無事、楽を迎えられたようで何よりです。(^^)
以前の『コーカサスの白墨の輪』9(in 松本)で、
ミカエルを預かるシーンについて書きました。
私が観た、松本初日では反乱の中、乳母よりミカエルを
預かってもニコニコしていたグルシャ。
そして、他の使用人たちに「あんた何持ってるの?!」と
聞かれてものほほんと「乳母からあずかったの。(^~^)」って調子のグルシャ。
「ばかねぇ、乳母が戻ってくるわけないじゃない」と言われている時、
本当にのほほんとした顔でにこにこ顔だったんですよね。
自分の今の状況(反乱ですぐに逃げ出さなきゃならない状況)を
全く理解していないような表情をしていた。
私はこれについて、グルシャはそこまで脳天気ではないのではないか?
といった書き方を前回しました。
それについて、
>私はあの前のシーン、シモンと婚約して嬉しい気持ちが続いているんだと思ってたので、
>違和感はなかったですね。あのときのグルシャって反乱が起こって大変だ逃げなきゃって
>気持ちよりもシモンと心が通じ合えて嬉しい気持ちが勝ってるという難しい心持ちの
>シーンだと思います。感想をもらって気付いたことがありました。
という感想を頂きました。
あのシーンって、シモンと婚約した直後の続きのシーンなんですね。
それに気付いてなかったかも。(^^;)
舞台セットをほとんど使わない今回の舞台。
そして円形である舞台。
そしてアズダックの話と平行するこの舞台。
なんとなく、話上の時間感覚が麻痺する気がしました。
サゴジョウ(あさひなさん(^^;))の語りがなければ、時の流れってものが
あまりよく分からないなぁと思いました。
通常の舞台ってそんなに時間感覚が麻痺することはないんだけど、
どうしてなんだろうなぁって少し思いました。
舞台セットとかって、そういった時間の流れを感じさせるものとして
貢献度が大きいのだろうか。
それはさておき。
あのミカエルを預かるシーンがシモンとの婚約直後なら、
ニコニコマッタリはありえるように思える。
グルシャって若い娘なんだよね、多分。
だとしたら、感情の中で恋愛が一番ってなってもおかしくない。
その方が自然かも知れない。
そして、グルシャの嬉しい気持ちを通すことで、婚約のシーンとの
時間の流れも途切れにくくなるのかなとも思った。
それに関連して、私は唐突だなぁと思っていた台詞があります。
それはグルシャがシモンに
「ミカエルを拾ったのはなんでだと思う?」
と言って「あなたと婚約をした日だったからよ!」と言うところ。
ここがすごく唐突に感じてたんですよね。
東京公演の最初の方はこの台詞、あんまり大事にされてなかったように思います。
音楽が大きく鳴り響いていて、それに負けじと大きな声でダンスに間に合うように、
台詞を慌てて言っている印象を受けてました。
だから、あまり重要な台詞じゃないのかと思っていました。
けど、松本ではこの台詞を大切に言っていたように思います。
ゆっくり心を込めて静かな感じで言っていた。
音楽も気にならなかった。
最後の「あなたと婚約をした日だったからよ!」という台詞が唐突に感じないためには、
このミカエルを預かってから拾うシーンの演技がとても重要なのだろうなぁと思いました。
他の掲示板で読んだんですけど、ミカエルを拾うシーンを松さんは串田さんに演技を
任されたとありましたが、だとしたら、一番重要(難しい)シーンを任されたんだなぁと。
それだけに松さんも拾うシーンでは試行錯誤しただろうなぁと思いました。
時間の流れが分りにくい(途切れ途切れになる・・・アズダックと平行するため)中で、
その最後の台詞を唐突でなく、納得させられるようにどう演技したらいいか、
その試行錯誤は本当に大変だったことだろうと思う。
「あなたと婚約をした日だったからよ!」がしっくりくる拾い方(演技)。
その演技を松さんに任せた串田さんは、やっぱり役者松たか子を強く信頼して
いるんだろうなぁと思いました。
楽、彼女がどのように最終的にその預かるシーン、拾い上げるシーンを演じたのか
観たかったです。そして、さいごの「あなたと婚約をした日だったからよ!」という
台詞がどのように言われたのか。
芝居の中で唐突にはなっていなかったか。
そして、松さん自身がどのくらい納得できる演技に辿りつけたか。
・・・・うん、観たかった。
松さん、自分的にはいかがでしたか?
とにもかくも無事終了!
コーカサス一座の皆々様方、長旅本当にお疲れさまでした。
<松たか子>■『コーカサスの白墨の輪』■
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