しばらく中断していた老母の個人史。
続きを書き始めたが、筆があまり進まない。
本人から聴けることが少なくなったからか。
そもそも自分が知ってることが少ないせいか。
どちらも多分その通りだ。
だが、それが主な理由ではないように思う。
出来事をいくら綴っても駄目なのだ。
彼女の個人史にならないのだ。
例えば学校の授業内容を綴るようなものだ。
それを綴っても、学生時代の記述にならない。
彼女は友人が多かった。
職場やコミュニティでの友人を大切にした。
自分が何を成し遂げたかと語る人生ではない。
誰と共にいて、いかに心を寄せたか。
それが彼女の人生だったかと思う。
そんな人の個人史をどう書けば良いのだろう。
今にして思い至って、途方にくれている。