ウクライナ南東部マリウポリについて、市内を完全掌握したとロシア国防相が、プーチン大統領に報告をしている様子の映像がロシアから流されている。プーチン大統領は、軍事作戦は成功したと宣言した。ウクライナの大統領は「マリウポリの大部分はロシアの管理下にあるが、一部は我が部隊のもの」と完全掌握を否定している。アゾフスタリ製鉄所には、まだ、約1000人の市民と負傷兵約500人が地下シェルターに残っているとSNS の情報が流れる。プーチン大統領は、製鉄所への突入は現実的でないと中止を命じた。ただし、「ハエも飛ばさぬように」と封鎖の継続を命じている。勿論、シェルターから出てくることを求める広報は出す。けど、シェルターの中で肉体的にも精神的にも人々が飢えて崩壊するのを待つと言う事でもある。
私は一番残酷な殺人方法は、作為的に「餓死」させることだと思う。ロシアの領土に生活する1億4千万人を超える人々の生活を補償し、未来に希望を見せなければならない大統領が、「餓死」の選択肢を手にした。この戦争は、同胞の親ロシア派の受けている迫害を排除すると言う理由から始まったと聞いている。どんな「迫害」だったのだろう?具体的な事は分からない。日本から遠く離れた北極に近いヨーロッパの一か所で、戦車が走り、ミサイルが飛んだ。綺麗に整備されていた街並みは、灰色の瓦礫に代わり、住民の姿は無く、焼け焦げた車とみることができるフレームが、道に転がっている。兵士が注意深く地雷を探しながら歩く。その脇を犬がうろついている。軍隊と行動をしているカメラマンが、瓦礫を、シェルターに隠れる人々を写す。廃墟、何のための?一人の権力者の意向で、シェルターは「ハエも飛ばせぬように」と瓦礫の中に埋没させられるのか。なぜ戦うのか。戦う必要があるのか。