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進化する設計環境

2011-03-26 07:32:06 | 3D-CAD
CADの現場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
現在の、設計では製図板・ドラフター、コンパスなどの製図道具はまず見かけることは、まれです。モニターから液晶に変わりスペースも以前に比べると事務机でたりるようになりました。
しかし、道具が無くなったと言え、【JIS製図法】各種の規定に何ら変わりはありません。製図の基本的な要素には変化が無いのです。

最近では、2D(二次元) から3D(3次元)へと進化が加速していますが、果たしてと思えることも多い感じています。万能ツールのような錯覚をしているような傾向にあります。

私もそういう中で多くの3次元CADに携わってきました。Pro/E・I-DEAS・Solidworks・CATIA・inventor10 などの経験から言えば、3次元でやる必要性があるのか? と疑問が残ることも多くあります。 逆に言えば、ポンチ絵でいいじゃん。 と言う場面も多くあります。

【チーム設計】
 サーバーを利用したチーム設計環境が普通となり、細分化設計のみの設計者と言うよりは、オペレーターに近い若い設計者が占めています。物作りの環境としては、確かに干渉・隙間管理・ポカミスの点からは、3D-CAD は、優れています。実際に大手を離れて、中小企業の現場でも、CAD は一般化されていますが、効率化から見た CAD のシステム運用は、されていないのが事実です。CAD=DATA なので、流用性・共通化・重量・コストとシステム化して、流用してこそのCAD なのだと思っている一人です。実際には、2次元CAD でも充分事足りる。が私の結論なのです。

 ある企業では、上司は設計が出来ない人まで存在し、ビュワーで随時見られている中で設計する派遣の立場があったりします。 設計の途中での変更は、当たり前のように要求されて、そのための無駄な時間も存在しているのです。それは、コストであり無駄を生んでいることも事実なのです。

【図面は、言葉】
 図面とは、自分の作りたい物を、実際に作る人に伝達する【言葉】だと思っています。 言葉ですので、標準語でないと、日本全国に伝わりません。そこで、色々な規制があり 標準語= JIS や各会社の規格が存在しているのだと思うのです。ロス・誤解・精度・仕上げに至るまで細かく注記を記入して、全国何処でも同じ物が出来るような、図面である必要性があると思います。 いちいち、ここはどうするのですか? では、効率が悪いから…
日本の物作りの原点、それはここまで完成された製図法(言葉)なのだと思います。
ある程度の共通性があれば、言葉は通じます。身振り・手振りを付け加えた表現では無く、きちんとした言葉遣いは、品格としても信頼を受けると思います。

【簡易言語 = ポンチ絵】
打ち合せの際にポンチ絵が描けない設計者が増えています。手書きを経験していない設計者の文字は、実に汚い。 それでも設計者? 最初から書くことをしていないので、製図文字が書けないのが、要因のようです。意志の伝達をしたいわけですから、手書き(ポンチ絵・アイソメ)でポイントを書いて説明し、了解を得て次に進む。これが出来ないとお互いの時間のロスを生み当然永い打ち合せ時間が必要となることになります。

【 2D VS 3D 】
どちらが勝ち? そう聞かれたら、そりゃ 3次元をとります。ミットレンジの Solidworks は、とても魅力的です。ただし、製図機能に関して言えば『かったるい!』と思えています。 CADPAC を使った製図からすれば、何とも情けないスピードで、亀さんクラスと言えるのです。製図しながら、モデリング・Assy と作成出来るので、こうした効率を考えると、やっぱり3D を経験すると、逆に3面図を書かないといけない手間は、面倒に感じたりもします。 最初から図面を構成している、2D にはロスが無いのも事実です。

【2Dは、不要?】
それは、 NO です。 公差を加味した表現では、3次元の形状データへ入れることは出来ますが、同じ程度のCAD操作環境が必要になります。現場へその環境を持ち込むことは出来ません。 そもそも、それでは意味が無いと思います。 そこで、検査図が必要になります。肝心な公差・注記・に従った製品の確認検査は、無くなりません。工程から考慮すると
1.見積図
2.製作図
3.検査図
これらは、無くなることは無いと思っています。

3次元CADの導入は、多くの問題も生みます。これまで述べたように、システム化を考慮しての導入出ないと意味がありません。 極論は、無駄を作るシステムでは、意味が無いからです。また、操作が出来るまでにも多くの時間が失われます。 設計者と呼べる人が少ないのも、TOOL 操作にかかる労力が大きいため、派遣社員に操作をさせ、設計者は後ろに立って指示すると言う設計現場が急増した為だと思っています。

【 会社の経営者に問う 】
一旦走った列車は、そう簡単に止まらない。 このように、派遣社員を導入した設計環境は、今は当然となり、任せる割合が増えることによって自社開発能力は低下し続けます。 やらせればいい。 自分は、楽しい週末。派遣社員は、休日出勤。現場を見ない上司。 机上の空論・打ち合せ・増える会議・調整 どれをとってもマイナス要素を生み出す根本となっていると思います。 現場を確認! これは、重要なことだと思っています。

【 良い設計とは】、
シンプルいずベスト 要素への必要な細部への設計意図の細かく取り込まれた設計で、尚且つ、コストパフォーマンス優れている。 無駄が無く、格好いいバランスであり、尚且つ安全性に優れている。 標準の工具で組立・分解・補修・交換が容易であること。
派遣社員には、責任が無い。設計後のトラブルにつながる可能性は、分担した設計の構造が生み出したマイナス資産。これは、増加することはあっても、減ることは無い。いいやでは無い、物作りのためにも、CAD設計環境をもう一度見直す必要性は、何処にでもあると思っている。