悪性のこどもはすでに手術で回復?
甲状腺がんが手術すれば終わりですか?
事実を報道して欲しい。
健康被害に対する過小評価の刷り込みだ!
甲状腺の摘出後の後遺症と甲状腺ホルモン剤の服用
甲状腺の役割や働き・機能でも述べたように、甲状腺は人間の生命維持に欠かせない臓器ですが、甲状腺がんやバセドウ病など甲状腺の病気になった時に、甲状腺の摘出手術を受けることがあります。
チェルノブイリ原発事故により、原発周辺の住人に甲状腺がんの患者が増えました。東日本大震災の福島原発事故の際には、チェルノブイリ事故により甲状腺がんになり、甲状腺の摘出手術を受けた子どもたちの痛々しい姿が映し出されました。
実際に日本でも10年後、20年後に甲状腺がん患者が増える可能性があると言われていますが、甲状腺を摘出するとどうなるのでしょうか。
甲状腺の摘出方法
1. 甲状腺葉切除・・・甲状腺の片方の葉を切除する
2. 甲状腺亜全摘術・・・甲状腺の3分の2を切除する
3. 甲状腺準全摘術・・・甲状腺組織をわずかに残す
4. 甲状腺全摘術・・・甲状腺を全て摘出する
甲状腺がんで甲状腺を摘出する場合には、がんの種類や大きさ、進行度などによってこの4つの方法のうちいずれかが選択されます。
バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰分泌されてしまう病気で、ホルモン分泌を抑えるために甲状腺の摘出手術が行われる場合があります。バセドウ病の治療の場合には、甲状腺亜全摘術が行われることが多いようです。
甲状腺摘出による後遺症
甲状腺は代謝に大きく関わってくる部分ですので、甲状腺を切除し甲状腺ホルモンの分泌量が減ることで、以下の症状が出ることがあります。
肥満になる
爪や髪などの成長が遅れる
汗をかきにくくなる
便秘になりやすくなる
声がでにくい、声がれ
甲状腺の片葉切除であれば、甲状腺ホルモンは今までと同じように分泌されますが、全摘や準全摘の場合には、後遺症が発生する可能性が高くなります。
甲状腺全摘後の甲状腺ホルモン剤
甲状腺を全摘した場合には、甲状腺ホルモン剤を服用する必要があります。
甲状腺は片葉の3分の1ほどが残っていれば、ホルモンの分泌がほぼ正常に行われますが、全摘してしまった場合には、全くホルモンが分泌されなくなるため、甲状腺ホルモン剤を生涯服用し続けなければなりません。
また、遺伝性のがんである甲状腺髄様がんは、RET遺伝子に変異があり、遺伝性があると診断された場合は、将来的にをほぼ100パーセント髄様がんを発症するため、甲状腺を全摘するのが一般的で、この場合も生涯ホルモン剤が欠かせなくなります。