8月23日(火)宵月の夜 アイスランド
「火と氷の国」と呼ばれるアイスランドは一年を通して寒い土地です。
氷河の山がいくつもありますが、火山の島でもあるので冬でもそれほどに寒くはなりません。こんな土地の人々は優しく親切です。
この国には昔から代々伝承されてきた妖精や隠れ人、巨人やトロールそして幽霊のお話がたくさんあって、今でもアイスランドの人々の心の支えになっています。
風さんは、お話語りのおばあさんの家にルーモを連れていきました。
おばあさんはアパートメントの小さな部屋に一人暮らしでした。
昔は大家族に囲まれて暮らしていましたが、みな大きくなってそれぞれの生活を持ち始めたので、今は一人です。
おばあさんの楽しみはこの国の民話を近所の保育園の子供たちに聞かせることでした。そのために今夜もお話の練習をしています。ルーモはそばによっておばあさんのお話を聞かせてもらいました。
「さあ、今日は遠くからいらしたお友達のために妖精のお話をしようね。
(私のことがわかったのかな?とルーモは嬉しく思いました)
アイスランドのお話には妖精がよく登場するんだよ。
彼らは美しく着飾って人間と同じような容姿をしている。
しかし、彼らは常に人間には見えない。
彼らは自分たちに害を与えないひとにはとても親切だ。
昔の人は尊敬される妖精は天国に住んでいると思ってた。
今の人は、多くの妖精が大きな岩や丘、険しい岩山に住んでいると思っている。
いなかの農夫であろうと政府の技術者だろうと、アイスランドの人々は妖精や隠れ人が住んでいると知られている場所を壊すようなことはしない。
例えば、道路を通すとき、妖精が住んでいる岩があれば道を大きく迂回させて岩を壊したり取り除いたりはしないんだ。
隠れ人というのは妖精に似た存在だ。
自分たちに敬意を払ってくれる人には親切だが、どんな事でも自然に害をもたらす人に対しては恐ろしいほどの復讐をする」
ルーモは、妖精や隠れ人を信じて大切にしてくれる人の住むこの国が大好きになりました。
「さて、オーロラの話をしよう。この国ではオーロラという美しい光の雲を見ることができる。今は多くの人に美しいと喜ばれているオーロラだが、昔の人はオーロラを悪いことが起きるしるしだとも思った。それほどにオーロラは美しすぎて神秘的だからね。
昔、オーロラの精に恋をした男がいた。オーロラのあまりの美しさに虜になってしまったんだ。そして、男はオーロラの見える夜はずっと空を見上げ続けた。そうしているうちに、男は目が見えなくなってしまった。だが、男は悲しんだりしなかった。
男の心には美しいオーロラがはっきりと刻み込まれ、目が見えなくなったことで他の何も見る必要がなくなり、自分の目をオーロラに捧げられたと思って嬉しかったんだ。でも、人々はオーロラの光が男の目の力を奪ってしまったのだと考え、オーロラを見ると目が悪くなるとか、悪いことが起きるとか、言うようになったんだよ。
さあさ、今夜のお話はこれで終わりだ。
明日の晩までお蔵の底でグ~すかピ♪」
おばあさんのお話の最後は面白い言葉で終わりました。
そのあと、風さんはルーモに本当のオーロラを見せてくれました。
オーロラは素晴らしく美しくて、幻想的でルーモもすっかり心を奪われました。
そして、男がオーロラに恋をしてしまった気持ちがわかったような気がしました。
ルーモが風さんに
「恋って絶対に手の届かない者への憧れなのかもしれないわね」
と言ったら風さんは、
「きみ、大人になったね」と優しい目をして言いました。
「火と氷の国」と呼ばれるアイスランドは一年を通して寒い土地です。
氷河の山がいくつもありますが、火山の島でもあるので冬でもそれほどに寒くはなりません。こんな土地の人々は優しく親切です。
この国には昔から代々伝承されてきた妖精や隠れ人、巨人やトロールそして幽霊のお話がたくさんあって、今でもアイスランドの人々の心の支えになっています。
風さんは、お話語りのおばあさんの家にルーモを連れていきました。
おばあさんはアパートメントの小さな部屋に一人暮らしでした。
昔は大家族に囲まれて暮らしていましたが、みな大きくなってそれぞれの生活を持ち始めたので、今は一人です。
おばあさんの楽しみはこの国の民話を近所の保育園の子供たちに聞かせることでした。そのために今夜もお話の練習をしています。ルーモはそばによっておばあさんのお話を聞かせてもらいました。
「さあ、今日は遠くからいらしたお友達のために妖精のお話をしようね。
(私のことがわかったのかな?とルーモは嬉しく思いました)
アイスランドのお話には妖精がよく登場するんだよ。
彼らは美しく着飾って人間と同じような容姿をしている。
しかし、彼らは常に人間には見えない。
彼らは自分たちに害を与えないひとにはとても親切だ。
昔の人は尊敬される妖精は天国に住んでいると思ってた。
今の人は、多くの妖精が大きな岩や丘、険しい岩山に住んでいると思っている。
いなかの農夫であろうと政府の技術者だろうと、アイスランドの人々は妖精や隠れ人が住んでいると知られている場所を壊すようなことはしない。
例えば、道路を通すとき、妖精が住んでいる岩があれば道を大きく迂回させて岩を壊したり取り除いたりはしないんだ。
隠れ人というのは妖精に似た存在だ。
自分たちに敬意を払ってくれる人には親切だが、どんな事でも自然に害をもたらす人に対しては恐ろしいほどの復讐をする」
ルーモは、妖精や隠れ人を信じて大切にしてくれる人の住むこの国が大好きになりました。
「さて、オーロラの話をしよう。この国ではオーロラという美しい光の雲を見ることができる。今は多くの人に美しいと喜ばれているオーロラだが、昔の人はオーロラを悪いことが起きるしるしだとも思った。それほどにオーロラは美しすぎて神秘的だからね。
昔、オーロラの精に恋をした男がいた。オーロラのあまりの美しさに虜になってしまったんだ。そして、男はオーロラの見える夜はずっと空を見上げ続けた。そうしているうちに、男は目が見えなくなってしまった。だが、男は悲しんだりしなかった。
男の心には美しいオーロラがはっきりと刻み込まれ、目が見えなくなったことで他の何も見る必要がなくなり、自分の目をオーロラに捧げられたと思って嬉しかったんだ。でも、人々はオーロラの光が男の目の力を奪ってしまったのだと考え、オーロラを見ると目が悪くなるとか、悪いことが起きるとか、言うようになったんだよ。
さあさ、今夜のお話はこれで終わりだ。
明日の晩までお蔵の底でグ~すかピ♪」
おばあさんのお話の最後は面白い言葉で終わりました。
そのあと、風さんはルーモに本当のオーロラを見せてくれました。
オーロラは素晴らしく美しくて、幻想的でルーモもすっかり心を奪われました。
そして、男がオーロラに恋をしてしまった気持ちがわかったような気がしました。
ルーモが風さんに
「恋って絶対に手の届かない者への憧れなのかもしれないわね」
と言ったら風さんは、
「きみ、大人になったね」と優しい目をして言いました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます