里山の石神端書104 下仁田町西牧野・半弓の道祖神
半弓は山の上の集落で、数軒の家屋がありますが人の気配はありませんでした。
集落の一段高い場所に建つ御堂の周りに佇む多くの石造物、特に石祠型墓石などはこの集落が江戸時代の初めから人々の篤い信仰があったことを物語っています。六地蔵石幢の造立は元禄11年(1698)。どの地方でも石幢は古い時代の造立です。
石幢だけではなく、六地蔵もあります。
道祖神もあります。ハッキリしませんが向かって右の男神が盃、左の女神が酒器を持つように見えます。下仁田町の道祖神は双体が主流で、江戸時代の元禄(1688~)以降の双体道祖神が確認(注)されています。
山村の里山を歩いていつも思うのです。たまたま通りがかった者が人に出会わなかっただけであれこれ言う資格はありませんが、かつては過疎の村で今は限界集落、そして消滅集落が増えているのは事実です。
(注)『下仁田の石造文化』1976年、下仁田町教育委員会
(地図は国土地理院ホームページより)