竹林亭白房

小痴楽「転失気」★落語

□本日落語四席。
◆柳亭小痴楽「転失気」(NHK総合『林家正蔵の演芸図鑑』)。
東京渋谷NHK放送センター、令和7(2025)年2月2日OA。
この落語も、従来の落げが使われなくなったものの一つである。この場合は、従来の落げの意味がわからないというのでなく、単純につまらないからであろう。確かに、「(屁でも酒でも)どちらも過ぎるとぶうぶうが出ます」では、意味はわかっても、そんな終りかたか、てなもなんである。

だから、今は演者がそれぞれにくふうして、今もって定番がない、そしてこれからも模索が続くのだろうという落語のように思える。
で、小痴楽は、医者が和尚に向って「どうして寺方では盃のことを転失気と言うのだ?」と問い、それに対して和尚が「どちらもつまみがいります」と言って落げていた。この落げを言うとき、小痴楽は鼻をつまむしぐさをして見せた。つまり、これは屁のほうを表すための所作である。なるほど。

ただ、これは、新しく作った落げのようでもあるが、かつて昭和の名人十代目金原亭馬生が「あまり過ごしますと、どうしても人のこれんなります」と言って、鼻をつまむ所作をして見立て落ちで落げたという前例がある。小痴楽はここから改作したのかもしれない。
いずれにしても、今後、スマートに落げる「転失気」が出てくれば、それが定番になるかもしれないことを期待しよう。

上方では、誰が考えたのか知らんが、「いつから寺方では盃のことを転失気と?」と医者に問われた和尚が「それはもう奈良・平安の昔から」と言って落げる型がある。現状ではこれがいちばん良いかもしれない。

◆桂三河「粗忽長屋」(ABCラジオ『日曜らくごなみはや亭』)。
神戸新開地喜楽館、令和6(2024)年10月9日(マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2024」予選最終日)。

◆露の紫「合鍵の変」※作:くまざわあかね(ABCラジオ『日曜らくごなみはや亭』)。
神戸新開地喜楽館、令和6(2024)年10月9日(マルエスpresents「神戸新開地・喜楽館AWARD2024」予選最終日)。

◆『笑点』大喜利:春風亭昇太(司会)/三遊亭小遊三・春風亭一之輔・林家たい平・立川晴の輔・三遊亭好楽・桂宮治(日テレ『笑点』第2946回)。
後楽園ホール、令和7(2025)年2月2日OA。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る