Chiakiの徒然日記

共感できたのは主人公ではない

「バッテリー」。
この春、NHKでドラマ化され、主人公の態度にムカムカしながらも、
ストーリー自体は面白かったので、最後まで見続けた作品。
小説の方にようやく取り掛かって、1冊を1日、ときには1日で1冊半読むこともあったが、とにかく全6冊を読破した。
そして、最後まで主人公である巧には感情移入できなかった。
ところどころで、巧のもどかしい思いを察することこそ出来たが、
随所に出てくる「関係ない」という言葉がどうにも気に入らなかった。
父親が何気なく尋ねた「高校、何処に行きたいとか考えているのか?」という問いに答えない。
モノローグとして、高校を何処にするとか、そういうのをいちいち指図されたくない、
決めたら決めたでちゃんと言う。と考えをめぐらしている。
俺が高校を何処にしようと、親には関係ない、と。
あの~、高校進学って親の経済力なども関ってくるから、決める前にきちんと相談しなきゃダメだよ~。
それに、どうしてそこで「まだ考えてない」ぐらいのことが言えないんだ~。
13歳ぐらいの子としては当然の反応なのか?
私が中学の頃は、1年生のうちに一度進路希望調査があって、少しは親と話したぞ。

そんな主人公にはどうしても感情移入が出来なかったのだが、
6冊も読破できたのは、やはり周りにいる友人たちの人間が出来ていたからだろう。
私のお気に入りは、3年生の海音寺くんと、2年生の野々村くんと、1年生の吉貞くん。
強烈なリーダーシップを発揮してみんなを引っ張っていく海音寺くん、
次期キャプテンとして、さりげなくみんなを見守り支えている野々村くん、
ふざけた言動こそ多いが、実力も伴い、空気をやわらげてくれる吉貞くん。
この3人がいなかったら、最初に買った2冊で脱落していたかもしれない。

たった1年では人間はそんなには成長しない。
だけど、巧もこの3人と関っていくことで、ほんの少しだけど変化が見られた。
これを成長というのか。
「成長とは何か」というのも考えさせられた。

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