竹林亭白房

福楽「代書」★落語

□本日落語一席。
◆桂福楽「代書」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和5(2023)年1月1日(「~笑うKADOには福来る~心斎橋角座 正月特別興行」)。
代書屋へ履歴書を書いてもらいにくる男が、自分の名をアサジロウ(米朝などはヒコジロウ)と告げたとき、代書屋がジは、どんな字?「次」か「治」か?と問う場面で、ふつうここは男が代書屋に向って、「あんたにお任せしますわ」と答えるところで、ふつう流すのだが、福楽は、チョコレートの焦げ茶色の包み紙に書いてるのと同じだと言って答えた。これは、たぶん他の人では聞いたことがない。これ、おもしろい。

実は、現在の明治ミルクチョコレートには漢字書きの部分がなく、「meiji」と大書きした下に小さく「milk chocolate」と書いてあるのみ。これが発売されたのは大正15(1926)年で、昭和17(1947)年までは、現在と同じように英語書き(デザインは異なる)された下に、右から左向きに「明治ミルクチヨコレート」と小さく書かれてある。
「代書」の演じられた時代は、戦前の昭和初期と思われるので、ちょうどそのころのデザインと合致していておもしろい。

また、男が代書屋から職歴を次々と尋ねられて、途中で「昭和10年10月10日に飛田で……」と言って代書屋がそれを書きかけながら、(仕事を)何したん?問われたあとに、男は「マッちゃんと喧嘩した」と答えた。
ここは、ふつう「マッちゃんと女郎買いに行った」と演るところである。福楽自身が自制した演出にしたのだろうか。それとも、昨今「女郎買い」ということにふれてはならぬという風潮があるのだろうか。もしそうだとしたら、とても悲しいことだ。
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