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聴刻堂日乗

映画「これからの人生」

映画「これからの人生」を観た。

2020年のイタリア映画。
監督はエドアルド・ポンティ。
出演はソフィア・ローレンほか。

セネガル出身の孤児モモ。小学校
を退学になり、盗みや麻薬の売人
までしている。モモを保護してる
医者に連れていかれたのは、市場
でかっぱらいを働いた老女の家だ
った。老女ローザは売春婦の子供
達を預かって収入としている、ホ
ロコーストの生存者だった。

言葉は少ない。ローザがモモへ
教育的な働きかけることもない。
ローザを見て、モモが何を感じ
どう考えたか。これは"ローザを
見るモモ"を観る映画だろう。

ちなみに、1977年に作られた同
名のフランス映画がある。原作も
同じで、リメイクと言っていいの
かもしれない。

1977年版では少年はアラブ人だ。
アフリカ系の少年になったのは、
近年のイタリアの状況によるもの
か、アラブとイスラエル間の政治
的な要素を敬遠したからか。

ヨーロッパの映画を観ていると、
民族や国家といった政治的な状況
を考えずに人生は語れないと思え
てくるのだ。

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