今月の歌舞伎座は玉様&海老様を中心としたメンバーで、去年に引き続き、昼夜で泉鏡花作品を上演しています。
日曜日は海老様ファンのお友達と夜の部を観劇。
夜の部は夏祭浪花鑑と、天主物語の2つ。
幕間40分ありますが、それ以外が一切休憩なし、どちらも2時間ずつの濃い内容のお芝居だったので、集中して観たら終わった後どっと疲れが。
間に踊りとかがあればより良かったんですけどね~。
歌舞伎座さよなら公演
七月大歌舞伎
平成21年7月3日(金)~27日(月)
夜の部
一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序幕 住吉鳥居前の場より
大詰 長町裏の場まで
団七九郎兵衛 海老蔵
お辰 勘太郎
釣舟三婦 猿 弥
玉島磯之丞 笑 也
お梶 笑三郎
琴浦 春 猿
下剃三吉 巳之助
三河屋義平次 市 蔵
おつぎ 右之助
一寸徳兵衛 獅 童
二、天守物語(てんしゅものがたり)
天守夫人富姫 玉三郎
姫川図書之助 海老蔵
亀姫 勘太郎
薄 吉 弥
小田原修理 猿 弥
舌長姥 門之助
朱の盤坊 獅 童
近江之丞桃六 我 當

夏祭浪花鑑は、大阪が舞台となる、任侠物と呼ばれる通し狂言で、通しだと9段ですが、今回は3、6、7段目を上演。
人気作で何度も上演されているようですが、私は観るのは初めてです。
今月はベテラン役者が巡業などで歌舞伎座にいないため、海老蔵、勘太郎、獅童、猿之助一門などが奮闘しています。
そのせいか、さよなら公演っぽい豪華さ、重厚さというのはありませんでしたが、若々しくて勢いのある芝居で、私としてはなかなか良かったのではないかなと思います。
夏祭り浪花鑑は、夏祭りの風情と、友情、義理人情などを描き、さらには女殺油地獄に匹敵するほどの、凄惨な殺し場、と見所沢山で、最初から最後まで目が離せないハラハラドキドキの物語。
特に大詰めの殺し場、通称「泥場」は恐ろしいシーンなのですが、殺しの裏ではだんじり祭りのゆるやかな音楽が流れ、ぼんぼりの灯りと、海老蔵演じる団七の鮮やかな刺青と真っ赤な下帯の色彩がバッと目に飛び込んできて、殺人のシーンだというのを忘れてしまうほど美しいのです。
さらに本泥や、本水を使うなど、夏の季節感を感じさせる演出に、海老蔵の見事に決まる見得の数々。
見得は13もあるそうなのですが、一つ一つがビシっと決まってどれも美しく、海老様のビジュアルも抜群で、いい感じに引き締まった体と、ギラギラした大きな目に吸い込まれそうになってしまい、文句なしにかっこよいです。
ほんと、以前まで海老様実は苦手だったのに、海老様がどんどん好きになるな~。
獅童は、鳥居前での海老様の立ち回りもダイナミックでなかなかよかったし、勘太郎君は三婦内の啖呵を切るところは気風がよくてかっこよかったし(お父さんに声がよーく似てました)、頑張っていたと思います。
ただ、舞台は大阪なので、役者も関西弁なのですが、やっぱり慣れないのか台詞がイマイチなのが残念でした。ま、しょうがないってことで。
天守物語は、明治から昭和初期にかけて活躍した小説家で、「高野聖」や「婦系図」「夜叉が池」など、多くの人気作を生んだ泉鏡花の作品。
泉鏡花って日本史の試験で名前だけは知ってたけど、読んだことはことはないので、どんな話なのか一切知らずに観たため、独特な世界観に初めびっくりしてしまいました。
舞台は白鷺城の天守閣の設定で、セットは座敷に獅子頭を置いただけでとてもシンプルです。しかし、舞台後方にスクリーンを使い空や雲を映し出したりしていてとても幻想的な雰囲気。
美しい腰元達ののどかな会話のあと、玉様が登場。会話がなんか、非現実的だぞ!?おかしいな?って思っていて、さらに亀姫役の勘太郎君が玉様に会いに来て、そのみやげが人の首!!!
しかも門之助演じる舌長姥が長い舌で首を舐め出したからもうびっくり。しかも玉様も勘太郎君も平然としてるよ~!
ってところでこの人達人間じゃないんだっていうのにようやく気がついたマヌケな私です。
あらすじは、獅子頭の魔力で生かされている女と、人間界の美しい侍の恋物語で、生きている世界が違う2人の運命の出会いと、永遠の愛を誓うまでが描かれます。
ジャンル分けをしたらファンタジーなのかな?初めはとまどったけど、次第に玉様の創り出す美しくて妖しい世界にどっぷり惹きこまれてしまいました。
とにかく、玉様演じる天守夫人富姫が美しい!これに尽きます。
玉様の美しさって人間離れしたところがあるから、こういうお役がほんとぴったり。
綺麗で、優雅で、威厳があって・・・富姫は玉様意外考えられないかも。
衣装にもこだわりのある玉様だけに、着ている打ち掛けが素晴らしくて、まさしく目の保養になりました。
あれも玉様の自前なのかしら?
そして、若くて、精悍で、男らしい青年に海老様。
玉様に引けを取らない美しさです。
そして驚いたのが、若い侍の役だからか、声の出し方がいつもと違って、素直にまっすぐ出していて、非常に聴きとりやすいんです。
今まで海老様は声がこもっちゃって聴きとりづらいのが苦手だったけど、全然そんなことなくって綺麗な声。やるじゃん!って思っちゃった。
100年に一度の恋と、情熱的に図書之助にアタックする富姫と、富姫に惹かれつつ、人間界にも未練が残るものの、最後は富姫のために命を捨てる覚悟をする図書之助。
悲恋に満ちた2人が、手を取り合うシーンはほんとに綺麗で、そのまま切り取ってしまいたい位でした。
得に、私の座席から海老様の横顔がよく見えて、そのスッとした横顔の美しいことと言ったらもう・・・言葉になりません。
目が見えなくなった2人を救うのが我當さん。ちょこっとだけの出演でしたが、かなり美味しい役でした。
勘太郎君は、夏祭に引き続き女形、しかもかなり綺麗なお姫様役です。
正直勘太郎君はガッシリしてるから立役向きだと思うのだけど、仕草や足さばきなどがとても綺麗で可愛らしく見えて良かったです。
でもこの亀姫は以前菊ちゃんも演じていたらしく、どうせなら菊ちゃんで観てみたかったかも。
不思議な世界観に包まれ、ラストクラシックが流れたり、カーテンコールがあったりと、歌舞伎としては異例な感じなのですが、お芝居としてすごく完成さえていて素晴らしいと思いました。
好き嫌いはあるかもしれないけど、私はこういう感じの話は好きなので、泉鏡花の他の作品にも興味が湧きました。
とりあえず、来週末、昼の部の海神別荘でまた鏡花の作品で玉・海老コンビが観れるのがとっても楽しみです。
海老様と言えば、明日17日のぴったんこカンカン、忘れずに録画しなきゃだ!!!

日曜日は海老様ファンのお友達と夜の部を観劇。
夜の部は夏祭浪花鑑と、天主物語の2つ。
幕間40分ありますが、それ以外が一切休憩なし、どちらも2時間ずつの濃い内容のお芝居だったので、集中して観たら終わった後どっと疲れが。
間に踊りとかがあればより良かったんですけどね~。
歌舞伎座さよなら公演
七月大歌舞伎
平成21年7月3日(金)~27日(月)
夜の部
一、夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)
序幕 住吉鳥居前の場より
大詰 長町裏の場まで
団七九郎兵衛 海老蔵
お辰 勘太郎
釣舟三婦 猿 弥
玉島磯之丞 笑 也
お梶 笑三郎
琴浦 春 猿
下剃三吉 巳之助
三河屋義平次 市 蔵
おつぎ 右之助
一寸徳兵衛 獅 童
二、天守物語(てんしゅものがたり)
天守夫人富姫 玉三郎
姫川図書之助 海老蔵
亀姫 勘太郎
薄 吉 弥
小田原修理 猿 弥
舌長姥 門之助
朱の盤坊 獅 童
近江之丞桃六 我 當

夏祭浪花鑑は、大阪が舞台となる、任侠物と呼ばれる通し狂言で、通しだと9段ですが、今回は3、6、7段目を上演。
人気作で何度も上演されているようですが、私は観るのは初めてです。
今月はベテラン役者が巡業などで歌舞伎座にいないため、海老蔵、勘太郎、獅童、猿之助一門などが奮闘しています。
そのせいか、さよなら公演っぽい豪華さ、重厚さというのはありませんでしたが、若々しくて勢いのある芝居で、私としてはなかなか良かったのではないかなと思います。
夏祭り浪花鑑は、夏祭りの風情と、友情、義理人情などを描き、さらには女殺油地獄に匹敵するほどの、凄惨な殺し場、と見所沢山で、最初から最後まで目が離せないハラハラドキドキの物語。
特に大詰めの殺し場、通称「泥場」は恐ろしいシーンなのですが、殺しの裏ではだんじり祭りのゆるやかな音楽が流れ、ぼんぼりの灯りと、海老蔵演じる団七の鮮やかな刺青と真っ赤な下帯の色彩がバッと目に飛び込んできて、殺人のシーンだというのを忘れてしまうほど美しいのです。
さらに本泥や、本水を使うなど、夏の季節感を感じさせる演出に、海老蔵の見事に決まる見得の数々。
見得は13もあるそうなのですが、一つ一つがビシっと決まってどれも美しく、海老様のビジュアルも抜群で、いい感じに引き締まった体と、ギラギラした大きな目に吸い込まれそうになってしまい、文句なしにかっこよいです。
ほんと、以前まで海老様実は苦手だったのに、海老様がどんどん好きになるな~。
獅童は、鳥居前での海老様の立ち回りもダイナミックでなかなかよかったし、勘太郎君は三婦内の啖呵を切るところは気風がよくてかっこよかったし(お父さんに声がよーく似てました)、頑張っていたと思います。
ただ、舞台は大阪なので、役者も関西弁なのですが、やっぱり慣れないのか台詞がイマイチなのが残念でした。ま、しょうがないってことで。
天守物語は、明治から昭和初期にかけて活躍した小説家で、「高野聖」や「婦系図」「夜叉が池」など、多くの人気作を生んだ泉鏡花の作品。
泉鏡花って日本史の試験で名前だけは知ってたけど、読んだことはことはないので、どんな話なのか一切知らずに観たため、独特な世界観に初めびっくりしてしまいました。
舞台は白鷺城の天守閣の設定で、セットは座敷に獅子頭を置いただけでとてもシンプルです。しかし、舞台後方にスクリーンを使い空や雲を映し出したりしていてとても幻想的な雰囲気。
美しい腰元達ののどかな会話のあと、玉様が登場。会話がなんか、非現実的だぞ!?おかしいな?って思っていて、さらに亀姫役の勘太郎君が玉様に会いに来て、そのみやげが人の首!!!
しかも門之助演じる舌長姥が長い舌で首を舐め出したからもうびっくり。しかも玉様も勘太郎君も平然としてるよ~!
ってところでこの人達人間じゃないんだっていうのにようやく気がついたマヌケな私です。
あらすじは、獅子頭の魔力で生かされている女と、人間界の美しい侍の恋物語で、生きている世界が違う2人の運命の出会いと、永遠の愛を誓うまでが描かれます。
ジャンル分けをしたらファンタジーなのかな?初めはとまどったけど、次第に玉様の創り出す美しくて妖しい世界にどっぷり惹きこまれてしまいました。
とにかく、玉様演じる天守夫人富姫が美しい!これに尽きます。
玉様の美しさって人間離れしたところがあるから、こういうお役がほんとぴったり。
綺麗で、優雅で、威厳があって・・・富姫は玉様意外考えられないかも。
衣装にもこだわりのある玉様だけに、着ている打ち掛けが素晴らしくて、まさしく目の保養になりました。
あれも玉様の自前なのかしら?
そして、若くて、精悍で、男らしい青年に海老様。
玉様に引けを取らない美しさです。
そして驚いたのが、若い侍の役だからか、声の出し方がいつもと違って、素直にまっすぐ出していて、非常に聴きとりやすいんです。
今まで海老様は声がこもっちゃって聴きとりづらいのが苦手だったけど、全然そんなことなくって綺麗な声。やるじゃん!って思っちゃった。
100年に一度の恋と、情熱的に図書之助にアタックする富姫と、富姫に惹かれつつ、人間界にも未練が残るものの、最後は富姫のために命を捨てる覚悟をする図書之助。
悲恋に満ちた2人が、手を取り合うシーンはほんとに綺麗で、そのまま切り取ってしまいたい位でした。
得に、私の座席から海老様の横顔がよく見えて、そのスッとした横顔の美しいことと言ったらもう・・・言葉になりません。
目が見えなくなった2人を救うのが我當さん。ちょこっとだけの出演でしたが、かなり美味しい役でした。
勘太郎君は、夏祭に引き続き女形、しかもかなり綺麗なお姫様役です。
正直勘太郎君はガッシリしてるから立役向きだと思うのだけど、仕草や足さばきなどがとても綺麗で可愛らしく見えて良かったです。
でもこの亀姫は以前菊ちゃんも演じていたらしく、どうせなら菊ちゃんで観てみたかったかも。
不思議な世界観に包まれ、ラストクラシックが流れたり、カーテンコールがあったりと、歌舞伎としては異例な感じなのですが、お芝居としてすごく完成さえていて素晴らしいと思いました。
好き嫌いはあるかもしれないけど、私はこういう感じの話は好きなので、泉鏡花の他の作品にも興味が湧きました。
とりあえず、来週末、昼の部の海神別荘でまた鏡花の作品で玉・海老コンビが観れるのがとっても楽しみです。
海老様と言えば、明日17日のぴったんこカンカン、忘れずに録画しなきゃだ!!!
