Caroの住人たち~Caroどうぶつ病院のスタッフブログ~

Caroどうぶつ病院の看板犬・猫などのスタッフ紹介や院長のひとり言、院内の様子や新情報、病気のお話などを紹介します。

シェルターメディシン

2012年01月17日 15時29分16秒 | その他のお話
昨年末、獣医師会の夜の勉強会で、日本人でシェルターメディシン(動物保護施設の動物医療)の第一人者の田中亜紀先生にご講演をいただきました。

先生は現在アメリカのカリフォルニア大学で研究をされており、昨年の震災を機に、震災に見舞われた東北地方の保護施設へ何度も足を運ばれ、そのようなシェルターでの管理や医療について指導をされております。

日本ではまだまだ、先生の研究されているような保護施設の医療については後進国で、そのような医療のガイドラインは各自治体でもまだまだ確立されていないのが現状です。

今回の講演で、アメリカのいくつかの州での非常に進んだシェルターへの考え方や地域自治体の取り組み方、ボランティアの存在など…日本よりも緊急な災害が起こった時のシュミレーションや保護センターでの譲渡が積極的に行われている事がわかり、日本もこの震災を機に獣医師、飼い主だけでなく各自治体やボランティアの方々などみんなが協力して今後も起こりうる災害に対して、準備をしていかなければならない…という事を感じました。

また、日本では「シェルター」というと、保護された動物(野生動物は除きます)、やむを得ず飼えなくなった動物が行く場所…という認識がほとんどかと思います。
幸い、ここ戸塚周辺に住んでいらっしゃる方々はそのようなシェルター(ボランティアセンター等も)で保護されている動物さんを引き取って飼われる方が比較的多いように感じますし、そのような方々のお陰でシェルターに居た動物たちは幸せな生活を送っております。
これは非常に良いことだと思います。

日本では、ペットを迎えに行く場所はほとんどの場合は「ペットショップ」かと思います。
欧米などでは、ペットショップがなく、ほとんどがシェルターで新しいペットを見つけることが多いそうです。
今現在でも、保健所でやむを得ず命を落としてしまっている動物たちのことを考えると、たくさんの種類のペットの中から1種類を選ぶという楽しみもペットを飼う楽しみでもありますが、飼われる環境が許されるのであれば、そんな施設から新しい家族を迎え入れてあげても良いのではないかと思いますし、日本もそのような方向に少しずつ向いてくれるといいな~とも個人的には思います。

商業的な利潤を求める立場だけでの過剰なブリーディングはけっして良くはありませんし、ペットの種類を流行り…という気持ちだけで人にあげたり飼ったりしないようにしていただきたいですね。

先日、環境省から「ペットの災害対策」のようなものが出されていることを知りました。
良ければ、みなさんも見てみてください。

また、当院でも予約でのみ、マイクロチップを入れる処置を行っております。
読み取る機械を手配する必要があるため、マイクロチップを考えている方は、事前に連絡をお願いいたします。


最新の画像もっと見る