらないと・・。生活に戻るためのリハビリですから、毎日少しずつ頑張りましょう」

「はい。よろしくお願いします」

意識が戻って5日目には、家と病院の往復の生活も少しはリズムが出来てきていた。
仕事はしばらく休むようヘギョン先輩が言ってくれたおかげで学校のほうも問題はなかった。
病室に戻るとキョンホがソヨンに話しかけた。

「ドクター、何だって?」
「うん・・ちょっとリハビリしたらいいって。それと明日には普通病棟に移れるって・・」

キョンホは「そうか・・・」と言って、ソヨンから視線を外した。
「今日から移れないかな・・・」
「え?今日?」
「・・ああ。ここだとなんだか気が滅入りそうなんだ。ソヨン、ドクターに頼んでくれ」
「・・・本気なの?」
・・ああ・・と返事したキョンホに、ソヨンの心は翳を落としていった。

・・・スジンssiを気にしてるのね・・・彼女から逃げるの?
・・・逃げて、それからどうするの? 
目覚めてから、私はあなたに一言も何も聞かなかった。
体のことも心配だったけど、私自身がどう聞けばいいのかわからなかったからよ。

キョンホはソヨンが事故について何も聞かないことに、“彼女はすべて知っているのだ”ということをわかっていた。
誤魔化すことの出来ない真実。
自分の中のずるさに目を背けてでも、キョンホはソヨンを取り戻す時間が欲しかった。

“わかったわ。ドクターに話してみるから・・・。”とソヨンは病室を後にした。

取り残されたのはカーテン越しの「男と女」。
気配で相手の家族がいないことがわかった。

「・・・・大丈夫か」
「・・・そっちこそ、どうなの」

「俺のことは心配いらない」
「・・・・そう」

「・・・・・・」
「・・・何か言えば?」

「・・終わりにしようか」
「・・・そうね。・・これ以上続けてもいいことないわね」

「・・簡単だな?」
「・・・本気だった?・・後悔してるの?」

「さあ・・・どうだろう。だが、楽しかったよ」
「あなたのそういうずるさも好きだったけど、夫としては最低ね」

「君が言うなよ、お互いさまだろ」
「・・・・」
 
「じゃあな・・」
「・・・ええ・・じゃあね」

スジンはキョンホに気づかれないように一人小さな涙を流し、別れの儀式を終えた。
キョンホはひとつ仕事をこなしたような疲れを感じて、眠りにつき始めていった。

ドクターから特に問題はないと許可を得たソヨンが病室に戻ってくると、キョンホは眠りについていた。

起こすことないわ・・・・

ソヨンは踵を返して、今来た廊下をゆっくりと歩いていった。

なんだか、外の空気が吸いたい・・・

外来の時間が過ぎた午後のロビーは人もまばらで、病院関係者がうろうろしているくらいだった。
一歩外に出ると、冷たさの中に春が近づいている気配の風が、ソヨンの頬や髪を優しく撫でていった。
ソヨンは冬の名残空に向かって顔を上げながら、目を閉じてゆっくりと3月の風を聞く。

「気持ちいいかい?」

風に乗って、インスの声がソヨンの耳に届けられた。
あの朝以来に聞くインスの声。

「インスssi ・・」
「ソヨンssi、こんな所でどうしたの?」

「ちょっと、風に当たりたかったの。インスssiは今、来たの?」
「ああ・・」

「やっと、君に会えた」
「・・・この間、メールの返事をしなくてごめんなさい。なんだか・・色々あったから疲れて」
「いいよ、気にしなくて。もう、大丈夫?」

私に問いかける彼の笑顔に目が奪われて、そのまま見つめていた。
・・・どうしてそんなに優しく私を見るの?
・・・あなたは恐くはないの?
彼の瞳が暖かくて、優しくて、その胸に飛び込んで呼吸がしたかった。
そしたら私は自由になれるのに・・・・。

「ソヨンssi・・・少し話しが出来る?」

頷いた私は、彼に誘われて駐車場に頭から突っ込んで停めている車の中に乗り込んだ。
病院側には私たちの後ろ姿が少しわかるくらいだから目立つ心配はなかった。
そんな考えを余所に、あなたは私の顔をじっと見たかと思うと “元気そうで本当に良かった。” って嬉しそうな顔をするのね。

「実は、あれから君に会いたくて、何度もメールしようとしたんだ。 だけど、返事が貰えなかったことが本当は気になっていて。 あなたは、後悔しているのかと・・・思ったんだ。」
インスはそう言うと、ソヨンの顔を見つめては答えを探し始めた。

・・・僕はあなたを、後悔・・させてしまったのか・・・? 

--- インスssi・・後悔なんて・・あの時、あの夜の海にすべて持っていかれたのよ---

・・・僕の気持ちはあなたを苦しめるだけだった?・・・

--- 一度飛び込んだその胸に、もう一度飛び込めたら・・・あなたを愛してるって大声で言えたら・・・ ----

二つの熱情は空回りしながら混じることなく、もどかしさが苦しく胸に募るだけになった。
インスは彼女の答えを見つける前には、もう口に出していた。

「ソヨンssi・・・少しずつでもいいから、僕たちのことをこれから話していこう・・・」

--- 僕たちのことをこれから話していこう ----

それは、どういうことなの?・・・。
あなたは強い人なのかしら。
私が口に出せずにいたことに手を差し伸べてくれるの?
後悔はしないと言った言葉は嘘じゃなかったのね。

こんなふうにあなたの気持ちを知っても、返事を求めるインスssiに私は何も答えられなかった。


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ヨンジュニのモバイルサイトOPEN
もちろん登録したけど、哀しい問題が発生・・・
私の携帯は受け取れる容量が12KBしかないため、待ち受け画面が小さい事。
動画もFLASHも対応してないため、見ることすら出来ない。
ううっ・・中身はどうなってんの未公開って言葉に弱いんだよ~~
世の中は3G中心なのね・・・機種変更しようかな


笑ってない君へ

2007年01月18日 11時13分17秒 | 画像加工

何故だか、急に笑ってないヨンジュニばかりを集めてみたくなった。

仕事として、笑わないようにしてるものはあえて外そう。
(ちょっと仕事モードのも混じってる~)

普通に考え込む顔や打ち合わせで真剣な顔、疲れた顔、撮影の合間にとられたショットetc・・が見たい。

眼鏡もない。笑顔もなし。
本当にリラックスしたヨンジュニの顔が一番見たいんだけど

それには、まず、「どこでもドア」を手にいれなければ!(爆)





あなたに幸せ

2007年01月15日 10時01分05秒 | 作品
過去作品をUPします。

---あなたにしあわせ---のミラjoonです

ヨンジュニもいろいろなCMに出ましたよね。
お菓子にデジカメ、携帯に車と、警備会社もの。
あらゆる分類のCMに出てくれるおかげで、街のあちこちで姿を見つけれて、
楽しいよん

いっぱいあるCMの中で全部大好きなんだけど、中でもロッテフラボノのパーティ編が今も好きなんだなぁ。
こっちを見つけたヨンジュニが、人とぶつかりそうになりながら近づいて来る、あのCMです
どきどきどきどき・・・・・・が堪らない。

このブログは動画もUPできるとあるので、
ロッテのCMを一緒にUPしようと思ってフォルダからゴソゴソ探してみる。

・・・・・ない・・?

・・ない?・・

ない~~~っ!?

これって、日頃パソの整理整頓を怠けてる罰?

4月の雪 16

2007年01月13日 10時52分01秒 | 創作話
16 ~夕暮れ~

その日の夕方、インスは目覚めたスジンに必要な荷物を取りに家に帰ってきた。
約1ヶ月、妻のいない家だったが、子供のいない二人の家はさほど汚れていなかった。
その間の食事は殆ど外食だったし、簡単な掃除くらいはインスでも出来ていた。
スジンが元気な頃は休みの日など二人で掃除もしたし、買い物に一緒に出かけては、材料を選んで料理を作ることもあった。
どこにでもいる仲のいい夫婦。
そんな当たり前の生活がほんの少しの時間で一変することなど、インスに予測出来たはずもない。

インスは上着を脱ぐとばさっとソファーの背に掛け、どさっと腰を落として疲れた体を預けた。

・・・はぁ・・・・少し、疲れたな・・・
・・・荷物は慌てなくても明日もって行けばいい。

もたれたソファーの部屋の窓から眺めた空は、星がひとつ合図のように輝き始め、夜の準備が始まっていった。

頭の中で昨夜のことから今までのことまで目まぐるしく回り始め、酔いそうになったインスは眼鏡を外し、目頭を押さえた。
瞼の裏に描かれたのは、インスの心を捉えたソヨンの涙、痛くなるほどの切ない顔、離したくない彼女の温もり。
そして、カーテン越しに募らせた切実なまでの愛慕。
インスは彼女が恋しかった。

病院ではあれからお互いの夫と妻を診ながらドクターや看護士と話をして、これからのことを相談することに時間を費やしていった。
カーテンは最後まで開けられることはなかったが、インスとソヨンは深く意識しあっていることをお互い感じていた。

「ソヨンssi、もう帰ったかな・・」
上着からごそごそと携帯を出して、少し悩んだ後、インスはソヨンのアドレスを出した。

---- キョンホssiはどうですか? とにかく意識が戻ってよかった。・・ソヨンssi は大丈夫ですか? あなたは疲れてない? 気がかりです。これを見たら返事が欲しい。ずっと待っているから。  インス -------

送信ボタンを押すと、インスはさらにソファーに横たわって軽く目を閉じた。
けだるさの混じった疲れが引力に逆らえず、めり込んでいく様な感覚に襲われながら、インスは深く眠りに落ちていった。



ソヨンも、キョンホのための荷物の用意をするために夕方には帰宅していた。
鞄に下着やら、コップやら、必要と思われるものを詰め込んでいたが、ふっと途中で手が止まってしまった。
電気もつけず、薄暗い夕暮れの明かりが差し込むだけの部屋でただ、ソヨンはじっとうずくまっていた。

・・・昨夜、私たちがしたこと・・・
・・・間違ってなかったの?
・・・あの人は「後悔してない」って、はっきり言ったわ・・・
・・・わたしは?・・・

そこまで考えてソヨンは昨夜のインスを思い出していた。

インスの大きな手に掴まれた時のこと。

彼の広い胸の中で泣いたこと。

初めて優しく唇を重ねたこと。

インスと結ばれたこと・・・。

彼に抱かれて幸せを感じたのよ・・私・・。
あの暖かい胸に包まれて、優しく・・強く求められて・・・嬉しかった・・。
だから、余計に辛かった・・・。
・・・どうしたら・・・どうなるの?・・・ねえ、インスssi・・・これから私たち、どうしたら・・・・。

夕暮れ時の寂しさがさらにソヨンの不安を追い立てていた。

夫の匂いがするシャツ。
キョンホssiの好きな本。
いつも使っていた彼のお気に入りの鞄。

見渡せば、いつもここには私たちの生活があるわ。
今も、こんなにキョンホssiに囲まれて・・・。
なのに・・・・・なのに・・・・・インスssi・・・・あなたを愛している!・・・。

声を上げて泣きたくなったソヨンは、側に置いてあったキョンホのお気に入りのCDを掛けてボリュームをあげた。
ソヨンの声は音楽に吸い込まれながら、かき消されていく。
インスのメール着信音さえも、キョンホのお気に入りのCDは呑み込んでいった。

His name・・・

2007年01月09日 21時31分10秒 | 作品

 

 

年末年始、あまりの忙しさに頭はヒートアップ、身体はオーバーダウン。
新年早々、風邪で寝込んでしまいました

元旦の日刊を見て描きたい衝動に駆られながらも、引っ張り出してきたのは 
以前に描きかけてたクラシックJoon
ちょっと一息入れたくて、いつもの細かい作業には目もくれず、ええーいっと描く。
所々、線上に見えるゴミのようなものがありますが、
これはわざとなので、決して消し忘れではありませんよ。
いいのか、これで・・?
「いいの、いいの♪」と、もう一人の私の声(笑)
普段と違う描き方をすると、新鮮な気持ちになれて好きなんだな

で、いつものごとくもう1作品と、加工をプラスしたものもUPします

 

 


4月の雪 15

2007年01月07日 11時46分29秒 | 創作話
   
    15 ~もうひとつの場所~

病院に着くと、インスは先にソヨンを車から降ろし「僕もあとから行くよ」と言って、夫の元へ向かう彼女の背中をじっと見つめていた。
一緒に病室に向かうことがはばかれていたのだ。
インスは一人残された車の中で煙草に火をつけた。

・・・僕は、後ろめたさを隠しながらあなたを抱いた。
・・・でも、本当に後悔なんかしてないんだ。

インスにとって、今ある真実はそれだけがすべてだった。
だが、これからもうひとつの場所へ、絶対的な現実のもとへ向かわなくてはならない。
あなたは夫の元へ、僕は妻の元へ・・・。

タバコの火をもみ消すとインスは病院の中へ消えていった。

「奥さん、良かったですね。今朝方、意識が戻られたんですよ」
集中治療室の前で看護士が私を見つけてすぐに声を掛けてきた。

「あのキョンホssiは?・・」
「どうぞ、落ち着いてますから、会話しても大丈夫ですよ」

「キョンホssi・・・・」
酸素吸入器を外されたあなたの顔を久し振りに見たら、涙がにじんできていた。
「・・・ソヨン・・・心配・・かけてごめん・・・」
「・・キョンホssi・・よかった・・」

ソヨンはベッドの横でキョンホを見つめながら安堵の涙を流していた。
泣いているソヨンの頬にキョンホは手を伸ばしてひさしぶりに妻に触れていた。
そこにはどこにも変わらない夫婦の姿があった。


僕は病院に入ったもの、妻の見舞いに行けないでいた。
スジンに会いに行くことは、必然的にあなたとあなたの夫が二人の所を見なくてはいけないからだ。
体の中の機能が全部放棄したみたいに何もできないでいる自分に向き合いながら、時間だけが過ぎていく。
・・・ソヨンssiが行って、30分か・・・
重い腰を上げて、僕は妻に会いに向かった。

「インスssi 、キョンホssiの意識が戻られたんですよ。スジンssiも次期に戻られますわ」

病室に向かう途中で、‘妻の様子をいつものように見に来た夫’に初めて知らせるのだと看護士が嬉しそうに声を掛けてきた。

「そうですか。それはよかったですね。それでキョンホssiの状態はどうなんですか?」
質問の答えの向こうにいるソヨンssiの様子を探していた。
「病状は落ち着いてますし、この分だと2・3日中に一般病棟に移れますよ」

僕は複雑だった。
病棟が変わればあなたに会える機会が減るだろう。
だが、一緒だとキョンホssiの目の前であなたを見る僕の態度に自信がなかった。
きっと・・あなたを見つめてしまう・・・
そうすればあなたが困ってしまうのがわかっていたからだ。

病室に辿り着くと、キョンホssiとスジンのベッドの間はカーテンで仕切られていた。
あなたの姿は見えなかったが、確かにそこにいることが気配でわかっていた。

・・・近くにいても声も掛けられない。

薄いカーテンなのに僕たちにはどうすることも出来ない壁のようにそこにあった。
僕は身の置き所を探すようにスジンのベッドの横に立った。
スジンはまだ、目を覚まさない。

「スジン、そろそろ起きてくれないか。キョンホssiが目を覚ましたよ。今度は君の番だろ」
僕がスジンの白い手を握り締めながら呟いていた。
事故から約1ヶ月少したった君の体は青白く、雪のように溶けていきそうだった。
「スジン・・・」
もう一度強く握り締めたそのとき、スジンの指が反応をした。

「・・・!スジン?・・スジン!」

「・・・うっ・・・あ・・・イ・・・ンス・・・・?・・・」

「そうだ!僕だ!意識が戻ったんだね。待っててくれ、すぐにドクターを呼ぶから!」

ナースコールを押すとすぐに看護士がやってきて、「どうしました?あっ・・・ドクター呼んで!スジンssiの意識が戻りました!」
と大きな声で他の看護士に伝えた。
それから、ドクターや看護士たちが賑やかにやってきて、スジンの状態を診始めた。

その間、僕はドクターたちに場所を譲るために仕切ったカーテンの近くへと移動した。
途端に、心と体が半分カーテンの向こうへ持っていかれるのを感じて、思わず視線を隣に移す。
この騒動にソヨンssiが僕たちを隔ててる柔らかい壁から姿を現していた。

ソヨンssi・・・

インスssi・・・

互いの瞳を交差させながら二人にしかわからない情熱で見つめ合っていた。
一秒が一分に感じるように言葉のない会話を交わす。

「ご主人、もう大丈夫ですよ。意識もはっきりしてますし、これからまた細かい検査はすることになるでしょうが、とにかく今日は様子を見ましょう」
ドクターに話かけられてハッとした僕は、彼女を置いて視線をドクターに移した。
「ありがとうございます」

インスは目の端に映るソヨンを探したが、彼女はすでにカーテンの向こう側に消えていた。
先ほど感じた切ない感情の残像を引きずりながら、インスはスジンの横に座った。
スジンは長いこと意識が戻らなかったせいか、どこかボーとしていたが、インスを見ると涙が出てきた。
「スジン、もう大丈夫だよ。とにかく早く直そう・・」
妻を労わりながら、僕はどこか自分の居場所を探している気がしていた。