竹林亭白房

遊雀「堪忍袋」★落語

□本日落語一席。
◆三遊亭遊雀「堪忍袋」(寄席チャンネル『粋 らくご』)。
池袋演芸場、令和元(2019)年8月19日(池袋演芸場2019年11月中席)。
明治期に劇作家益田太郎冠者が作ったとされる落語。東京と上方では噺の内容がいささか異なる。いや、異なっていたというべきか。
もともと聞き知っていた東京の「堪忍袋」は、不平不満で満杯になった堪忍袋が最後に弾けて、そこからいっせいに不平不満の騒音が飛び出すというもの。上方のは、いっぱいにつまった堪忍袋に、最後に伊勢屋の若女将が姑の悪口を叫んで、その袋を病床の姑のところへ持っていくと、袋が弾けて若女将の悪口が飛び出してきたので、姑は元気になったという落げである。

益田太郎冠者は東京の人だから、東京の落語家が演る「堪忍袋」が原型なのだろうか。してみると、上方の「堪忍袋」はどういう経緯でできたのだろうか。また、今後の宿題だ。
いずれにしても、最近では東京でも上方型で演る落語家が多いように思う。この遊雀もそうである。上方型のほうが笑いが多いというところに手がけやすさがあるのだろうか。

今回の池袋演芸場は比較的反応が良かったけれど、二三日前に聞いた九代目雷門助六の高座はクスリともしなかった。また、助六が高座がさがるときに拍手も起らなかった。
自分も、だいぶ前に何度か池袋演芸場に足を運んだことがあるけれど、なんだか客層が独特だ。
いちばん明るくウケるのが浅草演芸ホール。次に新宿末廣亭か。そして、池袋演芸場と上野鈴本演芸場が、日によっては重たいことがしばしば。後二者で演る落語家はたいへんだろうと拝察する。
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