7月13日(水)
仏間の提灯に灯がともり、いよいよお盆らしくなりました。
今年は母方の親戚からも提灯が送られてきたので、例年より
ちょっと豪華な飾り付けになりました。
母は桜が大好きな人でしたので、贈られて来た提灯の絵柄も
桜三昧でした。
当日、いつもより早起きした私は、祭壇に供える精進料理
のお膳を作り、出勤前にお経をあげました。
今日から3日間はご先祖様と母が自宅に帰るので、初日のお経
はいつもより、心を込めて丁寧に、いい声であげてやりました。
留守の間、閉め切った部屋は蒸れるので、エアコンを微風に
したまま出かけます。
この時期は季節がら、しきびや花のモチが悪いので、こまめに
水を換えながら、室温調整もしなければなりません。
それにしても、現在はお勤めしている人が多いせいでしょうか。
精進料理を毎日わざわざ作るのは大変面倒なことですよね。
そこで、そういう忙しい現代人のために発案された、手間ひま
かからない、お湯だけで簡単に作れる、フリーズドライ型の
精進本膳セット、その名もズバリ!!「ご先祖様」という、
大変便利なおおちゃくな凄いものがあるのです
ジャ~ン!!!!
手を加えると・・・・・・
こんな正式なまともな本膳がド素人の私でも簡単に
作れてしまうのです。
あとは、ご飯とお茶とお水を添えれば完璧です!!
世の中にこんな便利なものがあったなんて・・・・・。
ちょっと、いいえ、かなり感動してしまいました。
7月15日(金)
今日でまた母とお別れ。
夕方、早めに帰宅した私は、母があちらの世界に帰る前に、
もう一度こころを込めて丁寧にお経をあげ、新しいお水を
いっぱい飲ませてから、玄関先で一人静かに送り火を焚きました。
気のせいかも知れませんが、迎え火をした時よりも、炎が
激しく燃え上がり、帰ることがとても哀しいのか、3日間が
とても嬉しくて 「ありがとね。」って喜んでくれているのか。
そんなことをぼんやりと考えながら、日が暮れるまで、松明を
眺めていたのでした。
「お母ちゃん、また来年も必ず帰ってきてよ! 絶対ね!!」
でも、本当はこころの中では、「ここから帰らんでいいし、
このまま霊になって、この家に一緒に住み続けて、お化け
になって時々私のところに出てきてもかまんよ。」
なんて不謹慎なことを願っておりました。
そんな私の切ない気持ちとはうらはらに、日は落ち、辺りは
いつの間にか闇に包まれていました。