地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

人はなぜ、展示をするのか

2020年07月17日 | 全般・その他
こんばんは。
先日11日まで、「空想調査員が見た、空想都市展」という展示をしておりました。多くの方にお越しいただき、ありがとうございました!


東京ではコロナの勢いが強まっており、それでもこれだけ来ていただけるのはありがたいことでした。私はこのドアを常時開けて換気を良くするくらいしか…できねぇ…そして私は健康が続いています。(私が期間中にかかってたら大変だっただろうな…)

しかしそれでもなぜ人は見に来てくれるのか。このwithコロナ時代、首都圏外からは来にくく、首都圏でも足止めした人は多かったと思います。さて、新様式として、同じものをWebでアップしたら、同じくらい見てもらい、反応をいただけたのか。

そうでもなさそうなんですよね。withコロナ時代の展示のアウトプット方法のひとつとして、展示の記録として動画を上げてみたものの、こちらはあまり反応がありません。笑

展示の全体像/地理人が案内する「空想調査員が見た空想都市」展〈Part.1〉

動画は無編集撮って出しで凝ったものではないし、そもそもネットでのアウトプット全般苦手なので(SNS、Webその他…あるけど結局リアル人間関係、コミュニティでの動きがメインで、ネットはそれを補完するものにしかなってない)、私の技量でもあると思います。

とはいえ、別に私は展示がうまい訳でもないのです。今回ギャラリーで設営していて、ギャラリーオーナー、今回のキュレーター、設営技師2人…と一緒に設営してたのですが、私が最も配置や見せ方、もっと言うと美しく見せることに最も無頓着した。なので私の技量の比較というよりは、場がもつ力やリアルなスペースでの展示の効能を考えてみようと思っています。

狭い会場ながら、1時間以上いた方々も結構多かった。冷静に見れば、そこに特に普段注目するものはなく、むしろ注目しない普遍的なものしかない。何を1時間以上見ていたのか…とツッコミを入れたくもあるが、同じく妙な地元感を感じていた方もいた。日常の記憶がどう作られるのか、ゆるゆる考えたい。


はい、結論出ず…
今後考えていきたいだけで、まだ全然煮詰まってないんですが。

単一の視覚、聴覚コンテンツを鑑賞することはスマホでできても、複数のコンテンツをまとめて複合的に味わうことは、それを包容する大きな空間あってこそで、空間全体でどういう体験ができるかを考えねばな、とは思いました。はい。

そして、もうひとつ。
これは言われて気づいたんですが、見せようとしていない風のものと、見せようとしている風のものの混在も特徴で、これは整えていくか、あえて散らしていくか…散らし方と混在具合をこれから考えていくことになりそうです。

そして、今回改めて「展示の所作」を味わうのでした。
いまさらですが新鮮だったのは芳名帳。近年展示が続いた公立美術館では芳名帳はありません。今回の展示会場のような、民営のギャラリーだとあるのです。

ギャラリーさんによって芳名帳が用意されていました。「DM希望」の欄がありますが…そうか、展示作家たるものDMを送るのか!(DMを送ることを想定してなかった)。

とりあえず芳名帳がおもしろいので、架空のものを作ってみましたよ。
(何人か協力いただきました)



ところで人はなぜ、展示をするんでしょう。
今回は、というか今回も、キュレーターの方に呼んでいただいて、この企画が実現しました。なんて受動的。受動的にいただいた機会をもとに、企画内容は積極的に攻めた内容にしよう、と今回、コラボ展示の新たな章を開いたつもりではありますが、そのためにも、展示の効能を考えねばなりません。

人によっては、自力でギャラリーを借りて、企画し、進める人もいます。作品が売れる場合は、ギャラリーを借りる費用を、作品が売れた価格で賄える…こともあります。しかしそれはごく少数。うちも、たぶん作品としては売れないと思います。(売れないと思ってるだけ、かもしれない、試してないのでわからないけど)

売れなくても、お金がかかっても、展示をしたい…そういう人もいるのです。

なんならネットでもアウトプットできるこの時代に、リアルスペースを借りて展示をすることで何を叶えるのでしょうか。私の中ではさきほどのまとめから…単一の作品にとどまらず、複数の作品をまとめて複合的にアウトプットし、それを鑑賞する空間作りを通して、作品群を通して見えてくる体験づくりをする、ということなのか、あるいは出版のように、作品制作活動の集大成、作家としての活動履歴としてすること…なのでしょうか。

教えて、展示する人!
地理人は今後、展示する人、したい人に、なぜ展示をするのか…追ってまいりたいと思います。そしてヒントを得たいと思います。それでは。