着物、買いました
島根出身の着物作家さんの作品です
何度かお会いしたことがあるのですが、ご本人はとても上品で、でもお茶目さん
作法などの書籍も出版されている方です
しかも、着物専門の学校まで立ち上げちゃっていらっしゃるとか
一昨年結婚された千家典子さまの着物もデザインされたとか
最初にその先生にお会いしたとき、その立居振舞の上品さに圧倒され、憧れ、ファンになりました
その先生デザインの羽織を購入
その羽織は、表地、裏地、紋が自由にアレンジしてもらえるもので、私は裏地の鼓がステキだったのでそれをチョイス
そしたら、その先生が
『提案なんだけどね、紋を鼓のデザインで手縫い刺繍をしちゃいましょうか?』
ステキな提案に、即「お願いします!!」ですわ
「想像してみて
たたんで持っているときには、裏地の鼓が見えていて、羽織ったら背中にも同じく鼓が刺繍されている……
粋でしょ? そういうことに気付いてくれる人は、きっとステキな人だし、自分もそういうことに気付ける人間になりたいわ」という先生の一言が、とっても心に残りました
(息子の入学式のときにおろそうかと思っていたら、その日がとっても温かすぎて、羽織なんて着る気温ではなかったため断念。でも時々、家の中でそっと手を通して『ステキ~』って、一人遊びをしております)
そのときに、ついでで良いから覚えておいて損はないわよって、羽織の美しいに義気の仕方を、先生の羽織を使って教えてもらっちゃいました
次に買ったのが、↑の着物
その着物を買う時も、先生のすごさにビビりまくり~~~
先生の作品の展示会のお知らせが来ていたので、「見学~」と思って行ってみる
当時、私は『市松模様』の着物が欲しくて、探していたけど、なかなか「これだ!」ってモノが見つからず数年経過
やっぱり先生の作品はどれもステキで、でも一番最初に、ある一本の反物の柄が目に入ったんだけど……、担当についてくれた店員さんが
「これはどう?」「こっちもステキよ」「これは〇〇産の繭からとった絹糸で織った着物で~」「これなんて、変わった柄よ」「ホラホラ、これなんかどうかしら?」と、次々に私の食指が動くものを1つも持ってこないくせに、どんどん反物を広げてゆく~~~
「ちょっと見たいので」と言ったら「そうよね。そうだわ。ゆっくり見ていってね」の30秒足らずの後
「ほら、これを見て!ステキでしょ~~~」って……(この時点で20本以上もの反物が私の周りに広がってて、なにがなんだかわかんないww)
もうね~~、着物地を見るスキさえ与えないほどの猛烈アタックを仕掛けてきて「見せてもらえないし、もう帰ろうかな」とちょっと思ってたら、その着物作家の先生が、たった1本だけ、反物を持ってきて私に見せると
「これでしょ?」
って、ニッコリ
そう
その反物の柄は、展示会の隅っこにちょっと置かれていて、入ってきたとき一番最初に目に入った物
しかも、「あ、カッコいいな~」って第一印象で魅かれていました(一種の一目ぼれ?)
でも先生は私が来たときには、他のお客さんの対応をしていなかったから、私のそんな視線は見ていないはずなのに、300本近い反物の中から、ドンピシャでその一本を持ってくる
『この先生、やっぱ、スゲ~~~~~』と、そのときの私は心の中で叫んでおりました
(2~3本じゃなくて、たった1本で勝負をかけてくる!! この先生、やっぱ本物だ~~って度肝を抜かれちゃいました)
しかも、紺と白の二色を使っているので、縫製で市松模様にできるじゃあ~りませんか
ダブルで、心を打ちぬかれちゃいました
『この先生のコーディネートなら、信用できる』と、帯も、帯締めも、帯留めも、先生にお任せ~~~
一重の着物なので、襦袢も上布の単衣をチョイス
(素人の私より、先生がきちっと合わせてくれたほうが安心して着られるし)
反物に先生の作品である証拠のハンコを押すところを、目の前で見せてもらい、出来上がってきました~~
さぁ、頑張って稼がなきゃww
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その先生エピソード
パーティーなどでホテルのクロークに、羽織を預けるときのこと
クローク担当の若い男性スタッフに、羽織を渡します
羽織は濃緑のとてもシックな羽織(地味?)
しかーし、その裏地にはなんと「夜のパリの酒場」の絵柄が……
スタッフが羽織をハンガーに掛けようとしてその裏地を見た瞬間、ほとんどのスタッフが
『スゲ!!!』って、ビックリする声を聴くのが、楽しくてしょうがないのよ~って笑ってました
そりゃ、その若いスタッフ君も、羽織の表と裏のギャップにビックリするでしょ~~
おとなしくて上品そうな外見を裏切る裏地の柄
「私だけが知っている」というヒ・ミ・ツな事実に、ちょっとワクワク心を躍らせる
そんな小粋な遊び心は、江戸の昔からあったそうですね
ということで【裏勝り】のプチメモコピペ~~~~~~~~
着物の羽織などにおいて、表地よりも裏地に高価な生地を使ったり、派手な絵柄を施すことを『裏勝り』と言います
羽裏には、教養や審美眼など、いろいろ連想させられる物が、たくさん秘められています
羽裏には、誰に見せるためでもない、自分だけが素敵な物を隠し持っているという楽しみ。
その一方で、隠してもどこかでほかの誰かに見てほしい…
自慢げに見せつけるのでは下品にも感じてしまうけれど、秘めておく美しさをもかもしつつ、楽しむ心意気
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(そういえば昔、学ランの裏自に虎とか、龍とか……ww)