竹林亭白房

さん喬「笠碁」@博多天神落語まつり2022★落語

□本日落語一席。
◆柳家さん喬「笠碁」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2022其の弐)。
FFGホール、令和3(2022)年11月5日(第16回「博多天神落語まつり」※柳の会)。
落げの展開をかえるさん喬の「笠碁」は、すでに六年前に聞いている(高座は七年前のもので2016年「NHK東京落語会」第688回)。

そのときの鑑演メモを見ると、今回聞いたものとほぼ同じだと確認した。笠から滴を落ちているところで切らない。碁をさす二人の老人が、たがいに高齢であることを語りあい、「もう待ったなしだ」と言って落げるといったところである。

以前に聞いた、「東京落語会」の高座は、御通家の多い公演だから、古典落語で定番の落げをかえたところにとまどいのような空気感が漂っていたようだという感想(主観的判断)を書いたが、今回の「博多天神落語まつり」は、純粋に落語を楽しもうとする客たちなので、そういったとまどい感はまったく感じられなかった。
ただ、この「落語まつり」も十六回もやっていれば、毎回足をはこぶ濃い落語ファンもいるのではないかと思われるが、それでも土地柄か、斜にかまえた雰囲気が会場にはない。演者にとってもとても演りやすい落語会なのだろうと思われる。

途中に「あくび指南」に掛けたクスグリを入れるのは、「東京落語会」のときも演っていた。「東京落語会」ではわかって当然といった客たちだろうが、この「博多天神落語まつり」の客も、半分以上の客は反応して笑っていたから、やはり落語好きは相応に多いのだろうと思われた。

マクラでの、幼い花緑をいじめた噺、落語家となった若き花緑に稽古をつけた噺は、デフォルメされているのだろうが、おかしかった。
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