えんじゃけん

「イヌビト」

「イヌビト」観てきました。

コロナ感染者が増えている関係上か、チケットのキャンセルがあったようで、一般発売日よりもチケットのあまり数が多いように感じます。

 

入り口には、犬(?)の大きなぬいぐるみがいて出迎えてくれます。

よく見ると、二匹ともマスクをしています。

コロナだからかなと思いますよね・・・それもあるかもですが、そうではないのです。

かわいいですよね。

けど、犬というよりはくまさんに見えてしまう。

 

 

この先、ネタバレありです。

 

『どこかの国の、どこかの町の、タナカ一家は愛犬とともにシンプルライフを堪能しようとこの町に引っ越してきました。

ところが町中はどこか殺伐としています。

誰もがマスクで区と元を隠し、ソーシャルディスタンスを保ちながらの暮らし。

この町にはイヌビト病の感染が広まっていたのです。

今を去る事30年前、この町では狂犬病が大発生、ついにヒトはイヌを飼う事を禁じられ、この町からイヌはすっかりいなくなりました。

しかし、今度はイヌビト病が大流行、さらにはヒトからヒトへの感染も始まって・・・・・・』

 

今回は最前列が10列目となっていて、てっきりステージから距離をとるために、それだけ席をつかわないのかと思いつつ・・・なんと。

10列目より前の席はとっぱらって、そこまでステージとなっていました。

驚きです。

でも、まさか、そんなぎりぎりまで、客席の方まで来ないのだろうなぁと思っていたら結構近くまで来ていて、さらに驚きました。

役者さん、全員マスクを着けての演技なので大丈夫だとは思いますが。

松さんは、透明の口元だけのフェイスシールドを付けて演技していました。

私は2階席だったので、近いわけではないんのですが、10列目(実質最前列)の人は本当にかなりの迫力で見れたのではないのだろうかと思います。

松さんですが、最初から最後まで出ずっぱりで、それもほとんど話しっぱなしです。

語り部であり、マツダタケコであり・・・(笑)

それにしても松さん、芝居が本当にレベルアップしたよなと思います。

力むことなく、その時その時で切り替えをうまくできている。

そして、今回歌もあるのですが、久々松さんの生歌を聴ける贅沢な舞台です。

多少、松さんのダンスも見られますよ。

今回はダンサーさんが10人一緒に参加してるので、かなり身体的に面白い動きが見られます。

引間さんと一緒にダンス公演をしていた人たちもいて、碓井さんはすぐに見つかったのだけど、

島地さんがいないなぁと思っていたら、なんとタナカの妻、ツマコとして登場。

さすがは島地さん、女性らしい動きも上手で、2階から見たら一瞬女性かと思いました。

にしてはかなり大きいのですけどね。

島地さんは、ダンスの時から笑いのツボを知っている人だなあと思っていたのですが、

今回は結構セリフのある役だったわけですが、やはり笑いを多くとっていました。

さすがです。

 

そうそう、劇場に入ってまず驚くのは、上に書いたように舞台が10列目前までぎりぎりあることもなんですけど、巨大な舞台セットです。

これが、かっこいいんです。

真ん中に城かのようにドンと構えているんですけど、それが、回ると街の中を表現したり、とにかく驚きなんです。

隔離された町なので城壁ともとれるかもしれない。

あとは登場人物の名前、タナカとカナタが出てくるんですけど・・・これって、『かがみのかなたはたなかのなかに』に出てくる登場人物と同じ名前だったりします。

 

今回のお芝居は、(今回のお芝居も?)解釈は人それぞれという感じに終わるようになっています。

私はどんな解釈をしたかというと、マツダタケコさんが、子どもの頃に手放してしまった犬に対しての後悔を

タケコさんの妄想(?)の中で、その犬に再び出会い、受け入れることで気持ちが昇華されたお話だったのかなと思いました。

他の人はどう解釈するのかなというのも気になります。

 

あとは、気になったのが、役者さん同士、抱き合ったり、手を繋ぐ場面があるのですが、これはコロナ的に大丈夫なのじかなとちょっと心配。

最後まで無事公演が終わりますように・・・。

あと何回か、劇場に足を運ぶ予定です。

次回は、1階席での観劇です。

2階席は舞台の奥までよく見えました。

1階席だとまた、違った見え方なんだろうなぁと楽しみです。

 

さて、帰り。

帰りも犬たちが見送ってくれるのですが、・・・・あれ?

マスクがとれているじゃん!

イヌビトに噛まれても、人々は噛まれたことを忘れてしまうという・・・

もしかしたら、観劇したみなさん、帰りにこのイヌビトに噛まれてすでにイヌビトになっているのかも。

 

さて、この日はアフタートークがありました。

今回のイヌビトが出来上がるまでの秘話を語ってくれました。

長塚さん、台本を一回、作りかけていたものを今回のコロナの影響で、一回なしにして作り直したんだそうですよ。

一応、イヌビトという大きな設定は一緒なんだそうですが、実際、コロナが流行し、自粛生活を続ける中で、

いろいろと思うところがあり、作り直したんだとか。

そして、やるならやるで、またいつできなくなるか分からないのですべてやりたいことやってしまおう!って発想で、今回の舞台ができあがったんだそうです。

それに伴い、松さんにはいろいろとやってもらうことになると思うといったことを話すと松さん、「・・・・はい・・・」ってお返事なさったんだとか。

最初は最初から最後まで松さんがしゃべる続ける設定にしようかとも思ったそうなんですけど、

結果的にはダンサーさんなんかも話すようにしたそうです。

長塚さん、コロナで自粛が始まった時、舞台ができないかもしれないと思うと、やる気がなくなった時期もあったそうですが、

友人の息子さんに、8月に子ども向けの舞台があったら行きたいかと尋ねると、「行く!」と即答したそうです。

このおかげで、くじけそうになっても作品を作ろう!と思えたんだそうです。

やったね、グッドジョブ!友人の息子!ありがとう!!

他にも舞台セットのことや、踊りのシーンがどんどん増えて行ったことや、音楽のことや、演出の仕方が外国の演出家のようだとか、

いろいろなお話を聞くことができました。

 

本当に、公演できてよかったなと思います。

今、コロナ感染者がどんどん増えている状況ですが、本当、無事完走できることを願っています。

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