千葉県富津市竹岡・白狐川流域金山の大日寺の窟屋
房総の山は砂岩や泥岩でできていますから穴が掘りやすく、窟屋に納められた石仏をよく見かけます。窟屋というと鎌倉時代に鎌倉で墓所とした〝やぐら〟を思い出しますが、この形式は房総の安房地方にも伝わり多く残っています。金山の大日寺の窟屋を案内します。
窟屋は寺の入口に地蔵が祀られたものが一つ。
さらに寺の右裏手の岩崖に深い窟屋が二つ。一つには合掌する馬頭観音で、頭に小さな馬頭がついています。一つには宝珠と錫杖を持つ地蔵菩薩で、錫杖が見事です。他に浅い窟屋に地蔵菩薩と六地蔵。いずれも顔の風化が進んでいるのは窟が浅いためでしょうか。そしてこの並びには廻国供養塔や庚申塔も立っていました。
それから大日堂の境内には塚があります。
塚上の石造物は二基。一つは頭に金剛界大日の種字ブァンと胎蔵界大日の種字アーンクを置き、中央に月山、右に羽黒、左に湯殿銘。一つは頭に金剛・胎蔵の大日像を置き、「西國三十三所秩父三十四所/月山/湯殿山/羽黒山/坂東三十三所合一百ケ所」銘。「宝暦六丙子天(1756)」銘がありました。
(地図は国土地理院ホームページより)