竹林亭白房

菊之丞「親子酒」@演芸図鑑★落語

□本日落語二席。
◆古今亭菊之丞「親子酒」(NHK総合『桂文珍の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和6(2024)年8月25日OA。
東西ともに演者にとても人気のあるネタということでは、「親子酒」か「天狗裁き」かというくらいよく聴く。ただし、東西では同じ演目としながらも似て非なる落語と言ってよいのがこの「親子酒」である。そこは「天狗裁き」と大いに異なるところだ。

ちなみに、つい五日前も上方で笑福亭竹林の「親子酒」を聴いたが、このときの「親子酒」は、なんと東京型のそれだった。もしかすると、以前も上方の落語家で東京型の「親子酒」を演るのを聴いたことがあったかもしれないが、めずらしくはある。

両者の相違は、以前も書いたと思うので、端的にだけ記せば東京型「親子酒」は、とても短くコンパクトな構成となっている。つまり、定席の寄席などで掛けるのにつごうのよいサイズにアレンジされているのである。
上方落語が東京に移植されると、寄席文化の発達した土地柄にあわせて作りかえられるというのはよくあることだ。「時うどん(時そば)」とか「饅頭怖い」とか。
五日前に聴いた竹林の「親子酒」も神戸喜楽館での高座だった。上方でも、繁昌亭とか喜楽館とか、定席ができてから、逆輸入のような形で東京型の上方落語が演じられるようになってきているのかもしれない。

さて、今回の菊之丞の「親子酒」は初めてでなく何度か聴いているはず。今までもそうだったかなと、ちょっと思ったのは、東京型特有のプロットで親子で禁酒するという件(くだり)である。
親父が息子に禁酒をもちかけるところで、息子の酒が所謂からみ酒というやつでたちがよくないからという理由をていねいに語っていた。東京の落語家で、こんなていねいに理由を語る「親子酒」はあまりいないのではないかなと思ったしだいである。これは菊之丞オリジナルだろうか。また、ちょっと気にしておくことにしよう。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・立川晴の輔・三遊亭好楽・桂宮治(日テレ『笑点』第2924回)。
後楽園ホール、令和6(2024)年8月25日OA。
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