□本日落語二席。
◆桂梅團治「井戸の茶碗」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和5(2023)年1月1日(「~笑うKADOには福来る~心斎橋角座 正月特別興行」)。
◆柳家小満ん「金魚の芸者」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
「めずらしいところをお聞きいただきますが」と小満んが言い出して始めたように、まったく聞いたことのない落語だった。川戸貞吉『落語大百科』に項目がないが、『増補 落語辞典』にはある。
同書によると、鼻の圓遊の作だという。あのステテコ踊りで有名だったとか言われる、明治時代の落語家初代三遊亭圓遊(実質的には三代目)である。『増補 落語辞典』では、どの速記本から採った落語かということが記されている。それによると、雑誌『百花園』、金園社版『落語全集』、雑誌『文藝倶楽部』である由。これらのどれかを見ると、初代圓遊が作った事情がわかるのだろうか(たとえば、マクラで自ら語っているというような)。一度確認してみたいものだ。
内容は、子どもがいたずらして遊んでいた金魚を、魚屋の魚勝が助けた縁で、魚勝のもとへ人間に姿をかえた金魚が現れるというもの。そして、芸者にしてくれと言うので、魚勝が柳橋の芸者屋へつれていくと、主人に何か芸を聞かせてくれと言われた金魚が清元を一節唄う。
それを聞いた主人は「ああ、良い声(こい)だねえ」と言うと、「いいえ、金魚です」と言って落げである。「声」を「こい」と発音する江戸落語ならではの落げということになるか。
小満んは誰から、この落語を継承したのかわからぬが、確かに、当代の落語家でこの噺を語ったのを聞いたことがない。所々にさほどの笑いどころがないというのが、この落語が敬遠されている理由だろうか。何か演りようによっては、もっとおもしろくなりそうな気もするが、どうだろう。
◆桂梅團治「井戸の茶碗」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
DAIHATSU心斎橋角座、令和5(2023)年1月1日(「~笑うKADOには福来る~心斎橋角座 正月特別興行」)。
◆柳家小満ん「金魚の芸者」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
「めずらしいところをお聞きいただきますが」と小満んが言い出して始めたように、まったく聞いたことのない落語だった。川戸貞吉『落語大百科』に項目がないが、『増補 落語辞典』にはある。
同書によると、鼻の圓遊の作だという。あのステテコ踊りで有名だったとか言われる、明治時代の落語家初代三遊亭圓遊(実質的には三代目)である。『増補 落語辞典』では、どの速記本から採った落語かということが記されている。それによると、雑誌『百花園』、金園社版『落語全集』、雑誌『文藝倶楽部』である由。これらのどれかを見ると、初代圓遊が作った事情がわかるのだろうか(たとえば、マクラで自ら語っているというような)。一度確認してみたいものだ。
内容は、子どもがいたずらして遊んでいた金魚を、魚屋の魚勝が助けた縁で、魚勝のもとへ人間に姿をかえた金魚が現れるというもの。そして、芸者にしてくれと言うので、魚勝が柳橋の芸者屋へつれていくと、主人に何か芸を聞かせてくれと言われた金魚が清元を一節唄う。
それを聞いた主人は「ああ、良い声(こい)だねえ」と言うと、「いいえ、金魚です」と言って落げである。「声」を「こい」と発音する江戸落語ならではの落げということになるか。
小満んは誰から、この落語を継承したのかわからぬが、確かに、当代の落語家でこの噺を語ったのを聞いたことがない。所々にさほどの笑いどころがないというのが、この落語が敬遠されている理由だろうか。何か演りようによっては、もっとおもしろくなりそうな気もするが、どうだろう。