ねこのひたい

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大人の発達障害と仕事をする

2012年02月10日 | 子どもの観察

バイトしている旅館にどう考えても

「大人のアスペルガー」と思う人がいます。

就活は惨敗。

大学卒業後、引きこもり同然のところを

「来るもの拒まず」の社長が採用し、1年が経ちます。

 

以前働いていた特別支援の先生に彼のことを話すと

「それは間違いなく、網の目にかからなかったアスペルガーよ」

と太鼓判?を押してくれました。

 

彼のことを詳しく書くといくら書いても書ききれません。

とにかく基本的なコミュニケーションに少し難があります。

例えば、怒られて押し黙る。

そこはさ、心に思ってなくても「すみません」って謝ると

事態はさらっと流れるよ・・・

そうアドバイスしてあげたことも。

 

他にも、怒られてると突然白目になる。

なんでか聞いたところ

「気持ちを落ち着かせるために」

とのことでしたが。

白目はまずいよ。

場合によっては相手は激怒すると思うよ・・・

そこからかい、と言うアドバイスも必要だったりします。

 

最初はみんな彼に仕事を覚えて欲しくて、

いろいろアドバイスをしていました。

それが全然実を結ばない、もしくは次から次へ不思議な問題を起こすので、

アドバイスは説教になり、やがてパワハラまがいのことになっていきました。

 

あまりのことに部署代えもありました。

でも次の部署では最初のとこより更にひどい目にあって

今3ヶ所目にいます。

ここは他の2つよりは居心地がいいみたいです。

でもね、仕事が調理補助なの。

調理師になるわけでもないのに、調理場。

彼の前は60代の人がやってた仕事を大学出た彼がやってる訳です。

 

いや、大卒が偉いとかそういうことがいいたいわけじゃなくって・・・

なんで自分に合った仕事をもっと早い時期に探さなかったのかと。

特別支援の先生に言わせると、それこそが療育の網にひっかからなかった

目立たないタイプのアスペルガーの人の悲劇なんだそう。

療育を受ける機会があれば、少なくとも自分のもっとも不得意な分野の

接客業を選択しなかったんじゃないかな・・・だそうです。

 

そして彼を通して、世の中の人は発達障害なんて言葉を

知らない人のほうが多いってことを知りました。

大抵の人は「親の育て方」が原因で、

彼のようなタイプが作り出されるんだと思っているようです。

 

一応理解できそうな人には説明したり

指示は短く簡潔に出すほうがいいですよなんてアドバイスしてるんだけど

「chabonosukeさんが甘やかすからつけあがるんですよ」

みたいな方向へ行くことも。

「理解者を増やす」なんて理想論であるかもしれないです。

 

しかし、数少ない理解者が登場しました。

彼を採用した社長です。

この社長、今までパワハラで何人も気に入らない人を辞めさせてきました。

なのに、なぜか彼にだけは親切です。

「一生奴隷にする」

なんていったその口で

「だって、ここ辞めたらまた引きこもりだよ。

社会貢献のつもりで雇ってる」

と言ったりしてます。

本当に不思議です。

 

でも、経理の人はそれが彼にとっての幸せかどうかわかないと言います。

若いんだから、自分の特性にあった仕事を探したら?

一生調理補助で過ごせるわけじゃないし・・・とも。

そしてまたここで特別支援の先生の言葉を思い出します。

 

ちなみにこの話を特別支援の先生にしたのがきっかけで

私は教育員会の主催する会議に出席しました。

療育を受けずに社会に出てしまった人が

置かれている現実を話して欲しいと・・・

単に出席者不足だったんだと思うんですけどね。

 

なんでこの話を長々書いたかと言うと、

彼の存在が私とむしむしの関係に暗い影を落としてるからなんです。

それはとっても長くなるので、また別の機会に。


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