ちゃりけん

自転車・旅・音楽

I can't live without a rose.

12月16日日記

2011-12-16 | 徒然

雪が舞っています。

寒い朝でした。

今朝も交通安全協会の仕事で指導をするため街頭に立ちました。足や手の先っちょがかじかんで感覚がなくなりました。子供たちと元気に「おはよう」の挨拶をするのが楽しみです。笑顔は元気の元ですね。みんなからたくさん元気をもらっているので毎朝がんばれます。

昨日の夕方、一人の女の子が店へ入ってきました。

「あのう・・・これ・・・」

ん?と思い彼女を見ると、小さな手袋をした手に、オレラ公安が使っている「横断中」の黄色い旗を持っていました。

にこっとかわいい笑顔で

「おじさんのじゃない?」

下校中に拾って届けてくれたのでした。思い当たるメンバーに電話したら、「あー俺のだ。なくして探してたんだ」とのこと。

小さな女の子は以前も落し物を届けてくれたことがありました。そのときは小学校に電話して持ち主の元へ届きました。大人でもなかなか気づかないことを彼女は教えてくれます。きっと大人になったらすばらしい女性になることだろうなあ。

 

小中学校の冬休みが一週間しか今年はないので年内は28日まで。新年は4日から緑のおじさんに変身です。

正直、消防団と公安、ふたつのボランティアを続けていくのは大変でかなりの時間を割かなければなりません。せっかくの休日も半分くらいはなくなってしまう月もあります。

でも、誰かがやらなきゃ!先ずは俺から!その意識だけでなんとかやってこれました。

もし、オイラが何の役にも立たないロクデナシなら誰も俺に頼みにこないもんな。頼まれることは信用されてる証拠。喜ぶべきこと。そう思えば誇り高くさえ感じます。

こんな事をやってるからこそ、小さな彼女の親切な心にも巡りあえるのですから。


時計の修理が立て込んでいて日中、店を開けている時間では接客に追われなかなか集中できません。

以前はこういう状況の時は夜、店を閉めてから作業を行っていました。

様々な原因で壊れた時計との知恵比べ。アイデアが浮かばず四苦八苦しても煮詰まったときはどうにも埒が明きません。夜の闇の中ではボンクラなオイラの頭では光が射さず前へ進めないことも多いのです。

ある朝、早く目が覚めて作業場へ行ってみました。するとどうでしょう!数時間前まで諦めるしかないと思っていた時計を直すことに成功したのです。ちょっとした着眼点の違い、気づいてみると「なあんだあ」と思うような簡単な方法で直すことができたのです。

それからは、ひとつのことで行き詰ったときは、ほかの作業や気分転換をして数時間してからまた考える、というやり方に変えました。

実は今、日記を書いているのもその気分転換のひとつです。傍らにはすぐに振り子が止まってしまう故障した掛け時計があります。小刻みに震えるだけですぐに止まってしまう症状で振り竿を調整したり、振りベラの素材を変えてみてもうまく行かず・・・。

ふーむ。どしたらよがんべなあ、と思いつつ・・・。


今の時期だけの仕事として喪中や年賀の印刷をしています。

以前は印刷屋さんの取次ぎで承っていたのですが、お客様からオリジナルのものを作りたい、宛名書きもお願いしたい、などの要望が多く、ここ数年は自分でパソコンとプリンターでやるようになりました。

普段来店してくださる常連さんへのサービスのようなものです。今年は「あけましておめでとう」という内容のものよりも「今年は良い年になりますように」的なもののほうが多いのが特徴的です。

今朝、60代後半くらいの男性が店にやってきました。雪が舞ってるというのにツッカケ(サンダル)履きで傘も差さずに頭は白い雪をかぶって。

「印刷お願いできますか?」

「はい。年賀状ですか?」

「いえ・・・」

「あっ喪中ですか?」

「いや、そうじゃなくて・・・入院してたんだけど、一昨日退院したからその挨拶状を出したいんだけど」

少し話を伺うと、男性は飯舘村からここ(我が家から数百メートル)に避難中とのこと。

借りてるアパートはオイラの同級生が嫁いだ家が経営してるところでした。

奥様と二人暮らしだけど体調を崩してしばらく入院してたらしいのです。

宛名書きも依頼されました。相手先の住所はほとんどが飯舘村や南相馬市や浪江など。

線量が高く避難命令が出されている住所ばかりでした。

「届くんですか?」

聞いてみると男性は

「みんなばらばらにあちこちに避難しててどこにいるかわからないんだ。元の住所に出せば転送してくれるはずなんだ」

とのことでした。

飯舘の、男性の集落でも殆どの家族が避難中だそうですが三軒だけ居残ってるとのことです。

寝たきりのご主人を介護する家族や、耳が不自由で家から離れたくない一人暮らしの女性など。

ああ、もしオイラが住んでるこの地区に避難命令出されてもきっと最後まで我が家は居残ることになるだろうなあと思いました。

「村長は2~3年で戻れるっていうけど誰も信用できないでいるんだ」

とのことです。

確かに、ここ福島市でも除線作業が行われ始めてはいますが山や田畑の除線なんて全部できっこないと思います。飯舘の山だってあんなに広大な土地をすべて除線するなんて2~3年で本当にできるのでしょうか。

枯葉や雪が放射線を里へ運んできます。土に染み込んだ放射能をどうやって取り除けば良いのでしょうか。


『絆』

という言葉がやたら耳につく今年ですね。

どんな状況になろうとも、日本人として、福島人として思い遣りの心を忘れずに生きてゆかなければですね。

小さな手袋の少女のように。

笑顔を忘れずに。


さてそろそろこの柱時計とまた向き合います。

うまく直って、お客様が笑顔で新年を迎えられますように。

 

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2 コメント

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Unknown (佐藤)
2011-12-18 08:18:32
お久しぶりです(*^_^*)『師走』という言葉がピッタリなくらいお忙しそうですね。体は大丈夫ですか?今年は大変なことがとても多く胸の痛むニュースばかりです。飯館の方のお手紙が無事に届くといいですね。小学生の話しが可愛らしくて思わずコメントをいれました。実は私今妊娠6か月です☆始めての子供で家族も喜んでいます。私もお腹の子が動くたび幸せを実感しています。楽しみだけではなく生まれてきたら一生懸命守らないとなあと思います。そんな中、家族だけではなくちゃりけんさんのように地域を守っている方がいることはとてもありがたいです。きっと女の子もそんなちゃりけんさんに安心しているからこそ届け物をしてくれたのでしょうね。忙しい時期です体もこわしやすいので気をつけて過ごしてくださいね。
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Unknown (ちゃりけん)
2011-12-19 09:55:14
佐藤さま>
毎度ご贔屓ご閲覧いただき有難うございます。
心あたたまるコメントも嬉しいです。
「師走」ってお坊様や教師のような方まで忙しく走り回る時期ですよね。事故など起こさぬよう落ち着いて行動しなきゃですね。
佐藤さん!ご懐妊ですか!おめでとうございます。
いや~なんか嬉しいなあ。若いご夫婦がこれから子育てをしてゆくのは大変なことだけど、楽しいことや喜びがたっくさん待ってますから張り切って産んで(笑)ください。
だいじょうぶ。地域みんなで見守っていますからね。昔、よくいましたよね、なんにでも顔を突っ込む地元のおばちゃんや親父たちって。ちょっとうるさいかもですが、そういうのってやっぱ必要かなって思います。困ったときは、遠慮せずに近所のおじちゃんおばちゃんに相談してみてください。きっとみんな親切にしてくれるはず。
いろんなことがあった2011年。
福島がこれから日本一のあったかい町になるといいなって願ってます。みんながここに住みたい、子育てをしたいって思える場所にしてゆかなければ。
一緒にがんばっぺない!
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