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群馬桐生の鳴神山 4K
群馬県桐生市にある鳴神山は、群馬県の自然環境保護地域に指定されている自然豊かな低山。駒形登山口から沢沿いを登っていく山頂からの360度の大展望も圧巻!さらに世界でここ周辺だけに生息する「カッコソウ」、さらに「ハコネサンショウウオ」などの動植物も多種にわたり大自然とともに共存しています。沢と緑と草花と大展望の鳴神山へあなたも出かけてみてはいかがでしょうか。記事内では動画でも紹介しています。
鳴神山へはおりひめバスで吹上停留所まで
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群馬県桐生市にある「鳴神山(なるかみやま・980m)」は、ミズナラ、クヌギ、クリなどの天然林が豊富で、自然豊かな植生も魅力的な低山。山頂からの360度の大展望も魅力です。
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鳴神山への起点となる駒形登山口、大滝(鳴神山登山口)までは、JR両毛線桐生駅より小型の市民バス「おりひめバス」に乗ります。おりひめバスは各方面にバス系統があり、桐生市内をくまなく運行する市民の足。登山で利用する場合は地元の方に迷惑をかけないようにしましょう。
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今回紹介するのは、駒形登山口からのルート。おりひめバスの川内線で吹上停留所まで行けば駒形登山口までいくらも距離はありません。下車したらバスで来た進行方向に舗装路を上っていきます。
ここからなら鳴神山山腹まで沢沿いを登っていくルートなので、夏場でもすがすがしい気分にひたれます。吹上停留所にはトイレがあるのでここで用を足しておきましょう。この後トイレはありません。今回のルートは駒形登山口に到着したら直進します。
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駒形登山口を入るとすぐに沢のせせらぎが耳に入ってきます。ルートが大変良く整備されているので迷うことはありませんが、幾度か渡渉※して向こう岸にわたることがあります。
※橋を使わずに小川を渡ること
渓谷の間を登っていくダイナミックさ
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しばらく沢沿いに登山道を上っていくとだんだん道幅が狭くなり、渓谷に挟まれるダイナミックな形で標高を上げていきます。
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第一石門にたどり着くと石の間をすり抜けていくような登りになってきます。ここはさほど険しくはないので、足元に注意して山頂を目指しましょう。設置されている補助ロープを利用するのもいい手です。
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途中大きな洞穴のようにえぐれた石が出てきます。こういった大きな石が点在するのも鳴神山の特徴です。
世界にここだけの花!絶滅危惧されているカッコソウ
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世界で鳴神山にしか自生しない「カッコソウ」はサクラソウ科の一種。例年4月~5月ごろに開花します。近年の環境変化や乱獲により平成24年5月に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(通称:種の保存法)」の国内希少野生動植物種に指定されました。
四国によく似たシコクカッコソウがありますが、これと鳴神山のカッコソウとは異なるものです。カッコソウを保護する様々な方が境界を引いていますので、くれぐれも中に入らないようにしましょう。またもちろん持ち帰ることなどは厳禁です。
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鳴神山はカッコソウ以外にも、可憐な花をつけるアカヤシオなども山の中をピンクの色で飾ってくれます。ツツジの仲間で花弁が小さいのが特徴で、カッコソウと同じような時期に開花します。
ここではほかにも、ミズナラ、クヌギ、クリなどの広葉樹、ナルカミスミレ、ニリンソウ、ハコネサンショウウオなどの動植物も生息する地域で群馬県の自然環境保全地域にも指定されています。さらにレンゲショウマも生育中なので今後も楽しみです。
雷神御嶽神社で参拝し山頂の大展望を楽しむ
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樹林帯を抜け尾根に出ると雷神御嶽神社(なるかみみたけじんじゃ)の鳥居が出てきます。この付近には「鳴神山を愛する会」による避難小屋が設けられていて、急な天候の悪化や安全確保のために利用することもできます。内部にはカッコソウの写真も掲げられているので、花の時期が合わない方はぜひ立ち寄ってみましょう。
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鳴神山山頂からは360度の大パノラマが眺められます。近隣の根本山、荒神山をはじめ、遠くに富士山も確認できます。
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山頂から少しの下りと上りを繰り返す、最盛期にはアカヤシオが美しいルートを行くと展望台に出ます。
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展望台からの景色も素晴らしく、山頂が混んでいるときはこちらで遠望を堪能するのがいいでしょう。
帰りは元の道を駒形登山口まで戻るのもいいですし、山頂から大滝(鳴神山登山口)まで行き、県道・沢入・桐生線に出て高沢口まで歩けば、「梅田南小学校前」停留所からおりひめバスの梅田線でJR桐生駅まで戻れます。
鳴神山の基本情報
住所:群馬県桐生市織姫町1番1号(桐生観光協会)
電話番号:0277-40-1283
アクセス:JR両毛仙桐生駅よりおりひめバス川内線で吹上停留所
2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。