Caroの住人たち~Caroどうぶつ病院のスタッフブログ~

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夏と言えば…

2013年07月30日 16時28分15秒 | 病気のお話
ムシムシの夏が始まりましたね。

夏に多い病気と言えば、皮膚病、熱中症、外耳炎…等でしょうか。


皮膚病といえば…先日、皮膚病のセミナーでお聞きした内容の一部をご紹介します。

動物たちも人間と同じように、汗をかきます。

でも犬や猫では、その汗が出る部分(汗腺)は、人の全身に存在するエックリン腺ではなく、人の脇などに存在するアポクリン腺で、べたつきのある汗を毛穴からじわじわと出しています。

犬は汗をかかない…とよく言われますが、じつはそうではなく、べたべたの汗を毛穴から少しずつ出しているのです。
そしてそのような汗は、高温である夏季や豊富な下毛(注意:フワフワした毛の下の方に生えている毛の事です)をもつ動物や、皮膚炎を起こしているアトピーなどの動物で良く出るそうです。

犬の表皮の平均的なPH(7.4)は、人の表皮のPH(4.8)と比べてかなり高いので、より、細菌が増殖し易い環境にあるそうです。ちなみに猫は犬より酸性なので、細菌による皮膚炎はほとんどありません。
アポクリン腺からの汗は、表皮のPHをてしまうので、細菌の増殖もしやすくなるのだと考えられます。

前回の皮膚科学会の講義で、人のアトピーの先生もおっしゃっていましたが、赤ちゃんや子供のアトピーでの治療では、とにかく汗を良く拭いてあげる事だ…とおっしゃっていました。
犬の皮膚病の管理方法としても、同様な事が言えるんでしょうね。


夏になると、特に皮膚病が悪化してしまうワンちゃんは、とにかく下毛を減らす事が大事だそうです。
つまり、サマーカットや下毛抜きをすることで、皮膚の空気の流れが出て、細菌やカビの増殖を防ぐことができるのです。

また、シャンプーもある程度まめに(1週間に1~2回)、その子に合った適切なシャンプーをするだけでも、薬を使わずに皮膚病をコントロールできる子も多いそうです。
シャンプーの仕方としても、やはり少し漬け置きする時間(10分位)があった方がよりベターなようです。

さっそく試してみて下さいネ。まーとは言っても、大変ですよね~…。シャンプーしている人の方が汗だくですよね。


あと、日焼けの話があったので、少し追記します。
犬も猫も、人同様に日焼けをします。
ただ、体のほとんどを毛で覆われているので、それほど気にする必要はありませんが~
毛の生えていない部分、特に鼻先や耳先などは要注意です。

危険のある要因を上げますと…
   白色系 > 黒色系
   短毛種 > 長毛種
マズルが長い > マズルが短い
   立ち耳 > 垂れ耳

白色の立ち耳の猫ちゃんは、耳に皮膚ガンができやすいのもおそらくその理由でしょう…

なので、夏に一緒に海に行ったりする場合は、SPFが20~30の弱めの日焼け止めを鼻先や耳、毛の薄いところに塗ってあげて下さいネ。
SPFがあまり高いと犬の皮膚は薄いので刺激が強いかもしれませんので、低めが良いそうですよ~。


では、良い夏休みを~…。
とはいっても、学生以外は夏休みなどほとんどないですよね。
当然、Caroどうぶつ病院も今のところ、一日もありません。

ではでは