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やはり来る時が来たようだ。以前から気になっていたのが、何事もなかったのでそのままの状態で過ごしてきたが、今日でお終いになってしまった。
それは、今日の午前中にあったことだ。いつものように朝食をとって、新聞を読んでいると突然チャイムの音が鳴った。朝が早かったので何事かと思い、急いで玄関の扉を開けてみると隣りの奥さんが立っておられた。チョット驚いたが、軽く挨拶を交わして何事かと尋ねると、回覧板を持って来たということだった。
私は、いつもならポストに入れて置くのに珍しいな~と思いながら、そのまま回覧板を受け取って、部屋に戻ろうとすると、隣の奥さんは私に回覧板を渡した後もその場に立ち止まったまま急に「お宅、スズメにエサやりをしてますね。うちの屋根にフンをして困っているし、鳴き声も気になるのでやめてくれませんか」と言ってきたのである。
その話を聞いた瞬間、私はいよいよ来ると時が来たなと思い、直ぐに「わかりました、ご迷惑をかけて申し訳ございません」と頭をさげて奥さんに帰ってもらった。
昨今、ペット問題で近隣の住民間でトラブルが起きているのも充分承知していたし、実際私もずっと気にしながら餌やりをしていたので、いつかこんな日が来るんじゃないかと覚悟もしていたので、素直に奥さんの申し入れを受けいれたのである。
しかし、ようやくスズメの学校にスズメたちが戻って来て我が家の庭が賑わっていたし、他にもメジロやヒヨドリ、ツグミにジョウビタキ、そしてつい最近はムクドリまでやって来るようになり、それらの野鳥たちの姿を見るのが私の毎日の楽しみだっただけに、いざスズメの学校(餌場)を撤去するとなると、本当に残念でならなかった。
隣の奥さんの申し入れに従い、複雑な思いをしながら餌場を撤去したが、後で隣の家の屋根を見上げると、無くなった餌場をじっと覗き込んでいるスズメたちの姿が妙に淋しく見えてしかたなかった。
▼もうこんな姿を見れなくなった。