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聴刻堂日乗

映画「生きる」

映画「生きる」を観た。

1952年公開の日本映画。
監督は黒澤明。
脚本は黒澤明、橋本忍、小國英雄。
出演は志村喬ほか。

名作と言われる黒澤監督作品。
実は初めて観る。NHKの放映を
録画してあったものだ。

30年皆勤の役所の課長。不治の病
で余命半年と知る。今までの自分
の人生とは何だったのか? 茫然と
する課長。そして彼のとった行動
とは・・・。

普遍的なテーマだが、だからこそ
1952年という時代が気になって
しまう。戦争を経験した世代でも
余命宣告にはあれほど動揺してし
まうものなのだろうか。

日本の家屋、自ら玉を入れるパチ
ンコ、ダンスホール、ストリップ
・・・。時代風俗の映像はそれだけ
でも興味深い。

映画後半、課長の葬式場面が印象
的だ。遺影を前に、親族と役所の
同僚がウダウダと酒を飲みながら
故人を偲ぶ。皆、居心地が悪そう。

故人について語れば語るほど、故
人を知ることになり、それが全て
自分に刺さる矢となる。

故人を理解してなかった自分。
故人のように行動できてない自分。
本当に生きてるとは言えない自分。

反省しても明日は何も変わらない。
それでいいのか?と問うている。

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