偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書227 大六天(山梨県丹波山村)

2023年10月10日 | 里山石神端書

山梨県丹波山村高尾・集落外れの大六天神社

 甲州街道の裏街道・青梅街道は奥多摩の小河内、丹波山の村を通って塩山に出ました。その道筋にあった丹波山村高尾の集落外れに大六天神社が建っています。


 大六天は関東一円に広く信仰された招福の神でしたが、明治の初めに社名の変更や合祀で数を減らし、いまでは神奈川県にその痕跡を残すだけになってしまいました。しかし丹波山村では今も信仰が続き、社殿は昭和40年に再建されています。境内の石燈籠には「奉納大六天宮御廣前」銘、「文政十一戌子天(4828)/氏子中」とありました。
 大六天は仏教を妨害する魔王でしたが、仏教に取り入られて欲界の六欲天の最高位にある他化自在天になったと仏書にあります。欲界は三界(欲界・色界・無色界)の一つで、色欲食欲が強い衆生が住む世界。六欲天は他化自在天と四王天・忉利天・夜摩天・兜率天・化楽天。
 大六天の信仰は、関東から甲州・信州に広まりましたが、明治の神仏分離で名称の変更や合祀が行われて激減。このブログでは石仏613で神奈川県高松山の大六天と、千葉県香取市山倉の観福寺の大六天を案内しています。
(地図は国土地理院ホームページより)


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