Caroの住人たち~Caroどうぶつ病院のスタッフブログ~

Caroどうぶつ病院の看板犬・猫などのスタッフ紹介や院長のひとり言、院内の様子や新情報、病気のお話などを紹介します。

マダニの予防について

2013年03月30日 16時38分49秒 | 病気のお話
昨今、マダニが媒介する病気の件で人の方でだいぶ問題になっていますね。

今のところは、犬、猫などでマダニを媒介したウイルスによって、人のような重症熱性血小板減少症になったの報告はないそうです。
ただし、原因のわからない「特発性」と言われているような血小板減少症は、犬や猫などでもよくみられます。

人でも、中国で集団発生してようやくその原因が解明されたような新しい病気(ウイルス)なので、犬や猫などの動物でもかなり特殊なウイルスの検査を行わないと、その原因は解明されないと思います。
そういう意味では、特定されていないけど、存在している可能性は十分にあると思います。

今までも、関西地方などでは、バベシアという非常に小さな虫がダニの吸血によって、犬の体に入って貧血を起こす事は、良く知られています。
今のところ、関東地方では、気候的にまだまだそのような病気で貧血になったという報告はあまりありません。
そのため、今までは、関東以北の飼い主さんや場合によっては獣医さんでもダニで命にかかわる病気にかかってしまう…という認識が薄かったかもしれませんね。


あまり、過敏になりすぎるのも良くはないと思いますが、まだまだ、未知の病気、病原体はたくさんあるとという事は認識して頂いた方が良いと思います。


ひとまず、今できる事は、飼っている動物達がそのような病原体に接触する機会を極力減らして、人にそのような病原体が入らないようにする!という事だと思います。


そのような機会を減らすには…
草むらに入らないようにする。
散歩から帰ってきたらブラシをかけてノミやダニを落とす。
予防薬や駆除薬を投与する。
という事になりますね。

さて、ノミやダニの駆除剤、予防薬には色々な種類のものがあります。

病院で売られているお薬、ホームセンターなどで売られているお薬等…さまざまなものがありますが、病院でお出しできる薬に関しては、安全性が非常に高い物がほとんどです。一部、犬だけに使用できるもの(猫はダメ)なものはありますが、病院では安心してお使いできるものになります。中には売りだすときに、10本単位で飲ませても大丈夫でした…という安全試験をして売り出したメーカーさんもあったような気がします。ちょっとやりすぎ!?

ホームセンターで手に入るものに関しては、色々な成分のものがありますが、成分をみると、中毒を起こしやすい成分の物を使用していることがありますので、その点は飼い主さんの責任のもと十分に注意(舐めないような場所に投与!舐めさせない!!!)して使用して下さい。

当院では今のところ、4種類の予防薬を常時置いております。

1、フロントライン・プラス:スポット剤。ノミとダニの親虫の駆除薬(フィプロニル)とノミの卵や幼虫の発育を防止する薬が入っています。先発薬でその安全性は非常に高いです。

2、マイフリーガード:スポット剤。先発薬である、フロントラインのジェネリック薬品です(値段が安くリーズナブル)。成分はフィプロニルが入っているため、ダニに対する作用はフロントライン・プラスと同じですが、ノミの発育防止剤は入っていません。

3、フォートレオン:スポット剤。ネコには使用はできません。ノミ、ダニの駆除剤ですが、同時に虫を寄せ付けない作用(忌避効果)があります。毛先まで浸透する薬なので、シャンプーをこまめにする場合(効果が落ちる)や一緒に寝る場合、赤ちゃんなどがいるお宅ではあまりお勧めできません。ただし、虫そのものが寄ってこなくなるので、蚊が虫が寄りにくく、他の薬のように一度ダニなどが皮膚を刺さなくても効果がある為、ダニに噛まれる可能性が下がります。キャンプなどに行く前に使う或いは外飼いのワンちゃんには良いと思います。

4、コンフォティス:内服薬です。ノミ、ダニの駆除薬です。ノミ薬なので、シャンプーをこまめにする飼い主さんには良いと思います。
一昨年頃から出た比較的新しいお薬です。製薬会社は世界的に有名な会社なので製品としては信頼性があります。投与後の効きが早いという利点もあります。

また、その他の薬についても飼い主さんのご希望があれば、まとめての購入であればご用意することができますので、お希望があればご相談ください。

どの薬が一番良い…ということはありません。
飼い主さんと動物との生活スタイルに合わせて、最適なお薬を選んで頂けると良いと思います。
マイフリーガードに関しては、3~5月に5本以上お買い求め頂いた方にはもう一本おまけをつけております。この機会に良ければご利用ください。