竹林亭白房

三枝(六代文枝)「初恋」★落語

□本日落語一席。
◆桂三枝(六代文枝)「初恋」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
NHK大阪ホール、令和4(2022)年1月13日収録(第422回「NHK上方落語の会」)。
オープニングトークで、この落語を上演するのは二十年ぶりだと言っていた。最近身近に不幸があったので、これを久しぶりに演ってみる気になったのだと。身近の不幸というのは、一年前の1月、妻が亡くなり、それと続いて母が他界したできごとを指しているのだろう。
ただ、「初恋」という落語の内容と、妻の死(たぶん母の死は直接落語の内容とは関係ないと思うが)が、どのように結びつくのか、また、とくに結びつきがないのかは何も語らなかった。

落語に登場する人物は高校の国語教師とその教え子ヤマダとのやりとりが軸で、演目の「初恋」は、国語教師が同校の英語教師に好意を抱いていることによるもの。どうも、三枝(六代文枝)自身の実体験をベースにしたように思えなかった。いや、もしかすると、細かいやりとりに何か反映されているのかもしれないが。

たとえば、最後の落げに至るプロット。国語教師が意中の女の家に電話して、訥々とひとしきり語りかけたあと、電話の相手が実のところ本人でなく母で、「今娘にかわります」で落げになったが、こんな体験を三枝(六代文枝)がもしかしてしていたとか。どうなんだろう。
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