偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書135 不動明王 (栃木県那須塩原市)

2022年11月12日 | 里山石神端書

栃木県那須塩原市板室・羽黒神社近くの不動明王

 板室の大日堂を一ノ木戸とした那須の白湯山信仰は、江戸時代初期に出羽三山を勧請したものとされています。それは那須の茶臼山を月山とし、お湯の湧き出る御宝前を湯殿山としたもので、山中に志津という場所もあるので、山形の大井沢から志津、湯殿山、月山を移し祀ったものと見ています。では板室の羽黒山はどこに祀ったのか。これはわかりませんでした。


 ところで今回、板室から百村へ向かう阿久戸集落の道端に「羽黒山神社」という神社を見つけました。これで那須山麓に出羽三山が揃うのですが、この羽黒山神社の情報はまったくありませんので、白湯山や出羽三山信仰に関係ある神社なのかはわかりません。


 神社の先に石祠に納められた不動明王があります。おかしな祀り方ですが石祠には「不動尊氏子連名/大正五年」とあります。不動と石祠の石質が異なるので、露座の不動を石祠内に納めたという印象です。それにしても路傍に不動明王があるのもおかしな祀り方です。
 白湯山信仰の道を利用して開かれたと思われる会津中街道の板室宿は、現在地より南の元屋敷から移住させて造った集落(注)で、その場所はここに取り上げた羽黒神社や不動明があるこの阿久戸あたりと想定しています。
(注)『栃木の街道』1978年、栃木県文化協会
(地図は国土地理院ホームページより)



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