茨城県大子町大生瀬、熊ノ久保の熊野神社
熊ノ久保集落の一番奥の家で、出てきた奥様に地図にある神社の所在を尋ねるとすぐわかりました。それから、敷地内に車を停めて行けばいいというありがたい心づかいまでいただきました。
歩き出してすぐ、小高いところに「馬力神」銘の石塔。栃木や茨城県北部に見られる馬の供養塔です。
目的の神社を、尋ねた奥様は〝うぶすなさま〟と呼んでいました。その入口は「山神供養塔」の大きな石塔が立つところです。うぶすなさまは〝産土様〟で、この土地の神という意味なので、この山神もうぶすな様の一柱なのでしょう。
山神から急な山の斜面を登った先がうぶすなさまで、新しく今風の家屋に建て替えられた社殿には簡素な「熊野神社」の扁額がかかっていました。最近は荒れるに任せた山中の社殿が多いなか、このように建て替えられることは稀なケースです。神様は社殿の形にはこだわらないはずです。里山の神様の座所、昔は藁屋、木祠、そして石祠、社殿を建ててもらえる神様はそうありませんでした。
(集落名は国土地理地図による)