丘の本棚

こどもたちとの毎日を気ままに綴ります。

夏休み おすすめの一冊

2023-06-17 23:17:03 | 夏休み
『9月0日大冒険』
作 さとうまきこ 絵 田中槇子
偕成社


(あらすじ)
今日で夏休みが終わり、明日から学校ー。
夏休みはどこへも行けなくて、全然日焼けもしていない。
真っ白なままクラスメイトに会いたくない…。
ああ、夏休みがもう一日あったらいいのに!

主人公の少年、純。小学4年生、10歳。
夏休み最後の夜、お父さんと少し話をした。
自分のこと、特に昔のことなんて普段お父さんからあまり聞かない。
それなのに、今夜に限って昔話を少しだけしてくれたお父さん。
そんなお父さんの様子が、どこか不思議だ。
おやすみの時、お父さんは言った。

「いい夢みるんだぞ」

そんなことを言われたのは、初めてだ。


夜中目を覚ました純は、商店街の福引きでもらった日めくりカレンダーをめくる。
すると、なんと「9月0日」の日付が?!
カレンダーには、「きみだけの特別な一日 さあ、冒険に出かけよう!」の文字が!
その時、トントンと窓をたたく音がー。
窓の外を見ると、ジャングルが広がっている!

さあ、冒険に出かけよう!
お守りのナイフを持って…。
この古びたナイフは、家の物置で見つけたもの。
先が少しかけていて、柄に「3人」のインディアンのもようがついている。


ジャングルで、クラスメイトの理子と明に出会い、「3人」での冒険が始まった。
途中砂漠を越え、白亜期後期の北アメリカらしいところへ辿り着く。
そこで純は、あるものを見つけてしまう。

そのあるものとはー。

矢印
古いたき火の後
「7つ」の石
さびたオレンジジュースのかん
お父さんのイニシアルと同じ「M.H」
そして「7人」のインディアンのもようがついたナイフのケース。

これらが意味するものとはー?


3人が冒険の途中から気になっているのは、
無事に家へ帰れるのか、ということ。
なんとか9月1日までに帰らないと!

はたして、これは現実なのか?
はたまた、夢なのか?
ああ、お父さんに確かめたい!
そして、9月1日、学校で理子と明と3人で会いたい!!



1989年の本です。
200ページをこえる長編なので、一人で読むには、なかなか読む力がいるかもしれません。
夏休み、毎日少しずつ読み聞かせをしていくと続きが気になって、楽しく読み進めることができると思います。



夏休みは、長編の冒険ファンタジーが読みたくなります。
昨年の夏は、エミリー・ロッダさんの「リンの谷のローワン」シリーズから、
『ローワンと魔法の地図』を読みました。
さあ今年の夏は?
一冊、候補はあるのです。
ご紹介の日まで、お楽しみに…。


みなさんは、この夏読みたい本ありますか?


今日のおやすみ前の一冊をご紹介🍀

さとうまきこさんの『9月0日大冒険』



時の記念日

2023-06-09 20:04:45 | 寺村輝夫 児童書
6月10日は、時の記念日ですね。
今日ご紹介する一冊は、「時間」に関するお話です。
少し長くなりますが、どうぞお付き合いください。


今日のおやすみ前の一冊をご紹介🍀

寺村輝夫さん 作、安野光雅さん 画の『6月31日6時30分』です。
1974年に童心社より刊行されたものが、2014年に復刊ドットコムから復刊されています。
安野光雅さんの挿し絵が素敵すぎます。



このお話は、はじまりが衝撃的です。
寺村輝夫さんらしさが、ここにぎゅっとつまっています。

「この本は、ごご6時30分より
まえに、よんでください。
なぜ?
そうすると、6月31日に、きっと、
あなたはてがみをうけとるでしょう。
えっ?」

ね?読みたくなってきますよね!


主人公は、ひろ子ちゃん。通称、ロコちゃん。
ロコちゃんは、毎日わざと悪いことをして、罰当番の放課後掃除をします。
なぜかって?
それはロコちゃんが、早くお家に帰りたくないからです。
どうしてって?
それはロコちゃんのお母さんが、仕事から帰ってくるのが6時30分だからなのです。

「おかえり」と言ってくれるお母さんがほしいロコちゃん。
そんなロコちゃんのまえに、不思議な犬ポレが現れます。
ポレの不思議な呪文と屁理屈に振り回されて、ロコちゃんは大混乱!
でも、ポレの屁理屈は実は、大切なことなのかも…。

時がとまった放課後、ロコちゃんは不思議な体験をします。
途中ぞわっとするような、なんで?なんで?とじれったくなるような、不思議なお話です。





門限ー。
長男が仲良くしているおともだちは、お母さんが帰ってくるのがロコちゃんと一緒で、6時半。
一人で家にいるのが嫌だから、長男が時間を気にしはじめても、もうちょっと遊ぼうよとなるそうです。
そのおともだちの気持ちもわかりますが…、やっぱり遅くなると心配になりますよね。

私自身、門限が厳しかったので、あまりこどもたちにはうるさく言いたくないのですが…
何か起きてからでは遅いので、時間になったらきっぱり「帰る」と言って帰っておいで!と伝えています。




さてさて、ロコちゃんは6月31日に手紙を受け取ることができたのでしょうか?
そして、その手紙の内容とはー。